表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1474/2051

第1474話 打ち上げパーティーだ3(1)

「・・・・・・言っただろう。少し話がしたいと。スプリガン・・・・・・いや、帰城影人」

 影人にそう言われたアイティレは、ジッとその赤い瞳を影人に向けながらそう呟いた。

「お前が俺に話ね・・・・・・いいぜ、分かったよ。取り敢えず、座ってくれていいぜ」

 軽く警戒感を抱きつつも、影人はアイティレに対面の席を勧めた。

「感謝する」

 アイティレは一言そう言うと、影人の対面の席に腰を下ろした。

「で、話って?」

 影人は早速アイティレにそう聞いた。アイティレが今の前髪を上げた自分を帰城影人だと認識できた事は、あまり気になっていなかった。影人の顔はスプリガン時と同じもので瞳の色が違うだけだ。既に影人の正体をスプリガンだと知っており、その認識阻害の力の外にいるアイティレならば、気づいてもおかしい話ではなかった。

「ああ、だがその前に・・・・・・普段の君はそういった話し方なのだな。以前にソニアの楽屋で会った時とは印象がガラリと違うから少し驚いた」

「別に初対面の奴とかにはもうちょっとマシな言葉で喋る。だけど、お前はもう俺がスプリガンだって知ってるし、何回も戦った奴だ。なら気遣いはいらねえだろ。というか、お前も今更俺が丁寧な言葉遣いしてたら気持ち悪いだろ」

「・・・・・・そうだな。確かに、今は君がスプリガンだと知っている私が、丁寧な君の言葉を聞けば違和感を抱くだろうな」

 影人の言葉を聞いたアイティレは納得したように頷いた。ほとんど殺し合い(あくまでアイティレの認識。アイティレは殺意を持って影人と戦っていたが、影人はアイティレを殺す気はなかったので、影人からすればただの仕事、戦いという認識)に近い戦いをした相手が、取り繕ったような言い方をすれば必ず違和感が生じる。ゆえに、アイティレは納得したのだった。

「では、本題に入らせてもらおう。・・・・・・話というのは、私が過去に君を何度か攻撃し殺そうとした事。それに対する謝罪の話だ」

「ああ、それか・・・・・・」

 アイティレが影人に本題を切り出す。アイティレにそう言われた影人は特段驚いた様子もなく、その言葉を受け止めた。

「・・・・・・別にもう気にしちゃいねえよ。終わった話だしな。お前もこうやってその事を話に来たって事は、俺を殺すつもりはないんだろ」

「ああ。もちろん、現在の私に殺意はない」

「なら話は終わりだ。謝罪は別にいらん。お前は俺と戦っていた時俺の正体を知らなかった。なら攻撃して来ても仕方ないだろ。それが殺意のあった攻撃だったとしてもな。それに、俺も必要だったとはいえ攻撃や反撃をした。だからチャラだ」

 頷いたアイティレを見た影人はそう言葉を述べた。そもそも、後半影人は明確に光導姫と守護者の敵になっていた。殺す気で攻撃されても仕方がない。

「それでも無かった事には出来ない。これは明確に私の罪だ」

「はっ、そうかよ。真面目な奴だな」

 だが、アイティレは今度は頷かなかった。その様子を見た影人は少し呆れたようにそう言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ