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「羊と鋼の森」 宮下奈都

2016年本屋大賞受賞作。

物語は調律師という職業についた主人公の話。

お仕事小説としても楽しめますが、これはヒーリング小説のようでもあります。

女性の作家さんらしい、優しく繊細な文章で、なんとなくほっとさせられます。

タイトルでもあるように、ピアノを森に置き換えるような表現が多々あり、深い森のなかにいるような気持ちになりました。

新人だった主人公が迷いながら成長していく姿を描いてますが、この主人公がまた、すれてないというか、透明な感じで、ピアノの世界の美しさを壊すことなく、幻想的な存在として感じられました。

双子との出会いも良かったんですが、ひきこもりのような青年がピアノを調律したあとに笑顔になるところが一番印象深かったです。

淡々としてますが、読み終えたあとは清々しい気持ちになる小説でした。

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