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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1488/2051

第1488話 打ち上げパーティーだ6(3)

「・・・・・・勘違いするな。別にガッカリしたとかそういうのではない。ただ、我にとってはその状態のお前の方が馴染みがあるというだけだ」

「っ・・・・・・ははっ、そうかよ。まあ、過去でお前と会った時にはもう今の髪の長さだったからな。そんなもんか」

 レイゼロールの言葉を聞いた影人は少し意外そうな顔を浮かべながらも、笑みを浮かべそう言った。レイゼロールと過ごしたあの1ヶ月ほどの記憶。それが自然と思い出された。

「ああ、そうだ。君がレールの約束の人って知ってから、ずっと聞いてみたい事があったんだ。確か、君は俺がレールと出会う前に会って一緒に暮らしてたんだよね。その時のレールはどんな感じだったの?」

「っ!? おい、ゼノ。余計な事を聞くな・・・・!」

 影人にそう聞いて来たゼノに、レイゼロールは一瞬驚いたような顔を浮かべた。そして、レイゼロールは険しい顔でそう言葉を述べた。

「ああ、それは実に気になりますね。レイゼロール様が過去どのような方であったのか。ええ、執事としてぜひ知っておきたいところです」

「僕もそれは気になるなぁ」

「レイゼロールの過去か。まあ、多少は面白そうだな」

「・・・・・・己はレイゼロール様に仕える身。主人の過去を詮索したりなどは・・・・・・だが、気にならないといえば嘘に・・・・・・」

 だが、ゼノに触発されたように、フェリート、響斬、冥、殺花などもそれぞれの言葉を述べた。概ね、ゼノと同様の意見だ。ちなみに、フェリートは席に座らずにレイゼロールの後ろに控えていた。

「っ、貴様ら・・・・・・!」

 闇人たちの言葉を聞いたレイゼロールが珍しく感情を露わにし、闇人たちを睨み付ける。最初に出会った時と比べると、随分と人間らしく(正確にはレイゼロールは神であって人ではないが)なったものだと影人は思った。

「そうだな。過去での俺とこいつの出会いは、まあ色々大変でな。でも、何だかんだこいつは最初から優しくて、一緒に暮らしたいって俺の願いを最終的には聞いて――」

「おい黙れ影人! 言わなくていい!」

 影人が軽く面白がりながらも言葉を紡ごうとすると、レイゼロールが耐えかねたように言葉を叫んだ。

「ま、レイゼロールの過去話はどうでもいいか。おいスプリガン。お前俺と戦えよ。そのために、わざわざパーティーなんかに参加してやったんだ。じゃなきゃ、俺もダークレイやゾルダートみたいに参加なんかしてねえからな」

「相変わらず狂犬みたいな奴だなあんたは・・・・・・」

 急にそんな事を言ってきた冥に、影人は呆れたような顔を浮かべた。パーティーに参加した理由が戦闘民族のそれである。

「悪いが俺は戦闘狂じゃない。あんたと戦う気はねえよ」

「ああん? 何でだよ。シケた事言ってんじゃねえ。この前の零無とかいう奴との戦い助けてやったんだから、恩を返せよ」

「うっ、それを言われると弱いが・・・・・・俺、実は平和主義者なんだよ。理由もなく戦えないんだ。俺、平和愛してるから」

「嘘つけ。お前のどこが平和主義者だ。普通に戦えるタイプだろお前」

「嘘だな」

「嘘ですね」

 適当に嘘をついて難を逃れようとした影人だったが、すぐさま冥に嘘だと看破されてしまった。冥に続いて、影人と何度も戦った事があるレイゼロールとフェリートも、影人の嘘を見破った。

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