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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1622/2051

第1622話 怪盗VS怪人(2)

「「っ!?」」

「あら、ようやく来たみたいね」

「まあ・・・・・・!」

「・・・・・・随分と派手に来たね」

「さて、仕事ですか」

 突然の侵入者にベナとラギは驚いた顔を浮かべ、シェルディア、キトナ、ゼノ、フェリートはそう反応を示した。

「派手に決まったね!」

「怪盗って別に派手に決める必要ないと思うんですけど・・・・・・」

「ふ、2人とも今はそんな事言ってる場合じゃないって! と、取り敢えず自己紹介しないと!」

 現れたのは、黒い衣装にそれぞれ色の違うドミノマスクを着けた3人の女だった。3人ともかなり若く、恐らくは少女と呼ばれるような年齢だろう。

「それもそうね! んじゃ、まずは私から! 『可憐怪盗団』が1人! 『閃光』の可憐! 参上!」

 黄色のドミノマスクをつけた獣人族の少女が突然派手なポージングを決める。

「『可憐怪盗団』が1人、『幻惑』の可憐、参上」

 青色のドミノマスクをつけた翼人族の少女も、獣人族の少女ほどビシッとした感じではないが、ポージングを決め、

「『可憐怪盗団』が1人、『衝撃』の可憐! さ、参上!」

 最後に、赤色のドミノマスクをつけた魔族の少女がポージングを決めた。

「わー! 凄い! 本物の怪盗さんたちです! 格好いいですねー!」

「ふふっ、思っていたよりも賑やかね」

 3人の名乗りを聞いたキトナとシェルディアがパチパチと拍手をする。2人のマイペースな反応は、正直場違いな感じであった。

「っ、来やがったか怪盗ども・・・・・・!」

「・・・・・・悪いが、この宝を貴様らのような者どもにくれてやるわけにはいかん」

「ふむ・・・・・・なるほど。確かに、これは『可憐怪盗団』といった感じですね」

「派手な登場だね」

 一方、ベナ、ラギ、フェリート、ゼノは真剣な様子で怪盗団の3人を見つめた。

「っ、どうした!? 何か凄い音が聞こえたが・・・・・・」

「っ、あれは!? 貴様ら、怪盗団か!?」

 すると、外で見張りをしていたベナとラギの同僚の2人(どちらも魔族の男)が異変を察知し、教会内へと入ってきた。そして、2人も怪盗団の姿に気がついた。

「ありゃりゃ、外の人まで来ちゃったよ。名乗りもうちょい後の方が良かったかな」

「そりゃ、あれだけ派手な音立てたら気づくでしょう。取り敢えず、ちゃっちゃっとお宝頂いて逃げますよ」

「う、うん! 『閃光』、『幻惑』、行くよ! 役割はいつも通りで!」

「了解!」

「了解」

 『衝撃』の可憐と名乗った少女の言葉に『閃光』の可憐と『幻惑』の可憐が頷く。すると、『閃光』の可憐はその身に薄らと黄色いオーラのようなものを纏い、『幻惑』の可憐は何やら魔法陣のようなものを自身の周囲の空間に複数出現させた。

「さあ、お宝を頂くよ!」

「そう簡単に!」

「くれてやるものか・・・・・・!」

 『閃光』の可憐が地を蹴り宝物の方へと向かって来る。ベナとラギが懐から警棒のような物を取り出す。

「すみませんが、頂くと予告したからには頂きます」

 すると、『幻惑』の可憐が魔法陣を輝かせ魔法を行使した。瞬間、『閃光』の可憐がどういうわけか複数体出現した。それらは一斉にベナとラギへと向かって行く。

「なっ!?」

「っ!?」

 その光景にベナとラギが驚く。驚きから生じた隙に、

「隙ありッ!」

「がっ・・・・・・」

「ぐっ・・・・・・」

 『閃光』の可憐は素早い打撃をベナとラギに叩き込んだ。『閃光』の可憐の一撃は見た目からは想像も出来ないほど重く、ベナとラギの意識を暗闇へと飛ばした。2人はガクリと地面に倒れた。

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