表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/136

沖田君、女装をする

 私は事態の把握に努めようとした。頑張った。

 目の前には大柄な女性物の衣服。


「お義姉さんからお借りしたのよ」

「何で?」

「だから、沖田さんに着てもらおうと思って」

「どうして?」

「きっと似合うからよ」

「どうして?」

「イケメンは女装する運命にあるのよ」


 知らなかった。

 今日は休日。芽依子までやって来て、化粧ポーチを開けている。

 哀れ、女性たちの好奇心の犠牲となる沖田君一人が目を点にしていた。

 身体を締めつけない白いロングワンピース。


「叔父さん、おっきーを着替えさせてよ!」

「これ、頭からだぼっと着せれば良いのか」

「そうそう。んで、背中のファスナー上げて」


 すごく気が重いが、女性陣の迫力に抗し切れず、私は沖田君とワンピースと共に寝室に行った。沖田君、まだ目が点だ。可哀そうに。

 そうして着替えた沖田君。男性にしては小柄なこともあり、ワンピースは何とかサイズの適用範囲だった。

 それから妻と芽依子によるメイクが始まる。可哀そうに。


「きゃあああああ」

「いやあああああ」


 別に暴漢が押し入った訳ではない。

 女装を終えた沖田君を見た妻と芽依子の歓喜の叫びである。連続して響くデジカメとスマホの撮影音。

 そこにはどこか儚げな風情の美女と見紛う沖田君。

 睫毛も長いのでマスカラ効果抜群だ。ああ、泣く子も黙る新撰組一番隊隊長が。着せ替え人形と化した沖田君に、私はひたすら心中で詫びた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ