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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1362/2051

第1362話 前髪、◯◯する(2)

「すみませーん、帰城ですが榊原先生いらっしゃいますか?」

 風洛高校に入った影人は、昇降口で自分の靴を上履きに履き替えると(当然といえば当然だが、影人の下駄箱はまだあった)、校舎2階にある職員室を目指した。風洛高校の教師である紫織はそこにいるはずだからだ。そして、職員室に着いた影人はノックをして職員室のドアを開けると、そう声を発した。

「っ、帰城・・・・・・」

 影人がそう言うと、1人の女性教師が乱雑に物が置かれているデスクから立ち上がった。影人を学校に呼んだ紫織だ。紫織は黒色のジャージを着ており、影人を見ると驚いたような、呆然としたような顔を浮かべた。

「あ、久しぶりです榊原先生。職員室は今先生1人だけですか?」

 影人は何でもないように紫織にそう言うと、キョロキョロと職員室の中を見渡した。職員室は外が明るいからか電気が消されており、無数にあるデスクにも誰も姿を確認する事は出来なかった。

「ああ、今日は休日で基本は休みだからな。部活動の顧問の先生方もグラウンドや部室に行っているし・・・・・・いや、そんな事よりもだ!」

 紫織は半ば無意識的に影人の質問に答えると、ハッとしたような顔を浮かべ、影人の方に駆け寄って来た。

「お前今までどこで何してたんだ!? というか、お前に関する記憶を昨日までなぜかずっと忘れてたんだが!? しかも、私だけじゃない! 他の先生方もだ! お前にいったい何があった!?」

 紫織は今まで影人が見たこともないような、混乱したような顔を浮かべながらそう言って来た。ほとんど昨日の日奈美と同じような感じだ。まあ、無理もないが。

「お、お気持ちは分かりますが、取り敢えず落ち着いてくださいよ先生。ていうか、先生もそんな顔されるんですね・・・・・・いつも、私省エネですみたいな感じなのに・・・・・・」

「しばくぞお前!? 私だって人間だ! 有り得ない事が起きれば驚く! 後、私はそんな澄ました人間じゃない! ただ面倒くさがりなだけだ!」

 影人にそう言われた紫織は、今度はキレたようにそう言った。当たり前である。誰だってこんなに真面目に聞いているのに、今のようなふざけた答えを返されれば怒る。さすが前髪野郎。色々な意味で人ではない。

「いや、しばくのは体罰になるからやめてくださいよ・・・・・・分かりました。真面目に答えますよ。話が多分長くなるので、どこか座れる所ありますか?」

「分かった。じゃあ、2年7組で話そう。ちょっと待っててくれ。鍵取って来るから」

 紫織はそう言うと、職員室の鍵置き場から自分が担任のクラスの「2年7組」とタグがついた鍵を取った。そして、影人と共に職員室を後にすると、2年7組へと向かった。











「それで、いったい何があったんだよ」

 教室に着いた影人はクラス左隅の自分の席に座った。紫織はその前の男子生徒が座っていたイスに座り、机を挟んで対面し、改めて影人にそう聞いてきた。

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