第1943話 夏だ、祭りだ、ハチャメチャだ1(3)
「青春の波動を受け取った我々には、青春を実現する義務がある。そこでだ。諸君に問いたい。我々が実現すべき青春とは何か。この夏に起こすべきムーヴメントとは何か。君たちの考えを聞かせてくれ!」
Bはまるで一流の演説者かのように、何かに訴えかけるように熱く言葉を放った。暑い夏の空気を通して伝わったBの言葉は6人の胸の奥深くにまで届いた。
「B! お前の想いに応えるぜッ! 俺は意見モンスター『真夏のビーチでスイカ割り』を召喚するぜ!」
「なら俺はAの意見カードを生贄して、上級意見モンスター『バーベキューパーティー』を召喚だ!」
「なんの! なら俺は意見モンスター『祭り』を召喚して、Cの上級意見モンスターと融合だ! 融合召喚! 来い! 融合意見モンスター『野郎たちの夏祭り』!」
「甘いぜD! 俺はチ◯ーナー意見モンスター『ドキドキ』を召喚! そして、Dの融合意見モンスターとチュー◯ング! シ◯クロ召喚! 現れろ! シ◯クロ意見モンスター『ドキドキ!? 野郎たちの肝試し』!」
「甘いのは誰かな? 俺は意見モンスター『異性』を召喚! そして、Eのシ◯クロモンスターと意見モンスター『異性』でオーバー◯イネットワークを構築! エク◯ーズ召喚! 来やがれ! エク◯ーズ意見モンスター『異性をナンパ! 一夏のラプストーリー』!」
「流石の連鎖だな兄弟たち。だが、俺はその全ての上を行くぜ。俺はペ◯デュラム意見モンスター『花火』を召喚。そして、ペ◯デュラム意見モンスター『花火』をリ◯クマーカーにセット! ア◯ーヘッド確認! 中略! サーキッ◯コンバイン! リ◯ク召喚! 現れろリ◯ク1『花火大会で友との宴』! 風流だぜ!」
A、C、D、E、F 、Gの6バカどもがなぜか某カードゲーム風にそれぞれの答えを具申する。Bは6人の答えを噛み締めるかのように何度も首を縦に振った。
「・・・・・・諸君らの意見はよく分かった。お前たちの熱い青春への想い、このBがしかと受け止めた!」
Bは感動したように拳を握る。そしてBはカッと両目を見開いた。
「君たちの意見を無駄にする事は出来ない! なぜならば全てが青春そのものだからだ! ゆえに、俺は君たち全ての意見モンスターを生贄に捧げ、ここに神を召喚するッ!」
「「「「「「っ!?」」」」」」
Bの宣言を受けた6バカどもがその顔を驚愕の色に染める。Bはバカどもが召喚したバカモンスターたちをリリースし、バカの神を召喚した。
「全ての意見モンスターを生贄に捧げ降臨せよ! 『ドキドキ! 夏祭りで宴だ! かわい子ちゃんを狙え! 青春は花火だ!』!」
Bが召喚したバカの極みは、結局バカどもの意見をツギハギにしたキメラだった。いったい融合召喚と何が違うのか。その辺りはまあ多分何も考えていないのだろう。基本、この場にいる者たちはノリと勢いで生きている奴である。
「くっ・・・・・・!? な、何て強力な意見モンスターなんだ・・・・・・!」
「流石は神の名を冠する意見モンスターだぜ・・・・・・!」
「ああ、まさか神を召喚するなんてな・・・・・・!」
「神を操る者・・・・・・あいつがデュ◯ルキングか・・・・・・!」
「やるなB・・・・・・お前がナンバーワンだ」
C、D、E、F、Gが圧倒されつつも尊敬と称賛の眼差しをBに向けた。今のどこに尊敬する要素があるのかはわからないが、知能というものを小学生に置き去りにしてきたバカどもなので、理解する事は難しい。




