表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/136

介添え

挿絵(By みてみん)

 翌日は快晴だった。

 つまり死ぬ程、暑かった。絶対にこれは日焼けしているな思いつつ、家路に就く。和菓子屋さんで葛餅を土産に買った。きっと沖田君たちに馴染みがあるだろう。帰宅時間なのにまだ明るい。夏至っていつだったっけ。


 ……さんなんさん


 ん?


 さんなんさん


 あれ? 何か聴こえる。幻聴か?

 一歩、踏み出すと私は緑と青と白の空間にいた。


 真珠色の膜に包まれて沖田君が眠っている。……本物の沖田君。

 呼んだのは君かい?

 沖田君の唇が微かに動く。さんなんさん、と。


「…………」


 私は鞄と葛餅の入った袋を取り落とした。胸が締め付けられるように痛む。

 沖田君が私を呼んでいる。助けを求めているのだろうか。

 この真珠色の膜を破れば、彼は目覚めるのだろうか。

 しかし、そうすると今いる沖田君はどうなる?


「俺が介添えする」


 ぎょっとして後ろを見ると、鷹雪君が立っていた。制服姿だ。目新しいものを見た気分だが、それはそれとして。


「介添えって?」

「あの、沖田総司を、穏便に輪廻に戻す」

「可能なのかい。彼も、沖田君ではあるんだな?」

「――――そもそも、どうして沖田の影が生まれたのか、あんたは解るか」

「いいや」

「土方あたりにでも訊いてみると良い」


 踵を返そうとした鷹雪君のシャツの裾を、私ははっしと掴んだ。


「――――何だ」

「戻り方が解らない……」


 すごく莫迦にした顔をされた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ