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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1821/2051

第1821話 亀裂を巡る戦い3(4)

「・・・・・・!」

 写し身は魔法陣から複数の機械の剣を、翼から極小の刃の群れである青い煌めきを呼び出した。

「っ、本当に劣化した複製体ですか・・・・・・!」

 それを見たフェリートが思わずそう言葉を漏らす。イズと戦った事のあるフェリートは、機械の剣の脅威も、青い煌めきの正体も知っていた。フェリートの分身は機械の剣を避け、しかし青い煌めきに粉微塵に切り刻まれ消失した。

「ふっ」

 無駄だと理解しつつも、エリアは銃撃でフェリートを援護した。エリアの放った複数の弾丸は、今回も正確な軌道を描き、写し身へと向かう。だが、青い煌めきが写し身を守るように展開し、弾丸を微塵にした。

(今度こそ・・・・・・!)

 透明化を使い姿と気配を消し、機を窺っていた殺花が、影を溶け込ませた闇刃を振るう。背後からの完全な奇襲。先ほどは防がれたが次は届くはず。実際に、如何なる戦闘の達人であろうと、殺花のこの一撃は回避出来ないだろう。それほどまでに、殺花の暗殺者としての一撃は完璧だった。

「・・・・・・!」

 だが、相手は人間ではない。機械仕掛けの神の写し身だ。頭部に装着されているバイザーの生体検知センサーで、背後に殺花がいる事が分かっていた写し身は、ノールックで後方に左腕の光刃を切り上げるように振るった。その見ずの切り上げの速さは、殺花の認識を超えていた。

「〜っ!?」

 その結果、殺花の左腕が両断される。殺花の左腕が飛び、黒い血が宙に舞った。

「殺花さん!? くっ!」

 その光景を見たフェリートが殺花の名を呼ぶ。だが、フェリートとて機械の剣と青い煌めきを必死に避けている最中だ。殺花を助けにいく事は出来ない。

「待ってろ! 今助けに行くぞ!」

「エリアくん。すまないが、ピュルセ嬢を頼む」

 メティとプロトもフェリートと殺花を援護すべく、再び写し身へと接近した。

「っ、下がりなさい! あなた達では・・・・・・!」

「下がらないぞ! 私は仲間を見捨てない! 絶対に誰も死なせない! 私は光導姫! この力は誰かを助けるための力だぞ!」

 忠告するフェリートにメティはそう答えを返した。真っ直ぐな、どこまでも真っ直ぐな想い。その言葉を聞いたフェリートは思わず驚いた顔を浮かべた。

「素晴らしい言葉だね。うん。光導姫の力が誰かを助けるための力なら、僕たち守護者の力は誰かを守る力だ・・・・・・!」

 メティの想いに感化されたプロトは、とても人間とは思えぬ速度で機械の剣の一部や青い煌めきを捌き続けた。守護者としての身体能力があっても、写し身の攻撃はとても守護者が対応できるものではない。しかし、プロトは人としての限界を超えそれらに対応していた。守護者ランキング1位、『守護者』の名を与えられた者の実力は伊達ではない。

「もっともっと速く! バッチバチ!」

 メティも正の想いで強化された力を使って、雷速の如き速度で爪撃を放ち続ける。だが、写し身は両腕の刃でメティの攻撃を難なく捌く。

「全く、バカな人間たちだ・・・・・・仕方ない。畳み掛けますか・・・・・・!」

 フェリートは一瞬後退すると、創造の力を使って両手に闇色の剣を創造した。その2振りの剣は闇の力を多量に込めて創造されたもので、その強度も切れ味も最高峰を超えたものだ。この剣ならば、鋼すらバターのように切り裂けるだろう。

「執事の技能、偽誕する生命(フェイクライフ)

 次にフェリートは『偽造』の力を使い、闇色の鷲を3体創造した。3羽の鷲が写し身に向かって飛ぶ。同時に双剣を携えたフェリートも突撃をかけた。

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