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閑話
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「あんまり萌をからかわないでやってくださいね」
萌が帰った後、マスターが苦笑いしながら雅也に話しかける。
自覚があるだけに反論できない雅也。
「すみません、可愛いからついついからかってしまって」
「ははは、冗談です。
最近萌が一層明るくなったっていうか、肩の力が抜けたように感じて、きっと雅也さんのおかげだと思うんです。
前より雅也さんに心を開いてる感じで。
俺がお礼を言うのは違うかもしれないですけど、ありがとうございます。
俺、あの子のことを妹のように思ってるから、萌が生き生きしてるのが嬉しくて」
マスターの真剣な顔に雅也は姿勢を正す。
「俺も萌のことは大切だと思ってます。だから、萌がかわいそうだから優しくしてるとかじゃないんです。
俺が萌に笑っていてほしいから。
だから、お礼なんて必要ないです」
――萌の知らないところで、男たちは心の内を語り合った。
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