表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/136

フルーツサンド

挿絵(By みてみん)

 すっかり夏である。

 ビールの美味しい季節。まあ、ビールはどの季節でも美味しいが、やはり夏は格別である。じりじりと焦がされるような暑気の中、家に辿り着いた私は、まず風呂に入った。上がって縁側に行くと、今日は沖田君と斎藤君の二人がいた。妻が苺、桜桃、キウイに生クリームが入ったフルーツサンドと牛乳を出してくれる。思わぬ甘味に私の咽喉が鳴る。今日は奮発したんだね。沖田君と斎藤君も物珍しげに、しかし美味しそうに食べている。良いことだ。美味しい物を美味しく食べられるのは人間が生きる基本である。死んでるけど。


 そろそろ蚊の出てくる季節なので、豚の蚊遣りに蚊取り線香を焚いている。沖田君たちはその匂いが少し苦手らしい。そんなものだろうか。

 斎藤君は維新後、名前を藤田五郎と改める。永倉新八は杉村義衛。維新前に剣客として名を馳せた彼らは、維新後、隠れ住むようにひっそり生きねばならなかった。鬱屈や憤懣もあっただろう。だが、今、目の前にいる斎藤君からはそんなものは微塵も感じられない。美味そうにフルーツサンドにかぶりついている。言い知れぬ苦労をしたであろう彼の、そんな姿を見ると心和むものがある。良かった。美味しい物は人を良い方向に導く力があると私は信じている。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ