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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第1479話 打ち上げパーティーだ4(2)

「よし、決まりだね」

「決まってねえよ。俺の意見を無視するな」

 光司の言葉に影人が即座にツッコミを入れる。影人が不満丸出しな顔を浮かべていると、ファレルナが悲しげな顔を浮かべた。

「お兄さんは私たちと一緒は嫌でしょうか?」

「い、いやそのだな聖女サマ・・・・・・」

 ファレルナの顔を見た影人が言葉に詰まる。普段の前髪なら普通に嫌だと言っているだろうが、相手は一応歳下の、しかも全く裏表のない聖女である。流石の人外で有名な前髪も、ファレルナに即座に正面から嫌だとは中々言えなかった。

「帰城くん、ここは少し大人になるところじゃないかな? もし君が断れば聖女様が悲しむよ」

 そんなタイミングで、光司が笑みを浮かべながら影人にそんな事を言ってきた。こいつは悪魔かと影人は思った。

「・・・・・・おい香乃宮。お前、俺の正体知ってから露骨に態度変わってねえか? 積極さが前の比じゃねえというか、搦手使って来るっていうか・・・・・・」

「そうかな? 自分の事にはあまり興味はないから分からないかな。ただ、僕も人間だって事だよ。それでどうする帰城くん? さっきの君の指摘通り、君の意見を聞くのを忘れていたから、改めて君の意見を聞かせてほしい」

「このタイミングでそれ聞くかよ・・・・・・クソが、えげつねえ奴だぜ・・・・・・」

 どこかとぼけたようにそう言ってきた光司。そんな光司に、影人は思わずそう言葉を漏らした。例えるならば、狡猾、残忍。その俺が貴様を倒すぜ的な感じだ。まあ、影人は倒される側なのだが。

「・・・・・・・・・・・・はあー、分かったよ。俺の負けだ。付き合ってやるよ」

 そしてその結果、光司の問いに影人はそう答えた。不承不承という感じで。

「ありがとうございますお兄さん。とても嬉しいです!」

「ありがとう帰城くん。やっぱり君は優しいね」

「半ば脅すみたいな事したくせに・・・・・・どの口が言ってやがんだ。けっ」

 ファレルナと光司が嬉しそうにそう言葉を述べる。影人は光司に恨みがましい目を向けた。

「ふむ・・・・・・」

 その様子を見ていたプロトはどこか面白そうな顔を浮かべていた。













「なるほど・・・・・・君がスプリガン。帰城影人くんだったのか。いや、失礼。スプリガンの顔をじっくりと見る機会はあまりなかったものだし、2度ほど君の通常時を見た時は前髪が特徴的だったから、分からなかったんだ。失礼を詫びるよ」

 十数分後。各自料理を盛り付けた皿をテーブルに置きながら影人、光司、プロト、ファレルナの4人は席に着いていた。魚のムニエルを口に運んだプロトは、行儀がよさそうにナプキンで口を拭きそう呟くと、影人に頭を下げてきた。

「いや、謝られる事じゃないから顔あげてください。反応しづらいんで・・・・・・」

 プロトから謝罪された影人は少し慌てたようにそう言った。一応、プロトとしっかり話すのは(零無との戦いが終わった後に、一応影人は戦ってくれた光導姫や守護者、闇人などに謝罪していた)これが初めてなので影人も砕けた言葉ではなかった。

(それにしても・・・・・・こいつが守護者の元1位か。なんか香乃宮と同じような雰囲気だな)

 プロトを見つめながら影人は内心でそう思った。イケメンなのはもちろんだが、仕草や振る舞い、言葉遣いなどが光司と本当によく似ている。プロトの見た目と出身国も相まって、英国紳士という言葉がピッタリだ。

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