お菓子食べたい
スマホを買った帰り道。ついでにスーパーに寄って晩御飯の材料を買っていくことになった。
晩御飯は凪沙のリクエストでロールキャベツだ。一緒にポトフも作ってしまおうと材料を加護に入れていく。
「…………」
「……どうした?」
一緒に店内を回っていた凪沙が何やらそわそわしていることに気づき問いかける。
凪沙の視線はちらちらとどこか所に向いていた。
「そ、その……、一緒にお菓子を買っていってもいいでしょうか?」
「ぷふっ」
恥ずかしそうにおずおずと言った凪沙に将太は思わず吹き出してしまう。
笑われたことに一層恥ずかしそうに縮こまった。
「いや、すまん。ふふっ、そんな恥ずかしそうに言わなくても、くくっ……。よし、それじゃお菓子も見ていこうか」
「うぅ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか……」
あまりにも笑う将太に文句を言いながらも嬉しそうにお菓子コーナーへ向かう凪沙。そんな彼女の様子が面白くて将太は笑いをこらえるのに必死だ。
「朝倉は何か好きなお菓子があるのか?」
「私は中までチョコたっぷりのトップが好きです!」
そういって凪沙が籠に入れたのは筒状になった長細いお菓子だ。
「それとベルフォートも好きなんですよねぇ」
続いて入れられたのはビスケットの上に綺麗な船の模様が描かれたチョコが乗っているお菓子。
「チョコが好きなんだ」
「チョコ単体は特別好きというわけでは人ですけどね。クッキーとかと一緒についているのが好きなんです。高橋さんはどんなお菓子が好きなんですか?」
「俺かぁ。あんまりお菓子は食べないからなぁ。強いて言うなら甘いのより辛かったりしょっぱかったりするのが好きかな」
「ならこれとかどうですか?」
ジャガイモをスライスして揚げられたポテトチップスを掲げる凪沙。
「それなら食べたことある。美味しいよな」
「ですよね。甘いのも好きなんですけどこういうのもいいですよねぇ」
「それじゃそれも買っていこうか」
ポテトチップスを入れれば晩御飯の材料と合わせていっぱいになった為レジへと向かう。
二人の食費等はあらかじめ話し合って決めた通りに二人で出し合ったお金でやりくりしている。そのお金は将太が料理を担当してくれるからとすこし凪沙のほうが多く負担することになっていた。
懐から生活費の入れられた財布を取り出し支払いして、常備しているエコバックに買った品を詰めて帰路に就く。
のんびりと袋を手に並んで歩く二人の様子は傍から見ればまるで若い夫婦のよう。
若者特有のチャラチャラとしたモノではなく落ち着いた雰囲気を纏っていることもその一因となっていた。
後に陰で近隣住民や常連店の店員に若夫婦と呼ばれることになるのだが、二人がそれを知ることになるのはまだまだ先のことになる。




