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旅行計画

 沖田君には余り火を見せないようにしたが良いと、私は妻に言った。思えばインスタントラーメンの時も思い出すところがあったのかもしれない。それは妻が何気なく振るう包丁にもそうだったのかもしれない。

 人の地雷は何か解らない。


 沖田君は大抵、朗らかで些細なことを気にしない風であるが、時に遠い顔をすることがある。それはきっと彼が、過去や抱えるものに囚われている時なのだ。


 一見、のほほんとした私たち夫婦にも蓋を閉じて、仕舞っていることがあるように。

 夕飯は豆腐ハンバーグと葱と薄揚げの味噌汁、烏賊の刺身、豚と野菜の蒸し煮だった。

 私は迷った末、純米吟醸を開けた。

 沖田君にも盃を渡すと嬉しそうな顔をした。酒が好きというより、人と飲むのが好きなのだなと私にも解ってきた。浴びる程に飲んだりしない。いつもほろ酔い加減でうちを出るのが常だ。

 うん。豆腐ハンバーグ美味しい。


 最近、沖田君研究で口にする間食による、体重の増加を気にする私には嬉しいメインだ。

 妻が差し出してくれるのがまた嬉しい甘味だったりするから、ついつい平らげてしまう。


「そうだわ、貴方。今度、貴方の都合がよろしい時に京都に行きません?」

「また急だな」

「前から考えてたの。ね、沖田さんも一緒に」


 沖田君は少し驚いたように目を丸くしていたが、首を横に振った。


「お二人だけで行かれてください」


 京都は、確かに沖田君にとって良い思い出ばかりの土地ではないだろう。


「ご亭主も、行かれるんですね」

「そうなるね」

「……お気をつけて」


 そう言いながら沖田君の口振りには、憂う気配があった。

 彼は探るように見る私を誤魔化すように、これ美味しいですねと言って豆腐ハンバーグをぱくついた。




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