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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1860/2051

第1860話 亀裂を巡る戦い、決着5(4)

「ちゃんと止めなさいよ。ついでに、あんた達に加護を与えてあげるわ。光と闇よ、この者たちに精霊の加護を」

 ヘシュナと同化したキベリアはヘシュナから流れて来た知識と力を使って加護を与えた。メリー、菲、イヴァン、葬武に淡い光が纏われ、ゾルダートには薄い闇が纏われる。メリー、菲、イヴァン、葬武、ゾルダートの全体的な能力が大幅に上昇した。

「っ、この力は・・・・・・」

「バフってところか。いいね、誰かに掛ける事はあったが掛けられるのは初めてだ」

「・・・・・・これなら、予測しなくてもいい感じだね」

「余計な事を・・・・・・」

「力が溢れて来やがる。ははっ、こいつは楽しめそうだ」

 キベリアに精霊の加護を与えられたメリー、菲、イヴァン、葬武、ゾルダートはそれぞれの反応を示した。

「・・・・・・!」

 写し身が魔法陣から大量の機械の剣と端末装置を呼び出し、両腕を実体剣と光刃に変えた。そして、機械の剣を一斉に5人に向かって襲わせ、端末装置から一斉にレーザーを放つ。同時に写し身は5人に向かって突撃を仕掛けて来た。

「見える、見えますわ! これなら!」

 メリーが左手の淡い光を纏う銃を放ちながら、右手の淡い光を纏う剣で機械の剣と端末装置を切り裂く。精霊の加護は武器の威力すらも引き上げた。

「来い。私の兵隊ども。迎撃しろ」

 菲も5体の人形を呼び出し機械の剣と端末装置の迎撃に当たらせる。

「じゃ、俺らは本体を止めるかな」

「シッ!」

「ははっ、おらよッ!」

 イヴァン、葬武、ゾルダートは写し身の迎撃を行った。3人は写し身の攻撃を避けながら、ナイフによる斬撃、棍による打撃、または斬撃や銃撃や打撃といった複合的な攻撃を行った。3人の激しい攻撃が写し身に浴びせられる。

「・・・・・・!」

 写し身は体を再生させながら、翼から青い煌めきを放出した。極小の刃の煌めきがイヴァン、葬武、ゾルダートを襲う。だが、今の3人は全ての能力が大幅に強化されている。ゆえに、煌めきを避ける事は造作もなかった。

「ここが切り札の切りどころと考えましたわ! 菲! あなたも合わせなさい!」

「だから私に命令するんじゃねえよイギリス野郎! ちっ、だが今回だけ合わせてやるよ!」

 機械の剣と端末装置を迎撃していたメリーと菲は次の瞬間、こう言葉を唱え始めた。

「私は光を臨みますわ。力の全てを解放し、闇を浄化する力を!」

「我は光を臨む。力の全てを解放し、闇を浄化する力を」

 メリーに紺色のオーラが、菲に鮮やかな赤いオーラが纏われる。そして、2人は力ある言葉を放った。

「光臨!」

「光臨」

 2人の体が光を放ち世界を白く染め上げる。光が収まると2人の姿が変化していた。

「さあ、より優雅に舞いますわよ!」

「さっさと勝って終わらせるぜ」

 光臨したメリーは自身の周囲に浮かぶサーベルと銃を使って、より激しく機械の剣と端末装置を迎撃した。菲は強化された力で人形たちの攻撃をより強くさせ、迎撃行動を行う。

「我は魔なる道の求道者。1の炎、2の水、3の雷、4の氷、5の毒、6の鋼、7の万化、8の生命、9の闇、10の空間、我はこの世界に10の魔道を開きし者」

 キベリアは目を閉じて深く自分の精神と力を集中させる。

「我は魔なる法を行使せし者。この世界に新たに11の魔道を開く」

 キベリアの足元に複雑な魔法陣が展開される。キベリアはスッとその目を開いた。

「我は魔女。我が理論と力を以て、この世界に開け。11の魔道・・・・・・11の()()よ!」

 キベリアがそう宣言すると、キベリアの力が消費され足元の魔法陣が輝きを放った。そして、魔法陣はパリンと砕け散った。

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