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第68話 みんなには内緒

 朝、雨の音で目が覚めた。ああ、今日は雨かあ。昨日はあんなに綺麗な夕焼けだったのになあ。

 時計を見たら7時。藤堂君はもう起きているんだろうか。すると、

「ピピ…。ピピ…」

という時計のアラームの音が隣から聞こえてきて、数回アラームが鳴ると、アラームの音は消えた。


 あ、藤堂君、起きた?

 コンコン。壁をノックしてみた。

 コンコン…。返事が返ってきた。


「おはよう、藤堂君」

 壁に向かってそう言うと、

「おはよう」

という藤堂君のちょっと低い声が聞こえてきた。

 ああ、朝から、それも目覚めたその瞬間から、藤堂君の声を聞けちゃったよ!


 一昨日は思い切り沈んでいたっていうのに、今朝は超浮かれている。本当に私って、藤堂君で一喜一憂しているなあ。


 守君はいつも朝練があるらしいが、雨だと朝練は中止になるらしく、今朝はまだ部屋で寝ているようだ。

 私は着替えをして下におり、顔を洗い食卓に着いた。藤堂君も一緒に食卓に着き、一緒に朝ごはんを食べだした。

 

 そしてお母さんからお弁当を受け取り、2人で行ってきますと家を出た。いってらっしゃいとお母さんは玄関で、今日も元気に見送ってくれた。


「お母さん、毎日元気だね」

 門を出てから私たちは傘をさした。そして、小道を歩きながら私は藤堂君に話しかけた。

「ああ、あの人なら、いっつも能天気なんだよ」

 能天気?そうなんだ。そういえば、本当にいつも明るいもんなあ。


「今日お父さんたち、長野に行くんだよね。雨なのに大変だね」

「うん…」

 思い出して私は、一気に気持ちが沈んでしまった。

「見送りに来ないでいいって言われちゃったの」


「…結城さん」

「え?」

 藤堂君は私を優しく見ている。

「寂しかったらいつでも言って。俺がそばにいるから」


 ドキン。

「楽しい話をして盛り上げたり、面白いことをしてみせたりって、そんなことはできないけど、そばにだったらいられるから」

「う、うん。ありがとう」

 藤堂君の隣で、藤堂君の優しさを感じた。すると、胸が満たされて一気に幸せになれた。


「藤堂君」

「え?」

「なんで藤堂君はいつもそんなに優しいの?」

「俺が?」

「うん」


「優しくはないよ。ただ、思ったことを言ってるだけで」

「…」

 思ったことをそのまま言ってるっていうことは、藤堂君の言う言葉には嘘はないってことだよね。


「でも…」

 藤堂君はコホンと一回咳払いをしてから、

「結城さんのことを襲いそうになったら、俺がそばにいるのはやばいかもね。そうしたらとっとと、離れてくれてかまわないから」

「え?」


「昨日みたいにさ」

 あ…。そうだった。昨日の夜は、藤堂君がこのままだと押し倒しそうになるって言ってたんだった。

「それでも、私がまだ寂しかったらどうするの?藤堂君」

「え?そ、そうだな」


 藤堂君はしばらく黙りこんで、

「俺の気持ちが落ち着くまでは、メープルに結城さんのそばにいてもらおうかな」

 なんて言って、小声で「まいったな」とつぶやいた。

 私、変な質問をしちゃったのかな。


 いつか…。いつか、寂しくなった時には、藤堂君の腕にギュって抱きしめてもらったりって、そんなことをしてもらえる日が来るんだろうか。 



 学校に着いた。駅で待ち合わせをするわけでもなかったので、私たちはさくさくと学校までの道を歩いてきた。

 今朝は、登校途中に弓道部の人、声かけてこなかったな。あ、そういえば、同じクラスの女子もいなかったし。


 なんて思いながら、藤堂君と教室に入ると、人もまだ数人しかいなかった。そこでようやく気が付いた。ああ、いつもよりもずいぶんと早くに、学校に着いていたんだな。

 藤堂君はいつもこの時間に、家を出ているんだろうか。じゃあ、私のことを何分も駅で待っていたんじゃなかろうか。


「おはよう。今日は早いね」

 麻衣がそう言って、私たちの席に来た。

「おはよう、麻衣」

「ね、どう?一緒に暮らしているのって」

 麻衣は声のトーンを下げて、私たちに聞いてきた。


「それ、あまり学校で言わないでくれるかな」

 藤堂君は麻衣に、真面目な顔をして言った。

「やっぱり、みんなには内緒なの?」

「うん。できれば知られたくない。あれこれ詮索されたり、茶化されたりからかわれるのは、嫌だから」


 藤堂君はそれだけ言うと、席を立って廊下に行ってしまった。廊下のほうを見ると、川野辺君がいて、藤堂君のことを廊下から呼んでいたようだった。


「司っち、怒った?」

 麻衣が気にして私に聞いてきた。

「あれ、多分私のことを気遣ってのことだと思う」

「あ、そうか。司っちなりの配慮なわけね。でも、いっつも言葉が足りないのよねえ。怒ったのかと思って、ちょっとびびっちゃった」

 こういうところが、藤堂君が誤解されちゃうところなのかな。


「おはよう!」

 美枝ぽんも元気に私の席に来た。美枝ぽんはすっかり、元気になってしまった。いまだに沼田君とは話をしていないようだけど、別れてしまったことを引きずっている様子もない。


「どう~~?藤堂君の家は」

 美枝ぽんも聞いてきた。

「美枝ぽん、それ、内緒みたいだよ」

 麻衣が小声で美枝ぽんの腕をつつきながら言った。


「え、そうなの?じゃ、学校ではあまり話さないほうがいいね」

「うん」

 私が戸惑いながらうなづくと、

「昼休みにまた中庭に行って、こっそり聞かせて」

と、美枝ぽんはウィンクをしながらそう言って、自分の席に戻って行った。


 朝のホームルームがあっという間に終わり、1時間目は数学。宿題のプリントを、先生が順番に当てて行き、黒板に答えを書かせられた。私はちょうどわからなかった3問目が当たってしまったが、藤堂君が昨夜教えてくれた通りに答えを書き、先生に褒められた。


 よ、よかった。ほっと溜息をつきながら席に戻り、藤堂君に小声で、

「ありがと…」

と言った。藤堂君も小声で、

「どういたしまして」

とにっこりと微笑ながら言った。


 席に着くとちらりと、岩倉さんの視線を感じた。岩倉さんは私と、そして藤堂君を見ると、また前を向いた。

 なんだかな~~。藤堂君を好きなのはわかるけど、もっと意思表示をしっかり示してほしいよなあ。もし私が藤堂君の立場だったら、ちょっと不気味に感じちゃうかなあ。


 だけど、藤堂君はきっと、自分が岩倉さんに好かれていることも気が付いていないだろう。逆に怖がられていると信じきっているようだし。


 2時間目は理科。理科室へと移動した。藤堂君とは班が違うし、ちょっとがっかりだ。

 出席番号順で座るので、藤堂君は沼田君や麻衣と同じ班だった。


 あれ?なんだか、沼田君と麻衣も藤堂君も、普通に話してるけど?

 それもそうか。沼田君は美枝ぽんと別れて、別の男子生徒とつるむようになったけど、藤堂君や麻衣と喧嘩をしたわけでもないんだしね。


 ただ、沼田君は私とも話をしなくなったよなあ。美枝ぽんともだけど、私のことも避けているみたいで、最近は教室の中でも、近づくこともない。

 

 私は美枝ぽんと同じ班だ。なんとなく班の男子とは話せなくて、いつも美枝ぽんにだけ話しかけている。時々、男子の方から話しかけてくるが、

「うん」

とか、

「そう…」

とか、そんな感じのそっけない返事しかできない。


 美枝ぽんは違う。けっこう、大げさに答えてみたり、相手をつっこんでみたりしている。人見知りをすると言っていたけど、でも、私よりもずっと美枝ぽんのほうが明るいんだよね。


 チラ。私は藤堂君を見た。真剣にビーカーを覗き込み、ノートに何かを書いている藤堂君。やっぱりかっこいいなあって思ってしまう。

 あ。藤堂君を見ている人がもう一人いた。岩倉さんだ。ノートを胸に抱き、じいっと藤堂君を見ている。

 それから岩倉さんは私と目が合い、ぱっと後ろを向いてしまった。


 実験のレポートの提出期限は明後日。ああ、レポートって苦手。また藤堂君に教えてもらう羽目になりそうだ。

「藤堂君」

 理科室からの教室に向かう廊下で私は、藤堂君に話しかけた。


「ん?」

 藤堂君は立ち止まり、優しく聞き返してくれた。

「レポートの書き方、また教えてもらってもいい?」

「いいよ。今日中にやっちゃおうか」

「うん」


 それから並んで歩き出した。藤堂君は、

「雨やんだみたいだね。午後の体育は外でやるのかな」

と窓の外を見ながら言った。

「もうすぐ、球技大会だね、藤堂君」


「うん、結城さんは何に出るの?」

「私はバレーボール。藤堂君は?」

「俺はバスケ」

「藤堂君は運動神経いいから、きっと活躍しちゃうね」


「結城さんだって、運動神経いいじゃん。テニス上手だったし」

「あはは。テニスだけなの。あれはスクールに行っていたから」

「そんなことないよ。テニスがあれだけできるなら、バレーもできるよ」

「そっかな」


「応援するよ?」

「あ、ありがとう。私も藤堂君が試合の時、絶対に応援しに行くね」

「…それは緊張するかも」

「え?どうして?」


「プレッシャーで」

「藤堂君でもプレッシャーなんて感じるの?」

「あんまり…」

「でしょ?平気そうな感じがするもん」


「…でも、結城さんに見られていると思うと、別かな」

「え?」

 藤堂君はボリッて頭を掻くと、

「かっこ悪いところ、見せたくないしね」

と苦笑しながら言った。


 私はその言葉にびっくりしていた。ええ?藤堂君が?そんなこと思うこともあるの?そんなことを気にしちゃうこともあるの?

 ドキドキ。そうなんだ。なんだか私のほうが照れてしまって、顔が熱くなった。藤堂君も照れているようで、下を向いていた。


 時々驚かされる。何でもひょうひょうとやってのけている藤堂君が、弱気なところを見せてくるから。だけど、そんなところを見て私はがっかりするどころか、嬉しくなってしまうのだ。藤堂君でもそんな一面もあるのね!って。

 私ってどれだけ、藤堂君に惚れちゃってるんだろうって、自分でも呆れちゃうくらいだ。


 昼休みはまだ、中庭のベンチは濡れていた。

「今日雨だって忘れてた。お昼どこで食べる?」

 麻衣が言った。

「食堂行こうか」


 3人でお弁当を持って、食堂に向かっていると、弓道部の人たちもぞろぞろと食堂に向かっているのが見えた。

「あ、結城さんだ」

 川野辺君に見つかり、声を掛けられた。


「こ、こんにちは」

「藤堂は?」

「多分、もう食堂だと…」

「最近、別々にお昼食べてるの?でも、一緒に帰ってるんだよね。君ら、まだ付き合ってるんだよねえ?」


「え?うん」

「あいつ、あまり最近結城さんのこと話さないから、うまくいってるのかどうかもわかんなくってさ」

「…えっと。別に、前と変わりないけどな」

「ふうん。じゃ、俺らには遠慮してしゃべんないのかな。なにせ、彼女いないやつのほうが多いからさ」


「川野辺君は?彼女…」

「募集中!いない?誰かいい人」

「え?」

 私は思わず、麻衣と美枝ぽんを見た。だが、2人して視線を外し、

「先行って席取ってるね」

と、食堂に入って行ってしまった。


「あの二人は彼氏いるでしょ?」

 川野辺君が聞いてきた。

「いえ。2人とも今、いないけど」

「え?まじで?じゃ、今度ぜひ、食事でも一緒にできるよう、頼むよ、結城さん」


 川野辺君は私ににじり寄りながらそう言った。

「…ふ、2人に聞いとくね」

「お願いね」

 川野辺君は私の手を取って握りしめそう言うと、にこにこしながら食堂に入って行った。


 食堂の奥には、弓道部のみんながすでに座っていた。

「何やってんだよ。川野辺!藤堂の彼女に手なんて出したら、藤堂に半殺しにされられるぞ」

「うわ。藤堂。違うからな。結城さんに手なんて出してないからな」

 川野辺君のでかい声と、

「…近づいただけでも、半殺し」

という藤堂君のめずらしい冗談が聞こえてきた。


 私は美枝ぽんと麻衣のいるテーブルに座った。

「めずらしいよね、藤堂君があんな冗談言うのって」

 私は能天気にそんなことを2人に言うと、

「違うよ、あれ、まじだよ、まじ。ものすごく真面目な顔して藤堂君、言ってたもの」

と美枝ぽんが声を潜めて言った。


 え…。まじだったの?いや、藤堂君のことだから、真面目な顔して冗談を言ったに違いない。

「藤堂、そんなに睨むなよ」

 川野辺君の声が聞こえてきた。

「お前、なんで結城さんの手握ってたの?」

 藤堂君の低い怖い声も。


「だから、あれは~~」

「勝手にそんなことしてるなよ!」

「ほらほら~~、司っち、相当お怒りみたいだよ」

 麻衣が私に顔を近づけ、ひそひそ声で言ってきた。

 う…。本当だ。本気で怒っているみたいだ。ちょっとびっくりかも。


「藤堂、こえ~~。結城さんもよく耐えているよな」

 後ろからそんな声が聞こえてきた。振り返ると沢村君だ。他にも数人、うちのクラスの男子がそこにいた。

 それにしても、耐えてるって何?耐えてるって。なんでそう思われちゃうかな。


 私たちは周りにクラスの男子もいたので、結局藤堂君の家に住んでいる話をせず、早目にご飯を食べて教室に戻ってきた。

 すると今度は、クラスの女子が、

「今、食堂で聞いちゃった。藤堂君、ちょっと他の男子が結城さんに話しかけただけで、怒ってたでしょ?」

と私に聞いてきた。


「え?」

「怖かったね。結城さんも大変じゃない?藤堂君ってあんなにやきもち妬きなの?独占欲強いの?」

「う、そんなことないけど」

「私だったら嫌だなあ。一緒にいても窮屈そう」

 そう言うと、隣にいた女子に「ね?」とその人は同意を求めた。


 でも、私は違うもの。窮屈さどころか、いつも優しくてあったかいし、やきもちを妬いてくれたのだって、嬉しいもの。

 そんなことを思いながら私は席に着いた。美枝ぽんと麻衣は私の周りに来て、

「みんな勝手なこと言ってるよね。司っちのこともあんまり知らないくせにね」

と私に言ってくれた。


「うん。本当は優しいし、あったかい人なのにな」

「あれ?そうなの?それ、一緒に暮らしてて実感してるの?」

「それはここでは…」

 私は麻衣の口に手を当てて、黙らせた。


「ああ、ごめんごめん。でも、誰も聞いてないって」

 麻衣はそう言って笑った。美枝ぽんも、

「そうそう。みんな思い思いに話してるしね」

と言いながら、ふと私の前の席を見て、

「あ…」

と目を丸くさせた。


 いた。岩倉さんが真ん前に。今の話も、しっかりと聞いていたかもしれない。

「だ、大丈夫だよ。誰にも話したりしないと思うよ」

 美枝ぽんはすご~~く声を潜め、そう言った。麻衣もうんうんとうなづいている。


 そこに藤堂君が戻ってきた。藤堂君は私たちを見て、なんだか気まずそうな顔をしている。

 さっきの食堂のことを気にしてるのか。あ、まさか、川野辺君とのことをまだ、嫉妬しちゃってるんじゃないよね。


 藤堂君はゆっくりと自分の席に向かって歩いてきた。すると、なぜか岩倉さんの席の横で立ち止まり、藤堂君はしゃがみこんで、

「これ、岩倉さんの?」

と落ちてたミニタオルを拾った。


 バッ!岩倉さんは藤堂君の手からタオルをひったくった。

「わ、こえ~~。岩倉」

 それを見ていた男子が、ボソッとそう言った。すると、その周りにいた男子までが、

「藤堂、拾わないほうがいいぞ。拾ったってああやって、睨みつけるだけなんだしさ」

と藤堂君に言ってきた。


「…」

 藤堂君はちょっと困ったって顔をしてから、すぐに自分の席に座った。

「司っち。気にしない」

「そうそう。藤堂君にだけじゃないから、あの反応は」

 麻衣と美枝ぽんがそう言って、藤堂君を慰めた。ああ、一瞬藤堂君が暗い表情を見せたのに、気が付いたんだな。


「うん」

 藤堂君はほんの少し微笑んでうなづいた。

「それより~~。司っちってば、やきもち妬きなんだね、意外にも」

「本当だよね~」

 麻衣と美枝ぽんが藤堂君をいきなりからかった。


「…うっさいよ」

 藤堂君は小声でそう言い、コホンと咳払いをすると、

「あれは、全部、冗談だから」

と2人のことも見ず、そう付け加えた。


「またまた~~。まあ、そういうことにしておいてあげよう」

 麻衣がそう言って、笑いながら自分の席に戻って行った。

「じゃね、穂乃ぴょん。後で更衣室、一緒に行こうね」

 美枝ぽんもそう言うと、その場を離れた。


「……結城さん」

「え?」

「聞こえてた?川野辺との…、その…」

「うん。食堂のでしょ?」

「そっか。聞えちゃったか」

 藤堂君はそう言って、頭をボリって掻いた。


 私はすぐにメモ帳を出して、そこに書き込み、藤堂君の机に置いた。それを読んで藤堂君は赤くなると、私のほうを見た。

「ほんとに?」

「うん」

 私もきっと顔が赤かっただろう。照れながら私はうなづいた。


 藤堂君もメモに何かを書いて、私の机に置いた。見てみると、私の書いた、

『藤堂君がやきもち妬いてくれるの、嬉しかったよ』

という文章の下に、

『そう思っててくれて、ほっとした』

と書かれてあった。


 藤堂君を見た。藤堂君は下を向いていて、耳が赤くなっていた。だけど、すぐにまたポーカーフェイスに戻り、涼しい顔をして次の時間の教科書やノートを机の上に出している。

 さすがだ。


 チラ。岩倉さんが藤堂君を見た。それに藤堂君は気が付いた。そして、ちょっと眉をひそめ、藤堂君は暗い顔をした。

 もしかして、もしかすると藤堂君は、岩倉さんに相当嫌われてると思って、落ち込んでいるんだろうか。


 ひょうひょうとしているように見える藤堂君は、実は繊細なのかもしれない。なんて、私はそんな藤堂君を見ながら思っていた。

 まだまだ、私の知らない藤堂君はいるんだろうなあ。




 




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