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京都

 東京から京都まで新幹線でおよそ二時間半。

 土日と繋がる休暇をもぎとった私は、妻と二人で京都に来た。

 幸い天候には恵まれた。急ぐ旅でもなし、私と妻は市バスと徒歩でのんびり移動した。

 観光客で賑わっている。毎度のことだが外国人でもアジア系の旅行者が多いように思うのは、昨今の風潮だろう。

 私と妻が向かった先は四条通。

 老舗デパートや小粋な店舗が軒を連ねる界隈で、妻は目を輝かせていた。


 女性は京都での買い物が好きらしい。


 和装小物で有名な『かづら清老舗』で、櫛をねだられた。

 漆に千鳥が螺鈿細工で象られている。

 多少、値が張るがまあたまの機会だしと買ってやると、非常に喜んだ。


 喧噪。

 ざわめき。


 嘗て血の嵐が巻き起こっていたこの土地に、沖田君がいたかと思うと感慨深い。


 彼は今頃どうしているだろうかと思うと同時に、ちり、と胸が痛んだ。

 なぜだろう。


 京都を懐かしいと思う私と、忌まわしいと思う私とがいる。

 以前に来た時はこんなことはなかった。

 首筋が痛い。

 鋭利な刃物を当てられたように。




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