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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1727/2051

第1727話 異世界での決戦1(2)

「『世界端現』。来やがれ、『影闇の鎖』!」

 一歩を刻んだ影人は周囲から影闇の鎖を呼び出した。影人は更に右手に闇色の刀を左手に闇色の拳銃を創造し、それらに『破壊』の力を付与させた。影闇の鎖を先行させながら、影人は『破壊』を宿した弾丸を連続でフェルフィズに放つ。

「迎撃行動開始。同時に、これより戦闘を開始」

 イズは影人をしっかりと見据えると、機械の両翼を広げた。すると、翼の中から小さな何かが――青い煌めきのようなもの――大量に出現した。その何かは風に乗るかの如く、フッとイズの前方に広がり放たれた。

(っ、何だあの煌めきは?)

 その煌めきを見た影人が訝しげな顔を浮かべる。恐らくは何かの攻撃だろう。だが、何かは分からない。影人がその煌めきの正体を探ろうと、目に闇を纏わせようとする。しかし、その前に影人は衝撃的な光景を見た。

 煌めきに触れた影闇の鎖、そして『破壊』を纏った弾丸が突然細かく切り裂かれたのだ。

「なっ・・・・・・!?」

 その光景を見た影人が思わずそんな声を漏らす。あり得ない。影闇の鎖は純粋な力以外では壊せないはず。例外は『終焉』くらいだ。『破壊』の力を纏った弾丸も、基本的には切り裂くなどという事は出来ないはずだ。

「避けろ影人! その煌めきの正体は如何なるモノも切り裂く極小の刃だ! お前とて喰らえばタダでは済まんぞ!」

「っ、ちっ!」

 影人が驚いていると、シスがそんな忠告を飛ばして来た。影人は未だに疑問を抱きながらも、回避の行動に移った。

「・・・・・・」

 イズは次に右腕を天へと掲げた。すると、右腕に装着された砲身に光が灯り、そこから光弾が発射された。撃ち放たれた光弾は高く空へと昇っていく。そして、やがて細かく分裂し地上へと降り注いだ。

「光の雨・・・・・・! 不死身以外は避けろッ!」

 アオンゼウの攻撃を知っているレクナルが、影人たちへの忠告のためだろう、そう叫ぶ。先ほどの影闇の鎖の事で防御にほんの少し危険を感じた影人は、レクナルの忠告通り回避行動を、幻影化を使用した。影人の体が実体を失い陽炎のように揺らめく。光の雨は影人の体をぼんやりと穿つが、影人にダメージはなかった。事象の化身たるへシュナと不死身のシスとシェルディアは回避の行動を取らなかった。

『あの姿になるのは気が進まんが仕方がないな・・・・・・!』

「ふっ・・・・・・!」

 今の巨躯で光の雨を避ける事が困難なハバラナスは、自身の形態を変化させ人竜形態になった。少し長めの金髪に浅黒い肌の青年に姿を変えたハバラナスは、雷速の如き速度で光の雨を回避した。レクナルも風の魔法で自身の速度を大幅に上昇させ、光の雨を回避する。

「っ? 『破壊』が効かない・・・・・・?」

「ぐっ・・・・・・」

 一方、ゼノとフェリートは光の雨を避け切れずに、その体に雨を受けていた。ゼノは『破壊』で身を守れない事に疑問を抱き、フェリートは『加速』で回避していたので、ゼノよりかはダメージは少ないが、避け切れず苦悶の表情を浮かべる。2人とも光の力による浄化(光の雨のような物理的な光ではない)でしか死なない闇人であるため、それを受けても死なないというのがせめてもの救いだった。そして、光の雨はやがて止んだ。

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