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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1459/2051

第1459話 打ち上げパーティーをしよう(2)

「ああ、見る事は出来るぜ。ただ、今は零無が俺にしか見えないようにしてるみたいだ。零無、3人にだけ姿を見せてやれる事は出来るか?」

「うん? ああ、容易いよ」

「じゃあ見せてやれ。その方が混乱しない」

 影人が零無に許可を出す。影人にそう言われた零無は「分かったよ」と言って頷くと、自身の存在のチャンネルを軽く弄った。瞬間、ソレイユ、レイゼロール、シェルディアの視界内に零無の姿が現れた。

「これで見えてるだろ」

「あ、はい。こんにちは零無さん。しかし、いつでも消えたり現れたり出来るなんて、幽霊というよりかは任意式の透明人間みたいですね・・・・・・」

 確認を取る零無の言葉にソレイユが頷く。すると、零無の姿を見たレイゼロールが少し嫌悪感を露わすようにこう呟いた。

「ふん・・・・・・貴様のような奴が、影人の守護霊のつもりか・・・・・・」

「何だ嫉妬かレイゼロール? ははっ、可愛いところがあるじゃないか」

「っ・・・・・・」

 レイゼロールの言葉を聞いた零無はニヤニヤとした顔でそう言った。零無にそう言われたレイゼロールは不快そうに軽く顔を歪めた。

「さて、そろそろ本題に入りましょうか。立ち話もなんだし、みんな私の家に上がりなさい。話はそこでしましょう」

 シェルディアがパンと軽く手を叩きそう言った。シェルディアの言葉を聞いた影人は、露骨に嫌そうな顔になった。

「な、なあ嬢ちゃん。それは話をする事でもないと思うんだ。ほら、俺はもう嫌だって断ったわけだし・・・・・・」

「あら、私は話をしたいのだけれど。もちろん、来てくれるわよね?」

 ニコリとシェルディアが笑みを浮かべる。その笑みは一見すると普通の笑みのようであったが、その笑みには凄みがあった。具体的に言うと、「断ったらどうなるか分かってるよな?」的な感じの凄みが。それを察した影人は、気づけば「あ、はい・・・・・・」と頷いてしまっていた。

「なら決まりね。あなた達、着いていらっしゃい」

 シェルディアは軽く頷くと影人、レイゼロール、ソレイユ、零無を伴ってマンションの中へと入って行った。










「へえ、ここがあなたの住んでいる場所ですか・・・・・・素敵な所ですね」

 帰城家が住んでいる部屋の隣のシェルディア宅。そのリビングに招かれたソレイユ達。ソレイユは座りながらリビングを見回すと、そう感想を漏らした。

「ふふっ、それはどうもありがとう。少し待ってね。今お茶を用意させるから」

 シェルディアがパンと軽く手を叩くと、リビングに面していた襖が開けられた。すると、そこから水色と縞々パンツを履いた白いネコのようなクマのようなぬいぐるみが現れた。ぬいぐるみはテクテクと歩いてシェルディアの足元までやってくると、ジッとシェルディアを見上げた。

「飲み物の用意をお願い出来るかしら。私は紅茶、影人は確か水だったわよね。ソレイユ、レイゼロール、あなた達は何にする?」

「え!? え、ええと・・・・・・で、では、わ、私も紅茶で・・・・・・」

「アイスコーヒーだ」

 ソレイユは突如現れた動くぬいぐるみに驚きながらも、レイゼロールはいつも通りの様子で、自身の注文を述べた。

「分かったわ。じゃあ、それでお願いね」

「!」

 シェルディアにそう言われたぬいぐるみは、「分かったよ!」といった感じで頷くと、テクテクと台所へ向かい、飲み物の用意を始めた。

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