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ヘッダー
一動作。一言。
取るに足らないような些細な言動。
それだけで変わってしまう歴史の恐ろしさを私は学んだ。結果として、私は紗々女と我が子と過ごす時間を持てた訳だから、悪い話ではない。そこはかとなく感じる、妻への罪悪感。
そうした感傷をぶち壊してくれるのが、芽依子という存在だった。
日曜日。
「ちょっと、三人、並んで。肩組んで」
これは沖田君と土方君、斎藤君に向けた言葉。
おいおい。
「何を始める気だ」
「三人の写真をツイッターのヘッダーに使おうと思って」
「……肩を組む必要、ある?」
「何言ってんの、おじさん! あるに決まってるじゃん! こういうのが好きな子って結構、多いんだから」
それってあれだよね。所謂、腐のつく女子たちのことだよね。と言うか、顔出し平気なんだろうか。沖田君や斎藤君はともかく、土方君は写真も後世に残っているのに。
沖田君を真ん中に、ぎこちなく肩を組む三人。
まあ、良いよね。
こんな時間があっても。
刻々と変化する日常。この一場面もまた、先の未来に何かの影響を与えているのかもしれないのだから。
芽依子が更に猫耳を沖田君に着けようとしたので、流石にそれは止めた。





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