第187話 反撃するは我に有り(3)
「ガキかよ・・・・・・・・ったく、おいさっさと立ち直れポンコツ片付け出来ない女神。一応、今から真面目な話すんだからよ」
「ひどい上に語呂が悪い!? やっぱりあなたには敬意が足りませんねっ! 私のプライベート空間のそのまた秘奥の場所に隠れさせて上げたのですから、お礼くらい言ったらどうですか!」
「その俺をうっかり忘れたお前が言うことかよ・・・・・・後、お前にお礼なんか言うかよ。むしろ、あんなとっ散らかった汚い部屋に隠れさせられてた俺に謝れ。精神的苦痛を感じた」
憤るソレイユに止めの言葉を放ちながら、影人はここに訪れた時の事を思い出していた。森を去ってから影人は変身を解き、ソレイユに「話したい事があるからお前のとこに転移させてくれ」と念話で話した所、ここに転移してきたのだが、転移してすぐ後に『巫女』がなぜかここに来るとソレイユが察知したので影人はあの障子の奥に隠れる事になったのだ。
依然から少しだけ気に入っていた障子の奥に入れたのはまあまあ嬉しかったが、いかんせんそこはひどく物が散乱した部屋だった。各地のお土産などが散乱した部屋にしばらく居ることを余儀なくされたのは、まああまり気分が良くなかった。
「な、なななななななななっ!?」
「なんだバナ◯マンのモノマネか? つーか、仮にも女神なんだろ? 部屋が汚いってのはどうかと思うぜ」
羞恥かはたまた怒りゆえかは分からないが、パクパクと口を開け固まったソレイユを無視して影人はこの空間の中央へと歩いていった。
「こほんっ! では気を切り替えて、真面目な話といきましょう。影人、話したい事とはいったい何ですか?」
「主にお前の気だがな・・・・・・・・話したい事は簡潔だ。今日のキベリアとの戦いで、俺はまた何か・・・・・今回は明確に悪意だったんだが、それに体を乗っ取られた。で、そいつの正体がわかった」
「・・・・・・・・・・・・・えっと、ちょっと待ってください。余りにも情報が突発的すぎて、私の理解が追いつきません」
影人が何でもないように言ったその言葉に、ソレイユはこめかみを押さえた。別に頭が痛いとかではない。ただ、本当に影人の言葉がいきなりすぎて、頭の中を整理しているだけだ。
「でだ、ソレイユ。お前、俺の意識を俺の精神世界に送るなんて事が出来ないか? お前、神だからそれくらい出来る――」
「ち、ちょっと待ってくださいって言いましたよね!? 私まだ情報を処理しきれてないんですよ!? というか精神世界? まっっったく話が見えてこないんですけど!?」
「神ならそれくらい理解しろよ・・・・・・」
テンパっているソレイユに、影人はやっぱりこいつ頭が残念なんじゃと思った。別に自分はごく普通に淡々と話しただけなのだが。
「しゃあねえ。ならもうちょっと詳しく話してやるよ・・・・・・・・まあ、一言でいうなら――」
全く理解出来ていなさそうなソレイユにそう告げて、影人は意地悪そうに口角を上げた。
「反撃するぜ。今まで散々いいようにされて来たんだ。反撃するは我に有り、だ」
――さあ、ここからは自分のターンだ。




