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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1785/2051

第1785話 光司と影人(4)

「うわぁ・・・・・・やっぱり可愛いね!」

 ぬいぐるみを取り出した光司がキラキラとした目でそれを見つめる。影人は近くにあったビニール袋を取り、それを光司に渡した。

「ほら、これに入れろよ。初めてのクレーンゲーム景品だな」

「ありがとう。帰城くんの力がなければ取る事は出来なかったよ。このぬいぐるみは一生大切にするよ」

「一生って。重いな」 

 光司が大切そうにぬいぐるみを袋に入れる。影人は困ったように頭を掻いた。

「じゃあ次の場所巡るか」

「うん」

 影人は光司と共にクレーンゲームのコーナーを離れると、次はアーケードゲームのあるコーナーに向かった。

「ここがアーケードゲーム。通称アケゲーのコーナーだ。ここは最新のやつからレトロなやつまであるから楽しめるぜ」

「へえ。帰城くんは物知りだね。流石だよ」 

「この程度で物知りなわけあるかよ」

 2人は適当にアーケードゲームのコーナーを回った。

「死ねや崩◯刃!」

「うるせえ! カー◯ージ◯ザー!」

「ダブロダブロ!」

「いや捌けんって!?」

 影人と光司が回っていると辺りからそんな声が聞こえてきた。今日はいつもより人が多いためか、中々に騒がしい。影人は慣れているが、初めて来た光司は少しビクついていた。

「まあアーケードゲームはやり込んだりしないと色々と難しいが、慣れてきたら凄く楽しいぜ」

「そうなんだね。僕も何かやってみようかな。帰城くんのオススメはあるかい?」

「オススメなぁ・・・・・・格ゲーは敷居が高いし、エクストリームなアレも難しいし・・・・・・ここは単純にシューティングゲームかね」

 影人は光司をレトロゲームが集まっている場所に案内すると、とある筐体の前で止まった。戦闘機で攻撃をしてエイリアンを倒すという昔懐かしのゲームだ。

「操作は死ぬほど簡単だ。レバーで戦闘機を動かしてこのボタンで攻撃。まずは手本を見せてやるよ」

 影人がお金を入れてゲームをスタートさせる。影人は慣れたように戦闘機で敵を撃破していく。そして、ボスを倒しゲームをクリアした。

「こんな感じだ。次やってみろよ」

「うん」

 光司が影人と席を変わりお金を入れる。ゲームがスタートして、光司は先ほどの影人同様に次々と敵を撃破しボスへと辿り着いた。

「やるじゃねえか。筋がいいぜ香乃宮」

「ありがとう。でも、さっき帰城くんが手本を見せてくれたおかげだよ」

 光司が嬉しそうな顔になる。だが、ボスは初心者の光司には厳しく光司はゲームオーバーしてしまった。

「ああ・・・・・・」

「仕方ねえよ。初心者にしてはよくやった方だ」 

 残念そうな声を漏らす光司を影人は軽く慰めた。

「悔しいね。でも、楽しかったよ」

「ならよかったぜ。じゃあ、次は残ってるコーナーを回るか」

 影人は次に光司をメダルゲームの場所に案内して少しメダルゲームを楽しむと、最後にエアホッケーのゲームに光司を導いた。

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