表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/136

羊じゃなくて執事

 ぶくぶくぶく~と湯に沈む。

 何か最近、疲れている。仕事はそんなに立て込んでいないんだけど。

 今日は雨降り。急に冷えて、妻が寒い寒いと言って五本指ソックスを出していた。

 読めない天気模様である。私はのんびり湯に浸かって、出所の解らない疲れを洗い流した。頭が重いんだよね。何なんだろ、これ。

 夕食より先に風呂を済ませてリビングに行くと、芽依子が来ていた。試験から解放されて時間と暇があるらしい。学生さんは良いね。


「羊になりたくはありません」

「羊じゃなくて執事だってば」


 沖田君と何やら問答している。芽依子の手には――――。

 事態を呑み込んだ私は、思わず溜息を吐いた。

 芽依子の手には執事服一式が抱えられていたのである。どこから調達してきた。

 女装で味をしめたのだろう。妻もまた、芽依子ほどではないものの、期待の表情で沖田君を見つめている。

 女性のこういうところって、解らない。

 コスプレってそんなに良いもんなんだろうか。


 やいやい言い合っていた二人だが、ついに沖田君が折れた。

 何だか可哀そうだ。

 そして私は再び、彼を着替えさせる係りを仰せつかった。


 着替え終えた沖田君。


 ……何かこういうアニメがなかったっけ。

 濃い紫のネクタイ、銀色にアメジストっぽい石が光るネクタイピン。ベストに、極細のストライプが入った上着。

 そこに沖田君の眩しい顔立ちが乗っかれば、女性陣には破壊力抜群だろう。


「きゃあああああ」

「いやあああああ」


 あれ、デジャブ……。

 妻と芽依子、執事と化した沖田君の撮影に夢中である。


「……ねえ、晩ご飯は?」

「ちょっと待って! 今が天下分け目、関ケ原なのっ」


 意味が解らないよ。

 


ご感想等、頂けましたら励みとなります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ