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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1849/2051

第1849話 亀裂を巡る戦い、決着3(2)

「そうか・・・・・・状況はさほど改善していないという感じだね。厄介だね。せめて、概念無力化の力というものさえどうにか出来れば勝機はあるのだが・・・・・・」

 ロゼが困ったようにそう言葉を漏らすと、メティが軽く首を傾げた。

「よく分からないけど、その概念無力化? ってなんだ? それがあると厄介なのか?」

「文字通り、概念を無力化する力ですよ。そして、厄介かどうかという質問ですが、ええ厄介です。攻撃が物理に限定されますからね。しかも、その物理攻撃もすぐに修復される。概念無力化の力は彼女・・・・・・写し身の攻撃手段と体に施されています。問題なのは、体に施されている概念無力化の力です。もちろん、超再生も厄介ですが・・・・・・やはり、最も厄介なのは、体の概念無力化の力ですよ」

 ハバラナスが時間を稼いでくれている事を利用して、フェリートは丁寧にメティにそう説明した。フェリートの説明は、別段メティに対してだけのものではなく、改めてこの場にいる者たちに情報を共有するためのものでもあった。

「・・・・・・なるほど。貴様はアオンゼウの写し身か。道理で色々と似ているわけだ」

 再生し続ける写し身を肉体による攻撃で破壊しながら、ハバラナスがそう呟く。魔機神の写し身。そして、今フェリートが言った言葉。それらが真実ならば、先程フェリートが言ったように、ハバラナスにも写し身を倒す事は出来ない。どうしたものかとハバラナスは写し身の体を壊し続けながら思考を巡らせた。

「うーん、要はあいつの体に変な力があって、そのせいであいつを倒せないって事か?」

「まあ噛み砕けばそうだな」

「その理解で大丈夫だと思いますよ、レガール嬢」

 エリアとプロトがメティの言葉に頷く。2人の言葉を聞いたメティは明るい顔を浮かべた。

「そうか! なら、私がなんとか出来るかもだぞ!」

「っ、本当か?」

 殺花が思わずそう聞き返す。他の者たちも似たような顔を浮かべていたが、ロゼだけはハッと何かに気づいたような顔になる。

「そうか。光臨した君の破邪の爪ならば・・・・・・」

「よーし、そういう事なら早速やるぞ!」

 メティが明るく笑う。すると、メティに黄色いオーラが纏われた。そのオーラはパチパチと音を立て、どこか雷のようであった。

「私は光を臨むぞ! 力の全部を使って、闇を浄化する力を! ――光臨!」

 メティが力ある言葉を唱えた瞬間、メティの体から光が発せられ、世界を白く染め上げる。光が収まると、メティの姿は変わっていた。全身に青白いラインのようなものが刻まれ、両手のクローナイフは青白く輝き、目は黄色へと変化。そして、その身に激しい雷のようなオーラを纏っていた。

「さあ、反撃開始だぞッ!」

 メティが獣のような低姿勢になる。すると、次の瞬間メティの姿が消えた。そして、瞬く間もなくメティは写し身を右のクローナイフで切り裂いた。メティの速さは雷速を超えた、超雷速のスピードだった。

「っ、貴様・・・・・・」

「助けてくれてありがとうな! もう大丈夫だぞ! ここからは一緒に戦おう!」

 突然割って入ってきたメティに、そしてメティの速度にハバラナスは少し驚いたような顔になる。メティはハバラナスに対して、屈託のない笑顔を浮かべた。

「・・・・・・ふっ、気持ちの良い奴だ。よかろう。足を引っ張るなよ」

「応!」

 小さく口角を上げたハバラナスにメティが返事を返した。

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