2018年 夏
五月も後半。
そろそろほうれん草の収穫時だと引っこ抜くことにした。
しかし、ほうれん草、巷で買う奴と違って随分小型だなぁ。
なぜだ!?
この前食べたメロンの種もついでに埋めてみた。
懲りずにまたメロン栽培である。せめて一つでも出来るといいな。
豆は四角豆が全滅。黒豆と枝豆はそこはかとなく育ち始めた。
父が埋めた豆苗が無駄に元気だ。穂先というかなんというか、丁度成長期の場所にアブラムシが大量にくっつき生活し始めた。
数百にも及ぶ彼らを見付けた時は恐怖すら覚えた。一体どこからやって来ているというのか。
エルダーフラワーが無駄に元気だ。
去年は一つ、今年は四つの花が咲きだした。
やはり鉢植えを一回り大きくしたのが良かったのだろうか?
勿忘草が大量に生えていた場所を草抜き。全滅させると黄色イチゴの残骸が顔を出す。
これは既に手おくれか? それともまだ大丈夫?
七月。気が付けば約一カ月位庭を見ていなかった。
前に見たのは五月だったか、六月だったか、既に定かではない。
その時は庭が見える窓を一瞬覗いた時、丁度右から飛翔して来た鳥がブルーベリーの木にばさばさばさっと飛び込んで荒らして行くのを見た時だった。
二羽目もやって来て庭に降り立つとちょんちょんちょんっと飛び跳ねながらぱくり。何か食べてました。
や、やめろーっ!? 叫んだのは良い思い出? です。
父がその話を聞いて慌ててブルーベリーの木にネットを掛けていたのを窓から見てました。
そんな時から約一月、この前降った大雨でどうなったかと久々に出てみれば、朝顔の群れが群生していた。
そして、黄色イチゴは移動されたプランターに押しつぶされ消えていた……
六月から八月にかけては台風シーズン。
随分と風が吹き、雨が振り、温暖化による異常気象。その後は手早い秋かと思えるほどの涼しさ。
もはやメロンが成長する下地はなくなった、今更現れてもだめだろう。
ドラゴンフルーツも育てるつもりだったが今年は少しも育たない。
サンカヨウも既に音沙汰ないし、二代目も咲くことはなかったようだ。
上手く咲いたのは鷹の爪くらいではなかろうか?
後は青紫蘇と朝顔?
残念ながら今年は二つとも育ててない。
庭に落ちていた種が勝手に発芽し増えているだけだ。
育てる気はないが青紫蘇は美味しいので親がせっせと回収して肉巻きにしている。
八月の連休、久々に庭に出た。
そして知る。
エルダーフラワーに絡みつく朝顔。
無造作に生える青紫蘇。
ナスに絡みつく朝顔。
枝豆を締め上げ我が物顔で緑のカーテンを席巻している朝顔。
長いもの蔦と絡まり合いもはやどっちの蔦か分からないことになっている朝顔。
庭は朝顔に占拠されていた……
ところでふと思ったんだが、黒豆、どこ行った?
我が物顔で育つ朝顔を引っこ抜く。
巻きついた蔦を取り、引っこ抜き引っこ抜く。とにかくひたすら引っこ抜く。
これは朝顔、これは朝顔。これも朝顔……じゃない、これ長芋の蔓。間違って引っこ抜いちゃった。てへぺろっ。
とにかく朝顔を駆逐する勢いで引っこ抜いていた時だった。
祖母は言った。緑のカーテンなってるからおいとき。
イエスッサー!
結果、枝豆周辺が朝顔に占拠されたままとなる。
枝豆? 発育不良ですがなにか?
……ちくしょう、やるせない。力ないおいらを許しておくれ。




