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麻疹

 私は沖田君を息子のように感じ始めている自分に気付く。そしてそのことに危うさを感じる。なぜなら彼は幽霊。いつ、消えても不思議ではない存在なのだから。いや、沖田君のことを思うなら、成仏したほうが彼の為だろう。


 それを引き留めたいと思うのは危険なことだ。

 

 なぜ、弟ではなく息子なのだろう。


 書斎で、そこまで思い至った時点で、私は自分の思考に首を傾げる。

 はて、弟?

 どこからその発想が出てきたのだろう。

 少なくともあの子は弟ではなかったし。


 そう思いながら沖田君に関する書物に目を通す。

 彼は出稽古先で麻疹(はしか)に罹ったことがあったらしい。

 沖田君と言えば労咳、所謂、結核が有名だが、それだけではなかったようだ。

 そして麻疹と言えば今でこそ大したことない病気と思われがちだが、当時は大人でも命を落とす危険性があった。

 『小島日記』に沖田君についてこんな記述がある。


 この人、剣術は晩年必ず名人に至るべき人也、故に我ら深く心配いたす。


 幸いにして沖田君はこの後、快復するのだが、彼を心配する人がこのようにしてあったかと思うと、私の胸は仄かに温かくなるのだ。

 孤高の剣士と言えば聞こえは良いが、やはり人が独りは寂しい。


 そして妻よ。

 差し入れにショートケーキと梅酒はどうなんだろう。

 美味しいが、若干、増えつつある自分の体重を私は危惧した。



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