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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1975/2051

第1975話 夏だ、祭りだ、ハチャメチャだ8(5)

「確かに、影人くん達の歌と演奏は素晴らしかったよ。でも、僕も負けていたつもりはないよ。自惚れに聞こえるかもしれないけど、歓声は君たちと同レベル、いやそれ以上に上がっていたと思うよ」

「はっ、言うじゃねえか香乃宮。俺たちも負けてるつもりはねえぜ。だが、勝ち負けを決めるのは俺やお前じゃない。さあ、判決を下してもらおうじゃねえか。ここにいるみなさま方にな」

 影人が周囲にいる者たち――陽華、明夜、イズ、風音、アイティレ、芝居、ロゼ、真夏、暁理、ソニア、シェルディア、キベリア、キトナ、白麗に前髪の下の目を向けた。最初に比べればかなり増えてしまったが、ここに居る14人(ぬいぐるみは可哀想だが除く)が影人と光司の勝負の行方を決めるのだ。

「・・・・・・正直難しいわね。香乃宮くんと帰城くんの歌に対する観客の反応は、ほぼ互角に見えたし」

「うん。香乃宮くんは女性の、帰城くんは男性の反応が良かったもんね」

「というか、香乃宮くんと影人の戦いなのに、影人の後ろで演奏してた人たちの事は見逃していいの? 普通に反則じゃないの」

「勝負はあくまで歌対決で、彼らは歌っていないから問題はないのではないか?」

「そうだね。でも、バックバンドの存在は大きいかな」

「でも、歌自体は副会長の方が上手かったわよ」

「確かにそうでありますな。やはり、歌が対決の肝となっている以上、歌の上手さは見逃せないポイントであります」

「・・・・・・もう面倒だから帰城影人の負けでよくない?」

「そうですね。帰城影人ですから」

「それは影人さんが可哀想ですよ」

「わ、私もそう思います」

「どうしようかしら。心情的には影人を勝ちにしてあげたいところだけど、それは贔屓よね」

「歌の上手さは香乃宮じゃったか、そやつの方が上。余興としては帰城影人の方が上という感じじゃな」

「ふーむ、甲乙つけがたいね」

 明夜、陽華、暁理、アイティレ、ソニア、真夏、芝居、キベリア、イズ、キトナ、風音、シェルディア、白麗、ロゼが議論を交わす。議論に決着がつくまではもう少し時間がかかるか。影人と6バカ、光司がそう思っていると、どこからかこんなアナウンスが聞こえて来た。

『皆さま、あと5分ほどで花火を打ち上げます。ご覧になる方は空にご注目ください』

「え、もうそんな時間!? こんなくだらない議論してる場合じゃないわ! 花火を見れるベストスポットに移動しないと! ほら、行くわよあんた達!」

「く、くだらない・・・・・・? あのですね、会長。これは何よりも重大な事で・・・・・・」

 アナウンスを聞いた真夏がハッとした顔になり、周囲の者たちにそう声を掛ける。くだらない議論と言われた影人は真夏に抗議しようしたが、周囲の者たちもハッと真剣な顔になっていた。

「そうね。議論は後だわ」

「だね。花火の方が大事だ」

「じゃの」

 シェルディア、ロゼ、白麗が頷き、他の者たちも頷く。女性陣は一斉に真夏に続き広場を後にした。

「ちょ、俺たちの勝負の結果は!?」

「判定は後になりそうだね。それより、僕たちも行こう帰城くん」

「ああ。ここは女子たちや香乃宮くんの言う通りだぜG」

「「「「「だな」」」」」

 悲鳴を上げる影人に、光司とAがそう言い、B、C、D、E、Fの5人も同意する。影人は「ああくそっ!」と悪態をつくと、女性陣の跡を追った。

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