表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1865/2051

第1865話 守るべきもの、救うべきもの(4)

「明夜」

「ええ、やるわよ陽華」

 その光の意味を知っている陽華と明夜が、互いの顔を見つめ合い頷く。陽華は右手を、明夜は左手を前方に突き出し互いの手を重ねた。

「「我らは光の臨みを越える。全てを照らし、全てを優しく包む光。その光に、我らはなる!!」」

 陽華と明夜が言葉を唱えると、2人の胸の光が輝きを増した。

「っ、何だ・・・・・・?」

「あの光は・・・・・・」

「光臨のその先の光・・・・・・」

「なるんだね。レイゼロールを浄化したあの形態に」

「うわっ!? な、何!?」

「・・・・・・ふん。目障りな光」

「あら、まさかまたあれが見れるなんてね」

「ほう、面白い光を放つ。興味深いの」

 壮司、光司、風音、ソニア、暁理、ダークレイ、シェルディア、白麗が、陽華と明夜の胸から発せられる光に視線を移す。レイゼロールとの最後の決戦で意識を失いその光が何なのか知らない壮司と、初めてその光を見る白麗以外は、陽華と明夜が何をしようとしているのか理解していた。

「・・・・・・光の力の爆発的な高まりを検知。製作者、私の後ろに」

「ああ・・・・・・初めてかもしれませんね。光を美しいと思ったのは。なるほど。それが、イズを救うと言ったあなた達の光ですか。ええ、見せてください。あなた達の、人間の心の輝きを!」

 イズとフェルフィズもその光に目を奪われる。そして、2人に背を向けていた影人はこう言った。

「見せてやれよ朝宮、月下。お前らの想いの光を」

 影人が言葉を放った次の瞬間、陽華と明夜は力ある言葉を世界に放った。


「「光輝天臨こうきてんりん!!」」


 陽華と明夜の胸に灯った光が白く輝き世界を照らす。その輝きは、全てを暖かく照らし、優しく包む光。数秒後、光が収まるとそこには姿が変化し、神々しい衣装に身を包んだ陽華と明夜の姿があった。

「イズちゃん、あなたに届けるね。私たちの、ううん。みんなの心を。光を!」

「私たちは諦めが悪いの。だから、絶対にあなたを救ってみせるわ!」

 光輝天臨した陽華と明夜がイズに決意の込もった目を向けた。2人の目に宿るのは決意だけではなかった。優しさ。愛。そういったものが合わさったような暖かな光。善意の光も2人の目には宿っていた。

「っ・・・・・・」

 その目を向けられたイズの中で何かが騒つく。もしくは、騒つくというよりかは、何かに小さなヒビが入ったような感覚か。イズは自分の中に生じたその未知の感覚に戸惑った。そして、その戸惑いを処理する方法を知らないイズは、戸惑いを怒りへと変換した。

「その傲慢な目を、想いを私に向けないでください・・・・・・! 言ったはずです。私は救いなど求めてはいない!」

 イズは大鎌に莫大な生命力を流し込んだ。「フェルフィズの大鎌」の刃が怪しく輝く。イズは陽華、明夜、暁理、ソニア、風音、壮司、光司、ダークレイ、影人、シェルディア、白麗を同時に認識すると、大鎌の力で距離を殺し、絶対死の一撃を放とうとした。

「やらせんよ」  

 だが、その前に白麗の両の瞳に複雑な魔法陣が刻まれた。第101式独自妖術、「流転のもどり」。白麗が観測した対象を5秒前の状態に戻す。白麗が今回観測したのはイズではなくフェルフィズの大鎌だった。結果、フェルフィズの大鎌は5秒前の状態、生命力が充填される前の状態に戻る。

「っ・・・・・・」

「ほほっ、前回とは違いお主の情報は妾たちに共有されておる。その大鎌の刃が怪しく光れば要注意、なんじゃろ。ならそうなった瞬間に大鎌の状態を戻せばよいだけじゃ」

 輝きを失った大鎌を見たイズが軽くその目を見開くと、白麗が口元を隠しながら笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ