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勇者側で召喚されたはずの俺が魔王側にいるんですけど!?  作者: YoneR
第一章

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22/32

中迷宮〖2〗

遅くなってしまいました。しかも短めです。すみません。


模試が・・・。

«我が王~。今日は何するんですか?»

「今日はもう一つの中迷宮に行こうと思っている。それでいいか?」

«はい!もちろんです!»


この前の一件から、フレアにも予定の確認を取ることにしている。



⦅あ、あのっ。⦆


エミュリアが俺の服をくいっと引っ張る。


⦅私は何をしていたらいいですか?⦆

「うーん。特に考えてはなかったんだが・・・。」


俺はエミュリアを見た。

部屋の中なのに、俺があげたローブを着ている。

ただ、エミュリアには少し大きく、体がすっぽりと覆われている。


 買った理由がかわいそうだったからだという、労働目的じゃなかったからな。別に何もしなくていいんだが、それだとエミュリアが困ってしまう。何がいいだろう?


«そういえば、エミュってDランクだったよね。何か魔法使えるの?»


 あっ、確かに。属性は・・・圧縮だったか?


⦅使えます!けど、そんなにいい魔法じゃないですよ。⦆

「どんなのなんだ?」

⦅ええっと、何か壊れてもいいもの、ありますか?⦆


俺は収納の中から適当な鉱石を取り出す。


⦅ありがとうございます。たぶんこの大きさなら・・・。⦆


そう言って、エミュリアは魔力を手に纏わせた。




 へぇ~!!



エミュリアが鉱石に力を込めると、筆箱程度の大きさから小さな砂粒程度の大きさに変化した。


持ってみると、大きさだけでなく、重さまでもが小さくなってている。


⦅どう、ですか?今の私だと、このくらいの圧縮率が、限界です。⦆

「すごい!」


俺はシンプルにそう思ったので、疲れた様子のエミュリアの頭をなでる。


エミュリアは嬉しそうに、気持ちよさそうにしている。


«我が王。そんなにですかぁ?別にそこまで・・・。»


フレアが、少し不満そうにしている。


 ああ。これは、ほとんどの人にとって需要はないだろう。そもそも、魔法属性が火、水、土のようなエレメントでなく能力名になっている時点で魔法使いとしては認められない。だが・・・


「まさにご都合主義ってやつだな。」

«?»

⦅?⦆

「フレア、これ、覚えてるか?」


俺は四角い金属の塊のようなものを取り出す。


«・・・あー!扉を壊したやつ!»

「これの改良ができる。」


フレアは気が付いたようだが、エミュリアは首をかしげている。


俺が取り出したのは爆弾だ。


エミュリアの魔法で圧縮ができたら、大幅に小型化、軽量化ができる。


«なるほどです!»

⦅あの?なんにもわからないのですが?⦆

「そういえばエミュリアには何も話していなかったな。」


昨日は2人の機嫌直しで完全に忘れていたが、俺やフレアについて話しておくべきだろう。今まで聞いて来なかったことが不思議なぐらいだ。



============================



⦅じゃあ!琉斗様は勇者様なのですか!?⦆

「ああ。たぶんな。」

⦅私は勇者様の奴隷・・・。ふふ。⦆


エミュリアは少しうっとりしている。


「それで、これは俺のいた世界でいう爆弾なんだが、エミュリアの魔法でグレネードにしたい。手で投げられるようにな。」

⦅ばく、だん?ぐれねえど?⦆

「ああ、これの中に火薬のようなものが入っていて、魔力をこの青っぽいところに流すとそれで着火される。それで・・・って、実際に見たほうがはやいか。火薬もこの世界にはないし。」

«そんな実験できる場所ありましたっけ?»

「エミュリアも中迷宮に連れて行ったらいいだろう。」

«なるほどです。次のは分岐が多いところなので人が少ないところもあると思います。»

⦅え、迷宮・・・。⦆

「まずはギルドに行って、ミィが一緒に来るか聞いてみよう。ミィがいてくれた方が実験に集中できる。」

«ミィも誘うんですかー。でも、ミィにだったらちゃんと恋人になったって自慢できるからいっか!»


 ・・・。


⦅ちょ、ちょっと待ってください!中迷宮なんて私にはむりです!⦆

エミュリアは迷宮に行くのが不安なようだ。


「大丈夫だって。ちゃんと俺が守るからさ。」

俺はエミュリアが安心できるよう、まっすぐ目を見て言う。


⦅はぅうう・・・。分かりました。絶対にそばにいてくださいね。⦆


エミュリアはなぜか顔を少し赤くしていた。


「ああ。」

«我が王・・・。そのセリフは私に言ってください!恋人はエミュじゃなくて私なんですから!»


 ・・・?何かフレアに文句を言われるようなこと言ったのか、俺?


全然理由がわからなかったが、これで今日の予定が決まった。



俺たちはギルドに向かう。


中に入るとやっぱり多くの人がおり、なぜか視線が一斉に俺のほうへ集まった。


(ん?どうしたんでしょう?)

(んー、ちゃんとエミュリアはフードをかぶっているし、俺は前と同じ黒いほうのローブにしている。フレアも外に出ていないから、特に注目される理由はないはずなんだが・・・。)


すると、入り口付近にいた冒険者らしき男に話しかけられた。


「あんた、ここへ来たのは最近か?」

「ああ、そうだが・・・?」

「それじゃあ、セガワってやつを知ってるか?」


 知っている。というか俺の名字だ。


だが、これでなぜ俺に視線が集まったのかが分かった。


「いや、知らないな。」

そう言うと周りの視線が外れた。


「そうか。いや、一昨日に白城横の中迷宮が史上最速で攻略されたっていうのが分かってな。それもソロだ。いったいどんな奴なのか、みんな気になってんだ。」

「それはすごいな。」


 やっぱり。


(それって我が王のことですよね?)

(ああ、迷宮に入ると何階層まで行ったのか自動的に報告されるからな。だが、名前を知られるとまずい。本名だが、周りに知られていない名字で登録しておいた。この世界には名字の文化はない。)


「呼び止めて悪かった。」

「いや、問題ない。」


 さてと、ミィは・・・あそこか。


ミィは部屋の隅っこで、独りで何かを食べていた。

少し遅い朝ごはんか、早めの昼ご飯だろう。


「よっ。今ちょっといいか?」

俺はミィのもとまで行って話しかけた。


ミィは口の中のものを急いで飲み込んだ。


「琉斗さん!結構な話題になってるよー!周りから聞こえてくる話そればっかり!」

「ははは。」


俺はミィの隣の席に座る。


「結局パーティーを抜けたのか?」

「うん。昨日抜けた。ギアスとシリカは結構驚いてたなぁー。止められたけど、もう決めてたから振り切ってきた。」

「そうか。」

「それで?何か私に用が?そういえばそっちの子は?」

「ああ、これから中迷宮に行こうと思ってる。それに一緒に来るかと思って誘いに来た。この子の説明は人のいないところがいい。」

「訳ありって感じ?」

「そんなところだ。」

「おっけー!今日は何にも予定なかったし、誘ってくれてありがと。でもちょっと待ってね。まだご飯食べ終わってないから。」

「別に急がなくていい。俺もエミュリアも昼ご飯食べてないからな。ここで食べていこう。」

「私、朝ごはんなんだけど・・・。」


 そうだったのか・・・。


「エミュリアどれがいい?」

「無視した・・・。」

(我が王ってめんどくさくなるとすぐ無視しますねー。)


 ・・・。



俺は、ご飯を食べ終わったら、ミィが準備するのを待って、中迷宮に向かった。



============================



〖???視点〗


 やばい。たぶんこの中迷宮で経験値が基準に達する。どうしよう・・・。


私は部屋の中で、布団を頭からかぶる。


頭の中には、2つ目の中迷宮に向かっている3、4人が映し出されている。


 分かってる。たぶん味方には優しい。仕えたら扱いはいいはず。けど・・・。



「やっぱり、怖い。なんで男なの・・・。」



次回更新は11/2(日)予定です。明日です。


まだ0字なので時間は遅いかもしれません。

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