第1798話 幕開、忌神との決戦(2)
「好きに組めって言っても、出来るだけ亀裂に向かう力が均衡な方がいいよね。じゃあ、クラウン。俺と組もうか」
「おや、まさかゼノさんからお誘いいただけるとはー。はい、よろしくお願いしますー」
「そういう事でしたら、殺花さん。どうですか?」
「はい。組ませていただきます。よろしく頼みます、フェリート殿」
「響斬、組もうぜ」
「うん、いいよ」
ゼノとクラウン、フェリートと殺花、冥と響斬がチームを組む。
「じゃ、必然的に俺と『魔女』さんか。よろしく頼むぜ」
「は!? 嫌よ嫌! 何で私がよりによってあんたと組まなきゃならないのよ!」
「おおう、随分と嫌われたもんだな。でも仕方ねえよ」
「ううっ、最悪・・・・・・最近の私って何でこんなに損な役ばっかり・・・・・・」
こうして、ゾルダートとキベリアの最後のチームも決まった。
「決まったようだな。では、まずゼノとクラウンから送るぞ」
レイゼロールはそう言うと、まずはイギリスの亀裂の座標を意識し、2人と共に転移を開始した。そして、2人を現地に送った後再び拠点に戻り、次はフェリートと殺花を南アフリカの亀裂に、その要領で、冥と響斬をアルゼンチンの亀裂に、ゾルダートとキベリアをアメリカの亀裂に送った。
「・・・・・・で、私はどうするのよ。あんた、亀裂には自分1人で向かうんでしょ」
残ったダークレイがレイゼロールにそう聞いた。
「ああ。お前には我とは違う亀裂に向かってもらう。お前は奴が、スプリガンがいる日本の亀裂に行け。・・・・・・あいつが無茶をしないか見張っていてくれ」
「日本の亀裂・・・・・・忌神と機神がいるって所? 別にいいけど、そんなものが理由? 倒してこいの一言でも言ったらどうなの」
「お前の力を低くみているわけではないが、奴らはお前1人で倒せる敵ではない。そして、それは影人・・・・・・スプリガンにも言える事だ。だから、他の亀裂が安定し戦力が整うまでは、奴らに挑むのは得策ではない。我が言いたいのはそういうことだ」
不満げな顔のダークレイにレイゼロールはそう説明した。レイゼロールはまだ直接イズと対峙した事はないが、話を聞く限り尋常ではない存在だ。
「・・・・・・ふん。まあ、分かったわよ。あの男のお目付け役っていうのは気に入らないけど」
「・・・・・・すまんが頼むぞ」
レイゼロールがダークレイにそう言った。ダークレイは最後にこう呟いた。
「・・・・・・本当に、あの男が大事なのね」
「・・・・・・ああ。もう2度と失いたくないほどにな」
ダークレイに対し、レイゼロールは素直に自分の気持ちを述べた。
「ふん・・・・・・ムカつくわね」
ダークレイのその感想が周囲の闇に溶けていく。そして、レイゼロールとダークレイはその場から消えた。




