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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1955/2051

第1955話 夏だ、祭りだ、ハチャメチャだ4(3)

「男前の兄ちゃんやるなぁ。いい釣りっぷりだったよ。前髪の兄ちゃんは残念だったな。ほれ、好きなヨーヨー1つ選びな。お情けだ。今度はちゃんと釣って帰ってくれよ」

 店主の男性は光司に、光司が釣り上げた4つのヨーヨーを渡し、影人にそう促した。影人は泣く泣く自身が落とした黒いヨーヨーを選んだ。最初の勝負、ヨーヨー釣りは光司の圧倒的勝利に終わった。

「連華寺さん、フィルガラルガさん、新品さん、もしよかったらだけどヨーヨーをどうぞ。ちょうど3つ余っちゃうんだ」

「え、いいの。ありがとう」

「ふむ。ならば、ありがたく受け取ろう。おお、ヒンヤリとしていて気持ちがいいな」

「ラッキーであります」

 光司が風音、アイティレ、芝居にヨーヨーを譲渡する。風音は赤色のヨーヨーを、アイティレは水色のヨーヨーを、芝居は紫色のヨーヨーを選択した。

「イケメンのお兄ちゃんはお姉さんたちにヨーヨーをプレゼントしてあげてるのに、前髪のお兄ちゃんと来たら・・・・・・」

「本当ダサいよな」

「っ、黙れガキども! 今日はパフォーマンスを重視したから失敗しただけだ! 俺の実力はこんなものじゃない!」

 子供たちから哀れなモノを見る目を向けられた、本当に哀れな奴が怒りの言葉を上げる。子供たちは「はいはい」「そうだね」と心の込もっていない返事をした。

「クソッ、あのガキどもめ。普通に殴りてえ・・・・・・そもそも、容姿で人を評価するなってんだ。俺がもしもイケメンだったら、絶対ドジ可愛いとかの評価になってるだろ。滅べルッキズム・・・・・・」

 ヨーヨー釣りの屋台を後にした影人はぶつぶつと呪詛の言葉を吐いた。

「ま、まあまあ帰城くん。彼・彼女たちはまだ子供だから、まだ善悪の判断や感情の制御がつかないんだよ。あまり気にしないで」

「けっ、うるせえ。勝った奴の言葉なんざ聞きたくねえんだよ」

 慰めの言葉を掛けてきた光司に影人はそっぽを向く。光司の言葉は善意100パーセントの優しさから来たものだったが、負けた影人からすれば嫌味にしか聞こえないのだ。

「取り敢えず、僕の1勝だね。次は帰城くんの番だよ。帰城くんはどの遊戯にするんだい?」

 光司が話題を変える。その言葉を聞いた影人は少しだけ悩んだ。祭りの屋台の遊戯は基本的に決まっている。金魚掬い、射的、くじ引き、輪投げ、型抜き、スマートボールなど、数はそれなりにあるが決まっている。その中で自分が1番何が得意なのか影人は考えた。

「・・・・・・よし、決めた」

 影人はどの遊戯にするのかを決めると目当ての屋台を探した。すると、程なく目当ての屋台が見つかった。

「あった。香乃宮、俺が選ぶのは・・・・・・これだ」

 影人が選んだのは輪投げの屋台だった。光司は「輪投げか。分かったよ」と影人の選択を受け入れた。

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