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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1728/2051

第1728話 異世界での決戦1(3)

「・・・・・・少し変な感じがしたわね、今の攻撃。少しザラつくというか何というか。それに、ゼノの『破壊』が働かなかったのも気になるわ」

 光の雨をその不死性と再生で受け切ったシェルディアがそう呟く。その呟きに反応したのは、シェルディアの隣にいたシスだった。

「アオンゼウの兵装には特殊な力がある。詳しい原理は俺様は興味がないから知らんが・・・・・・奴の攻撃は『概念』を無力化する。要は奴の攻撃は最強の矛というわけだ」

「っ、概念を? なるほど、だから『破壊』が発動しなかったのね。影人の影闇の鎖が壊された理由も分かったわ」

 シスの言葉を聞いたシェルディアが納得したように頷く。『破壊』の力は概念の力だ。そして、影人の影闇の鎖も「純粋な力以外では壊されない」というルール、言い換えれば概念を持っている。

「でも、それなら1つ疑問があるわ。なら、どうして私たちは・・・・・・」

 シェルディアが疑問をシスにぶつけようとすると、イズがシェルディアたちの方に向かって左腕の砲身による攻撃を行ってきた。左腕の砲身からレーザーのような光の奔流が放たれる。シスとシェルディアはそれを回避した。

「っ、ひでえな・・・・・・穴空きチーズみたいになってるぞお前」

「ああ、そんな感じだろうね。片目でよく見えないけど。まあ、傷口が焼けて血が全く出てないからマシだよ」

 幻影化で光の雨をやり過ごした影人は、ゼノの姿を見てゼノの元に駆け付けた。ゼノは再生こそ始まっているものの、光の雨で体を酷く欠損していた。影人は回復の力でゼノの体を癒した。

「ありがと。でも困ったな。『破壊』がどういうわけか機能しない。俺、あいつ壊せるかな」

「さあな。だが、やるしかねえだろ。そうしなきゃ、未来はない」

「・・・・・・うん。そうだね」

 ゼノは影人の言葉にしっかりと頷くと、倒すべき敵を見つめた。

「ふむ、概念無力化兵装は凄まじいですね。イズ、もっと自由に大胆に暴れなさい。あなたの力はまだまだこんなものではない」

「了解しました。この体の全機能を解放します」

 イズの全身に纏われている機械が淡く青い光を発する。すると、イズの背後に展開していた6つの魔法陣が巨大化した。更に、巨大化した魔法陣の中から何十本もの機械の剣、数十の端末装置のようなもの、大量の機械人形が姿を現した。

「っ、何だよありゃ・・・・・・」  

「ふん・・・・・・最初から全力で来るか」

 その光景を初めて見た影人は驚きの声を漏らし、見た事があったシスはその顔をより真剣なものに変えた。

「全端末、駆動」

 イズの宣言と同時に機械の剣、数十の端末装置、未だに魔法陣から出現し続ける大量の機械人形が動き始めた。剣は舞い、端末の装置はレーザー光線を放ち、機械人形たちは影人たちに襲い掛かってきた。

「っ、ファ◯ネルかよ・・・・・・!」

 影人は思わずそう呟き迎撃に当たった。他の者たちもそれぞれ迎撃を開始した。

「っ・・・・・・やっぱり攻撃に対して『破壊』が機能しないな。人形なら壊せるんだけど・・・・・・」

「何とも手数が多い・・・・・・! 人数差のカバーの答えはこれですか・・・・・・!」

 ゼノは剣と端末装置の攻撃に傷つけられながらも、人形を破壊していた。フェリートも『万能』の闇の力を使い、攻撃を避けつつ人形を破壊していたが、このままでは到底フェルフィズには近づけない。

「・・・・・・面倒ね。一掃しましょうか。『世界』顕現、『星舞う真紅の夜』」

 シェルディアはそう呟くと『世界』を顕現した。途端、周囲の風景が変化する。無限に思われる荒野に無数の綺羅星輝く夜空。そして、空に坐すは真紅の満月だ。前回の影人の『世界』が解除された事をシェルディアは覚えているが、ここは使うべき場面だとシェルディアは考えた。

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