第114話 巫女との面会(1)
光導姫『巫女』――連華寺風音が自己紹介を終える。風音は笑顔を浮かべたたまま、3人を下座に設置されていた応接用のイスへと案内した。
「立って話も何なので、どうぞおかけください。お茶も用意いたしますね」
「いえ、そこまでしていただかなくても・・・・・・・!」
陽華が慌てたようにそう言ったが、風音はもういそいそとお茶の準備に取りかかっていた。
「お気になさらないでくださいです。ウチの生徒会長はお客様にお茶を入れるのが好きでありますから」
新品が陽華を含め申し訳なさそうにしている明夜にも、事情を説明した。光司だけは知り合いということもあってか、「変わってないな」と少し苦笑を浮かべていた。
風音に言われるまま陽華、明夜、光司はイスへと腰を下ろした。新品はぼぅと虚空を見つめ3人の後ろに立っていた。
「本当に粗茶ですがどうぞ」
風音が3人の前にそれぞれ温かい緑茶を置いていく。3人はそれぞれの言葉でお礼の言葉を述べる。
「あ、ありがとうございます」
「では失礼して・・・・・」
「ありがとう、連華寺さん」
風音に出されたお茶を飲み、一息つく3人。文字通りホッと息を吐いた。
「ほっ・・・・・・あ、すいません! 自己紹介がまだでした! 私は朝宮陽華って言います! 今日は、わざわざ私たちに会っていただいてありがとうございます!」
「私は月下明夜です。本当に今日はありがとうございます」
そういえばまだ風音に自己紹介をしていないことを思い出した2人は、初対面らしく丁寧な言葉で紹介を終えた。
「朝宮さんに月下さんですね、こちらこそよろしくお願いします」
風音は軽く頭を下げた。陽華と明夜は風音とは初対面だが、この少女はとても礼儀正しい少女だということはよく分かった。
「光司くんからお2人が私に面会をしたいという理由は聞いています。何でも光導姫として強くなりたいからだと」
「「ッ!?」」
陽華と明夜が思わず息を呑む。この場にいるのは、陽華と明夜、光司、風音といった光導姫と守護者だけではない。自分たちの後ろにただずんでいる、新品芝居という一般人の少女もこの場にはまだ存在するのだ。
だと言うのに、風音は光導姫というキーワードを何のためらいも無く言葉に出した。当然ながら、光導姫や守護者といった特別な存在は世間には伏せられている。それをわざわざ自ら露見させるような行為を風音はしたのだ。
だから陽華と明夜は息を呑んだのだ。部外者がいるのにその言葉を言ってもいいのかと。
そんな2人の様子を光司は察したのだろう。風音の言葉に動揺している陽華と明夜に顔を向けて、2人にある事実を伝えた。
「大丈夫だよ、2人とも。新品さんもちゃんと光導姫だから」




