表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1228/2051

第1228話 スプリガンVSレイゼロール、最後の戦い2(2)

「ほざけ! お前は資格者ではない!」

 『終焉』の闇で自身に向かって来る影を虚空に消しながら、レイゼロールは影人へと接近した。

「はっ、そうかよ! だがそういうところもガキだな! 誰かが誰かを助けるのに、救うのに資格がいるかよ!」

 近づいてきたレイゼロールは『終焉』の闇を纏う右の拳を放って来た。影人はその拳を左手で受け止める。

「ッ、そのうるさい口を閉じろ!」

 レイゼロールは四肢に『終焉』の力を纏い、凄まじい連撃を放った。影人はその連撃に対応するべく、一定の力を消費し自身の『世界端現』の効果を拡大させた。

「『世界端現』。終わりを弾け我が両足よ!」

 両足にぼやけた闇が纏われる。これで影人も四肢に『世界端現』を発動させた事となる。影人はレイゼロールの四肢を使った連撃を、自身の四肢を使って捌いた。

「いいや、閉じないね! 今までこっちの形態じゃあんま話してなかったんだ! 最後くらいは話させろよ!」

 素の自分を出しながら影人はそう言った。今まではスプリガンは謎の怪人という事で、クールな感じを演じていたが、もはやそれも必要はない。影人はこの最後の戦いが始まって以来、スプリガンとしてではなく帰城影人として言葉を述べていた。

「ならば、我が強制的にその口を閉じさせてやる! 貴様を殺してな!」

 レイゼロールの連撃が更にその激しさを増す。触れれば問答無用で死ぬ、死の連撃。それが神速の速度で、嵐のような速度で放たれているのだ。普通ならば即死で、影人も四肢以外に『終焉』が触れれば当然死ぬ。しかし、そんな緊張感の中でも、影人は激しさを増したレイゼロールの連撃に対応した。これも、シェルディアとの修行の成果といえば成果だった。

「はっ、その割には動きが・・・・・単調になってきてるぜ!」

 影人は右手でレイゼロールの左拳を逸らすと、レイゼロールの腹部に自身の左の拳を放った。レイゼロールはその一撃を避けようと、体を動かす。影人の拳は空を穿つが、すぐに影人は左手を開きそこに闇色のナイフを創造すると、そのナイフでレイゼロールの胴体部を切り付けた。

「っ・・・・・!」

「だからこんな攻撃にも当たる」

 互いにほぼ同条件での近接戦。その近接戦で影人がレイゼロールに傷を付けた。それは、確かな変化であった。

「ガタガタだな、レイゼロール。俺の言葉に揺さぶられて、動きが変わって来てるぜ。戦いやすい動きに」

「黙れ! 調子に乗るなッ!」

 苛立ったようにレイゼロールが声を上げる。レイゼロールは腹部の傷を即座に回復させ、変わらず凄まじい連撃を影人に放って来た。

「我の想いが貴様如きの言葉で揺らいでいるだと!? ふざけるな! ふざけるなよ! どれだけの想いで、どれだけの時をかけて我が今まで生きてきたか! 貴様如きに我の何が分かる!? 貴様ごときにッ!」

 レイゼロールが叫ぶ。レイゼロールの精神が、感情によって揺り動く。その揺らぎは『終焉』の力を通して、儀式に使用されている『終焉』の闇にも揺らぎを与える。『終焉』の闇は徐々にその揺らぎを大きくし始めた。

「ああ、分かるかよ! 俺にはお前の痛みも苦しみも悲しみも分からねえ! だがなあ! これだけは言えるぜ!」

 影人はレイゼロールの叫びにそう言うと、こう言葉を叫んだ。

自分てめえの苦しみを人に理解してもらいたいなら! まずはその奥にしまってるもんを全部吐き出せよ!」

 影人は一歩レイゼロールに踏み込み、右拳をレイゼロールの左頬に放った。レイゼロールは「ぶっ!?」と声を漏らすと、後方へと殴り飛ばされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] うおお!頑張れえいと
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ