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勇者側で召喚されたはずの俺が魔王側にいるんですけど!?  作者: YoneR
第一章

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12/32

ダンジョンマスター

すみません。今回は短いです。

あと、更新速度が少し遅くなるか、エピソードが短くなるかもです。

テストがもうすぐなので・・・

「たいっへん!申し訳ありませんでした!!!」


俺たちに向けて、頭から青色の角の生えた少年が土下座をしている。


 ええっと・・・?


「ここは中ダンジョンです。碧炎の龍なんて魔物は禁じられています。それを僕のミスで召喚してしまい、あなた様を危険にさらしてしまいました。本当に申し訳ありません!」


「いや、別に大丈夫だったから気にしていないぞ。」

«そうだよ!そんな自分を責めなくてもいいんじゃない?»


「いえ、そんな・・・って、え?」


少年は驚いたように顔を上げた。


«やっほ!久しぶりだね。リム!»

「フレア様?」


 どうやら知り合いのようだな。フレアのほうが立場が上のようだ。


«そっ!私がいたから全然問題ないよ!»

「えええぇっ!なんでいるんですか!?」



============================



「なるほど。そういうことでしたか。ではこの御方が・・・」

«我が王です!»

「俺はほとんど説明されてないけどな。」

「ええっと?」


俺は今どういう状態なのかを説明した。


「へぇー!そんなことがあるんですね。」

«不思議でしょー。»

「なあ、お前たちってどういう関係なんだ?」


 フレアの存在もよくわからないが、ダンジョンマスターとの関係もよくわからない。


「そうですね。今僕からお話しできることは、僕たちダンジョンマスターや迷宮主はフレア様たちに恩を受けたっていうことですかね。なので、できる限りの手助けをさせていただきます。」

«ありがとっ!リム。»


 とりあえず、俺にとっての味方であるということは確定で良さそうだな。


「あの壁の鉱石はもらっていいか?」

「はい!もちろんです。とりあえず35階層の鉱石を碧炎の龍のお詫びとして僕が責任をもってお届けしましょう。何かそれ以外に何か欲しいものはありませんか?」

「じゃあ、何かアクセサリーはないか?」

«私が入っておくためのやつ!»

「あれ?そのままではないんですか?」

「察してくれ。この状態のフレアが俺の周りを飛び回っていると・・・な。」

「あ・・・確かに。」

«ちょっと!どういうことですか!?これもすべて我が王の経験値不足のせいなんですからね!»


フレアがプンプンと怒っている。


「あはは、では、宝物庫にご案内しましょう。」



============================



「ここでーす!」

«「おおー!」»


俺たちが案内されたのはまあまあな広さの部屋だ。

俺たちの前には山積みになった様々な財宝がある。


「どれでも持って行っていいですよ。」

«わーい!»


フレアがかなり興奮して、財宝の周りを飛び回っている。


 ちょうどお金には困っていたからな。何かお金になるものをもらっておこう。


«我が王!すごいですよ!どうせなら全部もらっちゃいましょう!!»

「えええ!それは困ります!!」

«えー。リムのけち!»

「それはさすがに横暴じゃないか?」


 ええっと?まずはフレアが入るアクセサリーから選ぶか。


「フレア、どんなアクセサリーでもいいのか?」

«ええと、効果がないただのアクセサリーじゃないとだめです。»

「そうか。」


 なら、単純にフレアの好みに任せるべきだろう。


「じゃあ、フレア用のアクセサリーは任せるぞ。俺は自分の分を選ぶ。」

«我が王、私の分も選んでください!»

「自分で選びたくないのか?」

«お任せします。»

「分かった。あんまり期待するなよ?」


============================


俺はフレア用の赤い宝石のついたイヤリングと、もう片方の耳につける青いイヤリングをもらった。

青いイヤリングは速度上昇(上の5)の効果がある。普通に買うと、白金貨20枚以上するらしい。


あと、いくらかお金ももらった。魔王からもらった額よりもかなり多い。


それに、後日フレアの陰炎によって露出した鉱石も届けてくれるそうだ。


「ありがとう。助かった。」

「いえいえ。それでは。」

«またね!ばいばい!»


俺たちはリムと別れて、35階層に戻った。


「結構もらったな。それだけフレアたちへの恩が大きいってことか。」

«ええ、詳しくはいえないですけど、かなり助けてあげましたからね!»

「それで、この中にフレアは入るんだったか?」

«はい!»


フレアが赤い宝石の中に吸い込まれるように入っていった。


(ふふん。どうですか。これならずっとそばにいてもいいですよね!)

(ああ、問題ない。これは念話か?)


 異世界ものではあるあるの一つだが、この世界では念話の魔道具とかはなかったはず・・・


(そうです。よくご存じでしたね。)

(まあ、俺のもとの世界では異世界ものがたくさんあったからな。ちなみにこの状態で普通に話すことは?)

«できますよ。»


赤い宝石から声が聞こえる。


「それじゃ、周りに人がいたら念話で、いなかったら普通に話そうか。」

«わかりました!»



============================



俺たちは中ダンジョンの入り口に戻ってきた。


(この後どうします?っていうか今どういう状態ですか?)

(今は魔王から経験値を得て、家臣を得るように指示されている。そうだ、なんで俺は魔王側にいるんだ?レートカードでは勇者となっていたのは?)

(えっ!魔王国にいるんですか!?そういえばそうです!リムは魔王国のダンジョンにいるはずでした。)


 フレアもなんで俺が魔王側にいるのか知らないみたいだな。


(うーん。いろいろ謎だらけですね。ちなみにレートカードを見せてもらっても?)

(これだ。)

(・・・このレートカードでは詳しいことはわかりませんね。もっと性能の高いものじゃないと。)

(これの性能が高いものがあるのか?)

(はい。ただ、まあなかなかに希少なので、手に入れるのは難しいと思います。ええっと今の感じから推測するに、魔人と勘違いされている状態ってことですか?)

(ああ。)

(ま、いったんはそのままがいいかもですね。とりあえずばれないように経験値稼ぎをしていきましょうか。)

(そうだな。まだ昼頃だし、中迷宮に行ってみるか。)

(はい!それがいいと思います。)


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