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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1549/2051

第1549話 忌神の屋敷へ潜入せよ(3)

「・・・・・・来たか」

「お前もこんにちは、レイゼロール」

 リビングに行くと、シェルディアが言っていたように既にレイゼロールがイスに座っていた。

「さて、これでフェルフィズ襲撃のメンバーは揃ったわね。一応聞いておくけど準備や覚悟は大丈夫影人?」

「問題ないよ。俺の準備はこれだけだし、覚悟も出来てるからな」

 影人はシェルディアにペンデュラムを見せながらそう言葉を返した。そして、世間話的にこんな事を聞いた。

「そう言えば、昨日もキベリアさん見てないけど今日もいないな。外出でもしてるのか?」

「ええ。昨日は部屋に篭っていただけなんだけど、今日またレイゼロールが来るって言ったら、1時間ほど前に出て行ったのよ。出不精のあの子が出て行くから、よっぽどレイゼロールに会いたくなかったんでしょうね」

「ふん。別に、我はキベリアに対して何もせんのだがな」

「それはあの子も分かっていると思うわ。多分、あなたの雰囲気が苦手なだけとかでしょう。あの子、けっこう精神面弱いから」

 3人が適当な会話をしていると、襖を開けてそこからぬいぐるみが出て来た。ぬいぐるみは影人を見て、キッチンへと向かった。どうやら、影人の飲み物を用意しようとしてくれているようだ。

「あ、大丈夫だ。どうせすぐに出るからな。ありがとう」

「!」

 影人がそう言うと、ぬいぐるみは「そう? 分かった!」と言うように頷くと、再び襖を開けて部屋の中に戻って行った。

「よし、じゃあそろそろシトュウさんに連絡するか」

 影人が心の中でシトュウに呼びかける。すると、影人の中にシトュウの言葉が響いた。

『準備は整いましたか、帰城影人』

「ああ。今から俺とレイゼロール、嬢ちゃん・・・・・・シェルディアと一緒に襲撃をかける。だから、フェルフィズの居場所を教えてくれ」

 影人が真剣な顔で真界にいるシトュウに対し言葉を放つ。シトュウは『分かりました』と言い、全知の力を使用した。

『・・・・・・フェルフィズの居場所が分かりました。彼の者は、どうやらそちらの世界のスイスという国の民家の中にいるようです』

「っ、スイスか・・・・・・」

 シトュウからフェルフィズの居場所を聞いた影人が、レイゼロールとシェルディアに伝える意味も込めてそう言葉を漏らす。永世中立国である国に、忌神がいるのは一種の皮肉だなと皮肉屋の影人は思った。

「スイスか・・・・・・転移は出来るが、正確な座標が分からんと見当違いな場所に出るな」

「そうね。私も同じだわ」

 影人の漏らした言葉を聞いたレイゼロールとシェルディアがそんな言葉を呟く。その言葉を元に、影人はシトュウとの念話を続けた。

「シトュウさん、フェルフィズの正確な場所は分かるか? 転移にはその情報がいるらしい」

『もちろん分かりますが、長距離間の転移はそれなりに力を消費します。彼の忌神の力が未知数である以上、下手に力を消費しない方がいいでしょう。よって、私があなた達3人を彼がいる場所の近くまで送ります』

「っ、確かにそうだな・・・・・・分かった。じゃあ言葉に甘えさせてもらうぜ。レイゼロール、嬢ちゃん。シトュウさんが転移してくれるってよ」

 影人が2人に対しそう告げる。影人の言葉を受けた2人は了解した事を示すように頷いた。

「影人、吾も一緒に転移するように言ってくれよ。シトュウなら吾も飛ばせるはずだからな」

「ああはいはい、分かったよ。悪いシトュウさん、幽霊も一緒に頼む」

 零無にそう言われた影人は少し面倒くさそうに頷くと、シトュウにそうお願いした。

『分かりました。では、あなた達3人と零無の転移を開始します』

 シトュウの声が影人の中に伝わった次の瞬間、影人、レイゼロール、シェルディアの3人、そして零無が透明の光に包まれ始めた。シトュウの転移の兆候だ。

 そして数秒後、リビングから影人たちの姿が消えた。

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