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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1486/2051

第1486話 打ち上げパーティーだ6(1)

「レイゼロールの奴がね・・・・・・ま、嬢ちゃんもあいつは参加してるって言ってたからな」

 フェリートの言葉を聞いた影人はさしたる驚きもなくそう呟いた。そして、こう言葉を続けた。

「ま、いいぜ。断ったらあいつ怒るだろうしな。それに、ちょっと落ち着きたいところだったし・・・・・・あいつの周りにいれば、あの3人も寄ってはこないだろうし・・・・・・取り敢えずオーケーだ」

「理由は分かりませんが・・・・・・あなた、レイゼロール様を何かの避けに使う気ではないでしょうね?」

「まさか。ただのどうでもいい呟きさ。一々気にするなよ」

 怪しいといった感じの目を向けてくるフェリートに、影人は首を横に振った。まあ嘘だが、本当の事を言うとどうせ面倒な事になるのが目に見えているので、影人はそう言ったのだった。

「そうですか・・・・・・まあ、いいでしょう。では、レイゼロール様の元に案内しますので、私に着いてきてください」

「オーライ」

 フェリートは完全に納得してはいないような様子だったが、影人にそう言った。影人はフェリートの言葉に頷いた。

「そう言えば、お前よく俺を見つけられたな。こんだけ人いる中で」

「職業柄、観察眼は鍛えていますからね」

「職業柄? お前闇人だろ。職業なんかあるのかよ?」

「私は執事ですよ。人間時代も闇人である今も。常に主人に尽くすのが私の仕事です」

「ああ、そういやレイゼロールがお前は執事だって言ってたな」

 レイゼロールの元へと案内されている道中、影人とフェリートはそんな言葉を交わした。

「着きましたよ。この扉の先にレイゼロール様がいらっしゃいます」

 数分後。フェリートと影人は会場右奥にあったドアの前に立っていた。フェリートからそう言われた影人は軽く首を傾げた。

「ここだけじゃなくて、この扉の先もパーティー会場なのか?」

「いいえ。私たち闇サイドは一応は光サイドと和解したとはいえ、長年に渡る確執がありますからね。諍いが起こるのは面倒なので、別に部屋を用意してもらったのですよ」

「なるほど、そういう事か。でも、嬢ちゃんが言ってたが招待状にはお前らも参加するって書いてあったんだろ。ここにいる奴らはそれを承知済みって話なんじゃないのか?」

「それでも、ですよ。誰も彼もが割り切れる人間ではないですから。まあ、シェルディア様やキベリアさんは普通に会場におられますし、クラウンに至っては先ほど見た限り、曲芸をして観客を集めていましたが・・・・・・彼・彼女らは例外ですがね」

「・・・・・・そうか。悪い、野暮な事聞いたな」

「いいえ」

 影人の言葉にフェリートが首を横に振る。そして、影人は扉を開けた。

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