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2017年・冬

 秋も深まり台風の季節。

 レモーネメロンをベランダから室内へと持って入りエアコン付きの場所でぬくぬく温室育ちに移行。

 ……あれ? オカシイナ、葉っぱが全て萎れちゃったよ♪

 小ぶりに出来たメロンはどう見ても育成途中。このままデカいメロンには成りそうにもありません。


 茎部分もかなり萎れて……ねぇ、これ萎れるというよりミイラ化してません?

 あれ? おかしいな、これ、なんかもう、ムリな気が……


 庭のミニトマトはパッションフルーツに巻き付かれ倒れていた。

 パッションフルーツの鉢も倒れていた。

 鉢のそこから大量に出ていた根っこがちぎれ、地面に根を降ろしている。

 ……えーっと、が、がんばれ!


 とりあえずエールを送り鉢を元に戻す。あとは放置することにした。


 この時期は一番危険な時期だ。

 何が危険かと言えば、家に侵入して来るカメムシたちである。

 台風が消え去った暖かい日々、奴らは緑のカーテンで増え、窓に張り付くのだ。

 その姿はまさしくバイオなミートども。


 本日などは一階の窓に30匹はへばり付き、二階にも40匹はへばり付き、恐ろしいことになっていた。

 退治にはもっぱらペットボトルだ。近づけるだけで丸い口から内部に勝手に落下してくれる。

 時々外れて手元に落ちてきたりするのが恐ろしいが、ガムテでやるより簡単だ。


 デメリットとしては内部が凄い臭いになることだろうか?

 無数の奴らが蠢く様はある種恐怖だ。

 しかもしばらく放置していると、自分たちの出した臭いで一網打尽になるのがなんとも……


 植物、特にウリ科を育てるとかなり大発生するこいつ等はまさに天敵といえるだろう。

 ちなみに、カメムシが大量発生すると大雪なると言われているんだけど、今年も大雪降るのかなぁ。



 11月。ついに決心した。

 小ぶりなレモーネメロンを収穫。唯一身に付けた小柄なメロン様だ。

 中を割ってみる。次代への種はしっかりと出来ていた。

 お前の種籾、絶対に来年も立派に咲かせてやるからな。


 さぁて、小さすぎる気はするが味は……

 ……しょっぱっ!?

 なんじゃこらぁっ!? え? メロン? メロンだよね。しょっぱ!?

 なるほどレモン見たいなメロン。酸っぱいかどうかは別として小さすぎるせいでしょっぱさが際立つメロンになったのか。

 不思議だ。しかし面白い。次だ。来年こそは本当のメロン並みにして見せる。今回の事でやり方は分かったつもりだ。次は、次はプランターで立派なメロンを育てて見せる。


 11月も半ばを過ぎた頃、ワイングラス型のプラスチックコップにお茶を注いで至福の一時。エアコンの暖房入れて「んー、マンダム」なんて呟いていた時だった。

 ブーン。謎の羽音。悪夢の音に、上を向いた時だった。

 奴が居た。カメムシだ。大空を舞い蛍光灯へと群がる恐ろしき悪魔。

 そいつは高速で飛び、蛍光灯に何度となく体当たり。なぜか湧き起こる嫌な予感。


 早く倒そう。ペットボトルで捕獲だ。そう思った時だった。

 突然途切れた羽音と共にとぷんっと謎の音。

 プラスチックコップに注がれたお茶に何かが落下した。


 まさか……まさかまさかまさかっ!?

 そぉーっと覗いたそこに、奴は居た。

 お茶の中心に浮かんだカメムシ。落下の衝撃で嫌な臭いを放出したのだろう。

 コップが物凄い臭いに、お茶? 飲める訳が無い。


 カメムシを処理し、コップが一つ廃品となったその日、我が家に新たな植物がやってきた。

 サンカヨウ二号である。

 一号は去年、何の発芽もなく息を引き取ってしまったが、今回こそはと買って来たのである。

 プランターで育てようと思ったので根っこをイチゴ用の土と野菜の土を混ぜたモノに入れてみる。


 あれ? 野草用の土の方がいいんだっけ?

 まあ大丈夫だろ。

 土の中に全身埋めとけばいいんだよな。という訳で完成。日陰の家内に設置して隔日で水をやることにした。


 ちなみに使ったプランターはレモーネメロンを育てていたモノだ。

 彼は結局逝ってしまった。萎び、干からびた彼は庭の肥やしとなったのだ。

 ちなみに捨てに行った際久々に庭に出たのだが……庭は様変わりしていた。

 ちょっと見てない間にトマトとミニトマトは駆逐され、未だ実を付けていた甘長の姿も消えている。

 残っているのは? アシタバと黄色イチゴ。そしてプランターに入ったまま緑のカーテン化しているパッションフルーツだけだった。

 あ、あの、他のは?

 母親「え? 処分したけど?」

 ごふぁっΣ(゜Д゜;)

 四つん這いになったとある日の出来事だった。




 12月も終わり頃、久々に庭に出る。

 殆ど放置状態だったのでどうなったかと見に来たのだが……

 おや、パッションフルーツが枯れてるよ?

 どうしたどうした? 元気が無いじゃないか、まるで雨に濡れまくったようにべったべたで萎びて……まさか、まさか奴かっ! 奴が来たのか!?


 植物たちの天敵、朝霜が!!

 庭を見回す、奴らの足跡がそこかしこに……って判るかっ!

 庭には既に雑草しかなかった。

 否、雑草に紛れ、アシタバだけが生き残っていた。

 アシタバは雪が降っても冬越せるのは分かってたから分かるけど、他が全滅なのはこれいかに?

 どうやら今年の庭で生存者はアシタバのみのようだ。


 だから言ったんだ。パッションフルーツを移動させちゃダメだって!

 プランターで育ててたらプランターの底から根を伸ばして地面に入ってたんだ。あのままにしてたら良かったのに緑のカーテンにしようと動かしたからぶちぶちって根を引きちぎって彼が逝ってしまったんじゃないかーっ。ちくしょぉ――――っ。・゜・(ノД`)・゜・。




 そして2月前、大雪となった。大雪と言っても前年に比べれば屁みたいなもので、合計1mくらいしか積もらなかった。

 携帯電話をスマホに買い替え、前からしたかったFateと最近始まったメガテンのリベレイターズを掛け持ちにした為時間がどんどんなくなりもはや日々の生活がカツカツになっているここ最近、スーパーに出掛けると1280円のイチゴを発見。高級品です。

 思わず買った。果肉周りの粒粒って種でいいのかな? それをいくつか取り苗ポッドに入れて育成することにしてみた。ついでにその隣にバナナを食べた後に残った種をお供え。

 育つかな?


 アシタバは見事に萎れた。しかし新芽がしっかりと出ているため彼の越冬は確定だろう。

 他の戦士達が育つことはあるのだろうか? あるいは春にひょっ○りはんのように出てきたりするのかもしれない。次の春に向け、畑も休眠期でゆったりと養生するのであった。

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