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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1466/2051

第1466話 打ち上げパーティーだ1(1)

「へえ、凄えな。服屋みてえだ・・・・・・」

 ドアを開けて着付け室の中に入った影人は、部屋の中に広がる光景を見て、思わずそう言葉を漏らした。部屋はかなりの広さで、移動式の服掛けには様々なジャケット、ネクタイ、ワイシャツ、ズボン、ベルト、着物などがかなりの数掛けられている。また一角のフロアには革靴や、美容台、試着室などが設けられている。まるでお店のようだと影人は思った。

(しかし、結構な数の奴らがいるな。ここにいるって事は今日のパーティーに参加する奴らなんだろうが・・・・・・人種がバラバラ、基本若い奴らしかいないって事はこいつら全員元守護者ってところだろうな)

 着付け室の中には影人以外にも20人ほどの男性がいた。白人、黒人、黄色人種問わず様々に。後は着付け係のホテルのスタッフと思われる者が数人だけだ。パーティーに参加するという事は元守護者くらいしかいない。影人は適当にそう考えた。

「って事は香乃宮の野郎も高確率で来てやがるな・・・・・・あいつとだけは遭遇しないように祈っとくか」

 どこか面倒くさそうにそう呟いた影人は、そこである可能性に気がついた。

(ん? 待てよ・・・・・・元守護者が参加するなら、元光導姫も参加してるって事か? だったら朝宮とか月下もいる可能性が・・・・・・いや、元光導姫ってくくりで見るなら、もしかしたら穂乃影の奴も・・・・・・? いや、それは流石にないか。ソレイユの奴は穂乃影が俺の妹って事はもう分かってるし、その辺りは調整してくれてるはずだ)

 影人は首を横に振った。やはり、穂乃影が来ている事はないはずだ。まあ、自分が参加するという事は穂乃影にはパーティーの招待自体されていないという事だろうが、例え招待されていたとしても、穂乃影は恐らく参加していないだろう。穂乃影も影人と同じように、騒がしいのはあまり好きではない性格だ。

「・・・・・・なら、あいつの分まで多少は楽しまないとな」

 影人がそう呟きながら服掛けの方に向かおうとすると、スーツ姿の中年男性が声を掛けてきた。

「お客様、よろしければですが、服装をコーディネート致しましょうか? もちろん、断ってくださっても結構です。その場合は、ご自分のお気に召された物を組み合わせて頂きたく願います」

「あー・・・・・・そうですね。正直、服装の組み合わせとかには疎いんで、お願いしてもいいですか?」

 自分で服装を選ぶ事が面倒だと思った影人は、その男性にそう言葉を返した。

「かしこまりました。それでは、まずお客様の体のサイズなどを測らせていただきます」

 そう言って、男性はメジャーを取り出して影人の体のサイズや身長、靴の大きさなどを測った。そして、男性は「少々お待ちください」と言って服掛けの方に向かって行った。

「こちらの黒のジャケットにこちらのシャツ、ネクタイは蝶ネクタイではなく、青の普通のネクタイ。サイズからするに、ズボンはこちら。ベルトは少しアクセントを加えて薄い赤。靴は後でお持ちしますが、如何でしょうか?」

「ありがとうございます。じゃあそれで」

 服やズボンなどを抱えて戻って来た男性の言葉に影人は頷いた。正直、服装など何でもいいのだ。影人は自分の見てくれに興味などないのだから。

「では、試着室へどうぞ。その間に靴をお持ちしておきますので」

 男性に誘われ影人は試着室へと向かった。そして、ジャケットやズボンなど一式を受け取り、試着室の中へと入った。

 それから約10分後。

「こんなもんか・・・・・・?」

 影人は試着室の中に備え付けられていた姿見を見ながらそう呟いた。取り敢えず、そこにはスーツを着たただの前髪野郎がいた。

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