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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1461/2051

第1461話 打ち上げパーティーをしよう(4)

「うわ、出ましたよ。アホモード全開の影人が・・・・・・」

「お前・・・・・・いったい何を言っているんだ?」

「うーむ、本当に吾を封印した後にお前に何があったんだ?」

 前髪の言葉を聞いたソレイユ、レイゼロール、零無がそれぞれそう言葉を漏らす。反応はそれぞれ違ったが、1つ共通していたのは3人全員軽く引いていた事だった。

「はあー、仕方ないわね。あなたが素直に頷いてくれていたのなら、それで終わりだったのだけれど・・・・・・あなたがそう言うなら、()()するしかないようね」

 シェルディアはため息を吐きそう呟くと、ニコリと笑みを浮かべながら影人にこう言った。

「ねえ影人。あなたは昨日私たちに何をしたのかしら? せっかくあなたの力になろうと集った私たちを、あなたは無下に扱ったわよね? しかも、仮死とはいえ全員を1度は殺して。更に、卑劣な感情を利用する手を使って」

「うっ・・・・・・」

 シェルディアにそう言われた影人の顔が、気まずそうに申し訳なさそうに歪む。シェルディアは変わらず笑みを浮かべながら言葉を続けた。

「そうまでして1人で零無と戦ったあなただけど、結果はあの様よね。正直、情けないわ。私たちが来なかったら、あなたは今頃ここにはいないわよ。別に押し付けるつもりはないけれど、あなたに多少でも罪悪感や私たちに対する感謝の気持ちがあるのなら、普通は断れないと思うのだけれど。ねえ、どうかしら?」

 シェルディアの言葉は確かに説得ではあったが、ある意味で一種の言葉の暴力だった。その言葉の暴力にボコボコにされた影人は、完全に項垂れてこう言葉を漏らした。

「あ、はい・・・・・・その、本当それはすいませんでした・・・・・・あの、謝って許される事じゃないのは分かってます・・・・・・」

「分かっているのなら、少しでも贖罪をしようと思うのが人心というものよね? ねえ、そうでしょう? 私、間違った事言っているかしら」

「いえ、そうだと思います・・・・・・」

「そうよね。だったら、あなたはどう言うべきなのかしらね影人」

 詰めるように有無を言わさぬように、シェルディアがそう言葉を放つ。シェルディアは笑っているが、シェルディアからはかなりのプレッシャーが放たれていた。

「あ、そ、その・・・・・・」

「な・に・か・し・ら?」

 言葉を詰まらせる影人に、シェルディアが更に畳み掛ける。頷かなければ終わらないと悟った影人は、諦め切ったようにこう言葉を漏らした。

「つ、謹んで了承したいと思います・・・・・・あの、こんな私のために、パーティーを計画してくださってありがとうございます・・・・・・」

「ん、よろしい」

 前髪野郎の実質的な敗北宣言を聞いたシェルディアは、気分が良さそうに軽く頷いた。

「うわぁ・・・・・・あの影人が完璧に叩きのめされましたよ・・・・・・」

「最初からそう言えばいいものを・・・・・・全く世話が焼ける奴だ」

「ははっ、正論で殴られてやんの」

 その様子を見ていたソレイユ、レイゼロール、零無がそれぞれそう言葉を漏らす。

「ふぁ〜あ・・・・・・お菓子、お菓子・・・・・・」

 すると、そんなタイミングでリビングに1人の女性が現れた。深緑の長髪に、可愛らしいプリントが施された寝巻き――実質的に彼女の部屋着とも化している――を纏ったキベリアは、リビングにいたシェルディア以外の者たちの姿を見ると、凄まじく驚いた顔を浮かべた。

「え、レイゼロール様!? それに光の女神に帰城影人に昨日の奴もいるし・・・・・・え、ど、どういう事・・・・・・!?」

「キベリアか・・・・・・その、なんだ。お前、随分と可愛らしい服を着ているな・・・・・・」

 キベリアの姿を見たレイゼロールは、反応に困ったような顔になりながらそう言った。レイゼロールの言葉を聞いたキベリアは「ひゃ!? あ、あわわ・・・・・・!」と自分の姿を確認して、その顔を赤面させた。

「ああ、ちょうどいいところに現れたわね。キベリア、詳しい事はまだ決まってないけど、パーティーをする事になったわ。取り敢えず、あなたは参加確定ね」

「え、パ、パーティー!? 何のですか!? しかも私は何で参加確定なんです!? 意味分からないんですけど!?」

 シェルディアの言葉を聞いたキベリアが絶叫し、その声がリビングに響き渡る。キベリアの絶叫を聞いたシェルディアは「うるさい子ね、あなたは・・・・・・」と呆れたような顔を浮かべていた。


 そんなこんなで、打ち上げパーティーをする事が決まったのだった。

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