「118話」
「ガハぁッ!?」
血反吐がでた。
目の前の光景が衝撃的すぎて内臓にダメージが入ったらしい。
せめて、せめて腰みのぐらい着けてくれていれば…………いや、まて。
よく見ると何人かは下着を……それ剥ぎ取ったやつやんけ!!
「かひゅぅ」
「ウッド!?」
肺にもダメージが……。
ゴリさん、俺はもうここまでらしい。
「うけるー、みんなまっ裸だし」
「これは……すごいですね」
なんでそこの二人は楽しそうなんですかねえ?
きみらも全裸になってしまえっ。
「この状態で街の人を……? 完璧アウトじゃねえか」
ええ、アウトですとも!
触手で襲うだけでもあれだって言うのに全裸とかっ!
もう逃げ出したい。
森の奥でタマさんとハナ連れてひっそり暮らしたい。
リタさん誘って皆で平和にうふふふふふって過ごすんだ。
……現実逃避はここまでにしようか。
とりあえずこいつらを何とかしないと……って動き出した!?
まさかこいつら逃げる気じゃ!? それ、まずい!
「か……確保! 確保ぉぉおおお!!?」
これ以上被害を広げてたまるかー!
俺の風評被害が広まっちゃうじゃないか!
「おうよ」
俺が叫ぶと同時にゴリさん達も動いてくれた。
確保はゴリさん達に任せて俺は根っこで壁を作って逃げられないようにしないと。
……ん?
あ、あれ……こいつら逃げるどころかこっちに……まさか!
「ちょ、ズボン引っ張るなしー」
「ふ、服を!?……あら? 思っていたより力が弱いですね」
「こいつらまじで見境ないな……気絶させていいか?」
「……」
やめろぉぉおぉっ!!?
いや、マリーさんのは別に良いけど!
やめてっゴリさんの下ろそうとしないで!
ベルトラムさん無言で触手千切るのやめてっ。
ああ、もぉぉおおお……!
ちょっと時間掛かったけど無事全部捕まえることが出来ました。
今は気絶させて蔦でグルグル巻きにしてあります……。
「ウッド……大丈夫か?」
「大丈夫じゃないでーす……街でキャーキャー言われた理由が分かりましたよ。 もうお婿にいけないっ!」
大丈夫じゃねえのですよ。
街の人にまっ裸見られまくった訳ですし。ハハハ。
これが変態だったら逆に喜ぶのかも知れないけど、あいにく俺はそこまで上級者じゃねーのです。
「ウッドくん元気だしなよー。 ほら、その結構良い体してたよ?」
「ええ、立派?でしたよ」
「お前ら傷口に塩塗るのは止めようぜ……」
慰めになってなーいー!
塩っていうか唐辛子か何かすり込まれてる感じです。
もう無理ぃ、タマさん慰めてー……って振り返ったら居ないし。何をしているのかと思って当たりを見渡せば、ふん縛った連中の側に居るではないですか。
ってふん縛った連中をじーっと見てるけど……食べちゃダメですよ?
「こいつらどうするニャー」
あー…………どうしようね?
ふん縛ったのは良いけど、その後のこと考えてなかった。
このまま野放しには出来ないのは確かだけど、かと言って……ねえ?
「む……殺す……のはさすがになあ?」
だよねー?
姿形は俺と同じ訳だし、さすがに殺すのは躊躇するわけですよ。
「埋めちゃうー?」
……お、おう?
「また増えそうですね」
「止めさして燃やすか……?」
あれー、おかしいなあ? あまり躊躇してないデスネー。
ゴリさんだけやで躊躇してるの。
おかしいな、なんかゴリさんが天使に見えてきたんですけど。
「元はウッドなんだからくっついたりしないのかニャ?」
「えぇ……そ、それはちょっと……いや、でも殺すよりは……?」
タマさんくっついたりってそりゃー……出来るだろうけどさ。
たぶん木を自分の体みたいに動かすやつ、あれの要領でいけると思う。
なんかそんな気がするのだ。
ただね。
前に木を動かしたときにさ、自分の中に何かがいて、それと混ざり合うような感覚っていうの? 違和感すごくて途中で止めちゃったんだよね。
木は生き物だからじゃないかー?みたいなお話しだったと思うけど、木でああなるってことはだ……こいつらに同じ事をしたらどうなってしまうんだろうね。
「んー…………試しにやってみます」
とりあえずタマさんの案に乗ることにしました。
一瞬だけ、一瞬だけなら大丈夫かなーってね。
少しでも変な感じしたら即中止するけど。
んじゃ手を伸ばしてタッチしてっと……うし。
「いきます!」
触れた先も自分の体だと思い、自分の体と一体化させる……考えた直後に変化は起きた。
指で触れた部分からドッペルの体がドロドロと液状化していく。
それはやがて全身へと広がり、徐々に俺の体へと吸収されていく…………無茶苦茶グロいな!!
やばい、元が人の見た目だけあって、これはかなりくるもんがある。
ただ見た目はグロいけど……。
「うへぇ…………今のところ違和感は無し」
木でやった時に感じた違和感はなかった。
……たぶん、これは俺の腕から生まれた……ようは分体だからだろう。
自分自身だからこそ取り込んでも違和感が無いのだ。
「なくなっちゃったねー」
と言った感じで一体を無事取り込むことに成功したのですが。
「……ん? これ、こいつらの記憶?」
全部取り込んだら急に脳内に見たことのない風景が鮮明に浮かんできたのである。
土からはいでて、その辺を歩き回り……見かけた街の人に触手を伸ばす光景。
こいつらの記憶だ。
「どうした?」
「あ、いや……こいつらの記憶が見られるみたいで……えっと、マリーさんのは黒でゴヒュッ」
マリーさんの手が喉にどしゅってはいった。
こいつマリーさんに襲いかかった個体だったみたいですね。
ばっちり見えてましたよ! 何をとは言わんがなあっ!
「ほう」
「なっ! な、なな何を言ってるのです!?」
そんな動揺していたら自分で言っちゃってるようなものではないでしょうか。
いやあ、しかし黒ですか。
イメージとはちょっと違うけど……ふふ、俺の分体良い仕事するじゃない。
「良いじゃん、別にそれぐらいー。 うちらウッドくんに迷惑掛けちゃった訳だしー?」
「う……そ、それは……失礼しましたウッドさん」
「いえいえ。 それじゃ残りも様子見ながらやっちゃいますね」
顔を赤くしながら頭を下げるマリーさんに手を振って応える。
この記憶絶対消さないでおこう。
何かね吸収してから分かったんだけど、こいつらの記憶って何て言うのかな? メモリーカードにあるデータみたいな感じで、自由にアクセス出来るし消したりも出来るっぽいんだよね。
最初だけは自動再生っぽいけど。
映像も鮮明だしズームも出来ちゃう、なかなか良いものです。
俺自身の記憶もこれぐらいはっきりしてれば良いのにね?
ま、それは置いといて。
次だ次。二体目いくぞー!
「ほう、これはこれは…………ぐふふ」
当然ながら街の人々の記憶も残っている訳でしてね……?
いやあ、こいつら野放しにする訳には行かないし!しょうがないよね!!
なんてちょっと浮かれ過ぎていたかも知れない。
「…………うう゛ぉあ!?」
「ウッド!? どーした??」
「……お、おっさんの下着を剥ぐ光景が」
「ああ……それはきついな」
不意打ちでおっさんの触手プレイと下着剥ぎ映像が脳内で鮮明に再生されました。
てか、あれだ。
最初の一体はそんなことなかったのに、二体目はおっさんの映像が多いぞ!
はっ……そうか、街の外だもん中より危ないよね。
つまり自然と女性より力のある男性が行くことになるわけで……。
え、これ残り全部? まじで?
まだ8体残ってるんですけど???
執筆時間が……:(;゛゜'ω゜'):




