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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1548/2051

第1548話 忌神の屋敷へ潜入せよ(2)

「1つ質問だが、転移もその女がやってくれるのか? 我の転移も基本的には1度行った所に限られる。まあ、この2000年と少しばかりでこの地球上のほとんどの場所は巡ったがな」

「その辺りはまだ決まってないが、シトュウさんは多分お願いしたらやってくれると思う。まあ、他にもソレイユには事情話すつもりだから、ソレイユにフェルフィズの場所を伝えて転移してもらう事も出来ると思うが」

 いつもと同じ様子に戻ったレイゼロールが質問を飛ばしてくる。影人はレイゼロールにそう返答した。

「他に質問とかはあるか?」

「いや、問題ない」

「私もよ」

 確認を取る影人にレイゼロールとシェルディアが首を横に振る。2人の反応を見た影人は話を纏めにかかった。

「よし、じゃあフェルフィズ襲撃の決行は明日。メンバーは俺とレイゼロールと嬢ちゃん。集合場所と時間は・・・・・・嬢ちゃんの家に午後2時。それでいいか?」

 主に家主であるシェルディアを意識しながら影人が最後の確認を取る。2人は今度はその首を縦に振った。

「・・・・・・決まりだな。各自、準備を整えてまた明日に会おうぜ」

 影人がそう言ってイスから立ち上がる。こうして、フェルフィズ襲撃の日程とメンバーは決まったのだった。













「・・・・・・さて、そろそろ時間だな」

 そして1日が経過した5月5日日曜日、午後1時55分。フェルフィズ襲撃の当日。スマホの時計を見た影人はそう呟くと、ペンデュラムを私服のズボンのポケットに入れた。そして、自分の家を出て隣のシェルディア宅へと向かった。

 ちなみに、ソレイユには昨日の夜に事情を伝えてある。ソレイユは最初こそ心配していたが、最終的には「あなた達を信じます。ご武運を」と言ってくれた。

「・・・・・・お前当然のように着いてくるつもりかよ。今日くらい家で大人しく出来ねえのか?」

 影人が自分の横にいる零無に対して、どこか呆れたようにそう言葉をかけた。その言葉に対し、零無はかぶりを振った。

「無理だね。今日は日曜日で、お前の学校もない。前にも言っただろう。お前とずっと一緒にいれる日にお前と離れ離れになるのは耐え難い。それに、吾もあいつが死ぬところとか断末魔とか見たいしな」

「仮にも長い付き合いのある相手にそれ言うのかよ。やっぱり、お前の倫理観終わってんな・・・・・・というか、まだ殺すかどうか分からんぞ。レイゼロールの奴は昨日の感じ、殺す気みたいだが」

 影人は零無にそう言いながら、シェルディア宅のインターホンを押した。零無に対して倫理観が終わっていると言いながらも、自分の言葉も同様な事に影人は気がついていなかった。

「いらっしゃい影人。レイゼロールも少し前に来たところよ」

「こんにちは嬢ちゃん。じゃあ、俺が最後か。おじゃまします」

 玄関のドアが開きシェルディアが出迎えてくれる。影人は挨拶の言葉を返すと、シェルディア宅へと足を踏み入れた。

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