表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1261/2051

第1261話 約束(3)

「そうだ! 暴走してるあいつを止めるためには、光の力であいつを浄化するしかない! 人の心の光であいつの絶望の闇を晴らすしか! だが、俺はあいつを浄化出来ない! だから、お前らがやるんだよッ!」

「で、でも私たちなんかじゃ・・・・・・・・」

「レイゼロールに、私たちの光は届かなかった・・・・所詮、私たちなんて・・・・」

 影人の叫びを聞いた陽華と明夜は、その顔を不安げなものにさせた。影人が来る前、2人はレイゼロールに手も足も出なかった。光臨状態の最大浄化技も全く届かなかった。それが2人の自信を打ち砕いていた。

「はっ、そうだな! 確かにてめえらはまだ新人の部類で、正直俺もレイゼロールを浄化出来るなら『聖女』だと思ってた! だがなあ!」

 影人は無限に自身を襲ってくる『終焉』の闇を、自身の『終焉』の闇で弾きながら、言葉を叫び続ける。

「今ならソレイユが言ってた意味が何となく分かる! レイゼロールを浄化出来るのはお前らしかいない! 時には傷つきながら! 俺みたいな奴まで最後の最後まで信じ続けられて! 真っ直ぐな思いと優しさを持ったお前たちが! お前たちが人の善意の光をあいつに届ける資格がある! お前たちしかいないんだ!」

「「っ!?」」

 その言葉を受けた陽華と明夜の表情が変わる。影人に2人の表情は見えない。だが、影人は言葉を畳み掛けた。

「俺は影からずっとお前たちを見てきた! もし自分たちが信じられないなら俺の言葉を信じろ! お前らが信じ続けた俺がそう言ってんだ! だから・・・・・・!」

 影人は有らん限りの声でこう叫んだ。


「頼む! レイゼロールを救ってやってくれ! 俺と一緒に!!」


「「あ・・・・・・・・」」

 それは陽華と明夜がずっと聞きたかった言葉。スプリガンといつか肩を並べて戦いたい。スプリガンに追いつきたいと思っていた少女たちが、ずっと聞きたかった言葉だった。その瞬間、陽華と明夜に一切の迷いはなくなった。代わりに、爆発的なまでの嬉しさと自信が2人の中に満ちていく。


 そして、2人の胸部に暖かな輝かんばかりの光が生じた。


「っ・・・・・明夜、この光は・・・・・」

「うん、陽華・・・・・今なら・・・・・」

 自身の胸に灯った光。それを見た2人は互いに見つめ合った。そして、次の瞬間には、明るい自信に満ちた表情を浮かべた。

「明夜今なら行けるよ! スプリガンが私たちに立ち直る言葉をくれたから! 光臨の・・・・・その先に!」

「ええ、私たちの想いは限界を超えた! 今なら行ける陽華!」

 2人は互いに頷き合うと手を前方に突き出し、それを重ねた。陽華は右手を。明夜は左手を。2人の中には、唱えるべき言葉が浮かんでいた。

「「我らは光の臨みを越える。全てを照らし、全てを優しく包む光。その光に、我らはなる!!」」

 2人が言葉を唱えると同時に、2人の胸の光が輝きを増す。そして、2人はこう言葉を放った。


「「光輝天臨こうきてんりん!!」」


 2人がその言葉を放つと同時に、2人の胸の光が世界を白く照らした。その光に周囲にいた者たちや、光導姫や守護者の視界を通して観察していた、ソレイユやラルバも目を細める。全てを暖かく照らし、優しく包む光が世界に放たれる。そして数秒後、光が収まるとそこには変化した2人の姿があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ