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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1749/2051

第1749話 元の世界への帰還(4)

「ん、明るい・・・・・・? ってか、ここって・・・・・・」

 シェルディアの影で転移した影人が最初に感じたのは太陽の眩しさだった。そして、正面にある建物、正確に言えば店だが、影人はその店に見覚えがあった。

「ええ、喫茶店しえらよ。落ち着けるならここでしょう。ああ、キトナ。一応これを被っておいてくれる? あなたの耳、こっちだと目立つから」

「あ、はい」

 シェルディアが店の名前を述べる。そして、シェルディアは影の中から可愛らしい薄茶の帽子を取り出しキトナに渡した。キトナは素直にその帽子を被って頭の耳を隠した。

「じゃ、入るわよ」

 シェルディアが店の扉を開ける。すると、カウンター内で食器を拭いていたこの店の店主――シエラが顔を上げた。

「いらっしゃ・・・・・・」

 シエラは客の顔を見るとビタッと固まった。そんなシエラに対し、シェルディア、影人、シスはこう言葉を送った。

「久しぶりねシエラ」

「こんにちは。ご無沙汰してます」

「ほう・・・・・・本当に異世界で茶屋を営んでいるのか。くくっ、これは傑作だ」

「・・・・・・シェルディアと君は久しぶり。帰ってきたんだね。でも・・・・・・なんでシスまでいるの」

 シエラは露骨に嫌そうな顔でシスを見た。どうやら、シエラもシスの事はあまり好きではないらしい。

「ちょっと色々とあってね。私もシスをこちらの世界に連れて来たくはなかったのだけれど、戦力として必要になってしまったから仕方なく。取り敢えず、入ってもいいかしら?」

「・・・・・・どうぞ。正直、シスは出禁にしたいけど」

 シエラに促された影人たちが店の中に入る。都合のいい事に店内に客の姿はなかった。影人たちは適当に席に腰掛けた。

「好きなものを頼んでいいわよ。シエラ、私は紅茶と適当なお菓子をお願い」

「ん・・・・・・分かった」

 シェルディアの注文を受けたシエラが用意に取り掛かる。フェリートやゼノは「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」「ありがとシェルディア」と言ってメニューに目を通す。

「まあ、なんて素晴らしいお店なのでしょう。見た事がないものばかりですが、落ち着きます。これが異世界の茶屋なんですね」

「おい影人。何と書いてあるか分からん。教えろ」

「ああ、そうか。いいぜ。キトナさんも読めないだろうし教えるよ。ええと、まず飲み物から・・・・・・」

 キラキラとした目で店内を見渡すキトナと、メニュー表を影人に手渡してくるシス。影人は異世界人である2人にメニューを教えようとする。だがそんな時、


「「――影人!」」


 バンと店の扉が開かれた。そこにいたのは2人の女性だ。1人は桜色の長髪が特徴の女性。もう1人は白髪にアイスブルーの瞳が特徴の女性だ。どちらもまるで女神のように美しい。そして、文字通り女神である2人の女性は扉を開くと同時に影人の名を叫んだ。

「っ、ソレイユ、レイゼロール・・・・・・」

 その2人の姿を久しぶりに見た影人は、前髪の下の両目を見開いた。そして、2人の名前を呼んだ。

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