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Revolution(科学の力で日本を変革、そして宇宙へ)  作者: 黄昏人
第3章 開発の開始と異文明との接触
24/52

ファーストコンタクトその2

本日、SF部門で1位になっていました。ほかの作者がそういう風に書いているのを見てそうかなあ、と思っていましたが、やっぱりうれしいものですね。読んでい頂いた皆さんに感謝します。楽しんでいただける物語が続けれられればいいのですが。

すこし展開が変わっていっていますが、なかなか、スペースオペラとはいきませんね。

 アクラ、ミズメ、リナン及びキアミの4人のアーマル人がおおぞらに乗り込み、さらにアリスと同型の人型ロボット、男性形ドン及び女性形マリナが乗ってきた。また人工知能ラーナ1206号機、これは月にいる1202機の姉妹機であるが、これはアリス、ドン、マリナの半有機体のロボットの頭脳として乗ったというより積み込まれた。


 15人の乗員に、これらの人々及びロボットが入ると窮屈になるかと思われたのであるが、ロボットは当面アリス一人でことが足りるとして、ドン、アリナは到着まで休眠状態で置かれている。また、アーマル人の4人は、社交性に長けた民族らしく一緒にいると邪魔になるどころか極めて付き合い易く、わずか2〜3日でずっと一緒にいたような気がしている。


 副長の吉田が森下にしみじみ言う。

「艦長、なにかアーマル人といると心地よいんですよね。しゃべるときも全く自然でためになるというか、会話が楽しいというか」


「あれは、たぶん彼らの人間相対術というか、悪く言うと操縦術の一つだろうね。ラーマから聞いたのだけど、彼らの文化は心理学が極めて発達して、人々がお互いに心地よくすごす、付き合うということをすごく大事にしてきたらしい。だから、別に下心あっての行動とかふるまいではないようだ。なにしろ、乗員も楽しそうでいいじゃないか」


「うーん、そういわれるとそうなんですが、ちょっと複雑ですね」

 そう言う副長であったが、それに対して森下も思う所を言う。


「かれらの文明は我々と年季がちがうから、たぶんいろんな分野で我々より成熟してのだと思う。人工知能にしても、近年の我が国における急速な進歩を考えてもはるかに進んでいる。人工知能ラーナ1206号機には彼らの文明、歴史、テクノロジーの一切が記録されているという。

 だから、順平君がラーナに出会ったらどういうことが起こるか、ちょっと想像できないな。まあ、核融合発電は実用化しているようだけど、重力エンジンはないし、レールガンも実用化していないようだ。もともと、戦争というものをほとんど経験していなかったことから、武器にはあまり関心がなかったようだ」


 そうして、穏やかな航海は順調に進み、"おおぞら"は新やまとに近づく。艦橋から、アーマル人の4人も近づく青い惑星を見ている。

「きれいな星ですね。海が輝いている」

 そのうちの女性のリナンが思わず言う。


「ええ、特に新やまとは美しい星だと思いますよ。ほらあれが私たちが着陸するのぞみ大陸です。まだ植民が始まったばかりですので、人は10万人も住んでいません。あと、2時間で着陸です。ほら、のぞみ大陸のあの湖の岸にあらたな首都、真珠市が建設されています。私たちはそこに着陸します」

 副長の吉田がスクリーンを指さして言う。


「真珠市、宇宙港管制塔、こちら日本防衛軍飛翔型護衛艦“おおぞら”、着陸許可を願います」

 ”おおぞら”が呼びかけると、管制塔からの返事がある。

「こちら、真珠市宇宙港管制塔、”おおぞら”へ、貴船の訪問は予定されていないぞ。どういうことか?」


「私どもは、異星人アーマル人とコンタクトし、アーマル人を乗せている。是非、吉川順平氏に面会させたい。さらに、その件で重要な話があるので協議がしたい。私は、艦長の森下2佐だ。吉川氏は私のことをご存知だ」

 ”おおぞら”から森下が直に通信する。


「うーん、わかりました。いずれにせよ着陸は許可します。案内信号を送るので、A3番に降りてください。吉川氏には連絡をしておきます」

 そう返す管制塔であった。


 10分もたたないうちに、”おおぞら”の通信機は外からの呼び出しをとらえ、通信士が森下に報告する。

「艦長、吉川順平氏から通信です。なお、今はまだ2光秒離れています」

 直ぐに順平の音声による通信が入る。


「森下さん、まだ離れているようだから、時間遅れが嫌なので、勝手にしゃべるからで後でまとめて返事をしてください」

 一拍置いて音声は続く。

「まず、どういう状況でいま異星の人を連れているか教えてください。その人数等も一緒にね」

 順平の質問に、森下はすぐアーマル星の様子とその月での話、さらに覚醒した4人のことを述べる。また、なぜ4人を連れてきたかを手短かに5分くらいで説明した。


 少しのタイムラグのあと、順平からの返事がある。

「わかりました。ありがとうございます。さて、これだけのイベントを我々のみというわけにはいかないでしょう。マスコミも呼んでおきますのでインタビューをお願いしますね。

 また、そのラーナ1206号機は極めて重要です。その襲撃の詳細もさることながら、一つの文明がすべて詰め込まれているのですから。いずれにせよ、アーマル人の皆も一緒に真珠大学に来てもらいます。迎えのコミュータを送りますし、当然迎えのセレモニーは私も参加しますよ」


 真珠市がぐんぐん近づいてくるのを見ながら森下がつぶやく。

「だいぶ、宇宙港も出来ているようだ。あれが真珠市か、大分都市らしくなっているな。建物もずいぶん増えている。いま、旅客機が6機、貨物機が8機に大型貨物機も2機いる。それに防衛艦として、飛翔型護衛艦だ。あれは“はるな”だな」


 やがて、”おおぞら”は着陸する。

 ハッチを開け、昇降階段を下すと、重力エンジン式のコミュータが風切り音をかすかにたてながら走ってくる。コミュータが止まると、順平が飛びだす。さらに後から、テレビ局の名前が入ったものを含み数台のコミュータが追ってくる。


「やあ、森下さん。地球人としての他文明へのファースト・コンタクトは森下さんだったね。そっちが、アーマル人の?」

 降りてきた森下と、アーマル人の一行に順平が声をかける。


「順平君、ご無沙汰しています。まず、紹介します。こちらの男性が、アクラさん、そしてミズメさん、そして女性がリナンさん、最後にキアミさんです」

 森下が早速一行を紹介する中に、順平は進み出て順次かれらと握手をして言う。

「私は吉川順平です。よろしくね」


 その間、ずっとカメラがその様子を追っている。

 順平はカメラの方を向いて言う。

「皆さん。こうして、私たち地球人類は、最初にお会いした知的人類としてアーマル人の4人をお迎えしました。どういういきさつか、なぜこうしてこられたかは、記者の方にはのちに説明します。さあ、皆さん、新やまとの今の住民約12万人に、ご挨拶をお願いします」


 アクラが進み出る。もう翻訳機なしでも相当にしゃべるようになっている。

「私は、アクラ・ミン・フォンと言う名前のアーマル人です。アーマル人は寿命が200年くらいですので、私は若く見えるかもしれませんが、25歳です。しかし、アーマル人としてはほんのひよっこです」


 そこまで笑顔だったが、真剣な顔になってカメラに向かい、マイクに向かって言う。

「私たちアーマル人は、2万年の歴史を持つ種族であり、美しい世界、惑星に平和に暮らしていました。

 私たちはお互いに仲良くするということに長けていることから、ほとんどお互いに争うこともなく平和に暮らしていました。しかし、わずか1年前です。

 その私たちの世界が、正体のわからない宇宙船団に突然襲われました。それに対して、私たちも抵抗はしましたが敵わず惑星は核爆弾の雨にさらされ、私たちわずか100人を除いて人々も殆どすべての生命も殺戮されました。


 私どもは、アーマル人の種族の種を残すということから隔離されて、私の惑星が無残に破壊され人々がその中で殺されるのを見ていました。私は悔しい。私たちわずか100人ですが、かならず、アーマル人という私たち種族を復活させ、殺された私の両親を含む人々の復讐を遂げたいのです。

 また、いきなり、平和に暮らしている文明の発達した惑星を破壊する行為からすれば、その謎の宇宙船団はあなたたちの脅威でもあります。どうか、私たちに力を貸してください」


 あまりに重大な内容に、立ち会った記者たち、及びその番組の視聴者は言葉を失なった。そこに、順平がマイクを持って、カメラに向かって言った。


「皆さん、私はすでにこの話を聞いており、私なりの対策を建てました。それは以下のようなものです。

 1) まずアーマルの人々に対しては私の能う限りの協力をします。むろん彼らが、自分たちの文明を再建する場所の提供も含めてです。

 2) 次に、この危険な船団を運用している種族を追跡して、必ずその正体を突き止めます。

 3) さらに、彼らが残酷に破壊を犯したその武器から防御する方法を見つけます。

 4) また、その彼らを罰する方法を必ず見つけます。 

 しかし、私が方法を見つけることは出来るでしょうが、実際の実行は日本政府を含めた皆さんの協力なしにはできません。今後、このような残虐なことをあえて行うような具体的な脅威が見つかった以上、あまりのんびりはしておられないということです。皆さんの協力をお願いします。

 ところで、まだ3人の方の紹介が済んでいません。さあ、自己紹介をおねがいします」


 そう言って順平は、次は女性のリナンにマイクを渡し、彼女の自己紹介、次は男性のミズメ、最後にキアミの紹介が行われた。この様子は生放送として、新やまとでは生放送で放映された。そしてそれは、何度も再生されたし、加えてそのビデオは地球への最速の便に載せられて送られた。これは、地球でも放映されて大きな反響を呼んだが、一方では深刻な懸念を呼んだ。


 宇宙港でのインタビュー後、一行は真珠大学に向かった。大学のミーティングルームに入ると、新やまとの知事である西脇純一が待っていた。

「急な呼び出しにも関わらず、来ていただいてありがとうございます。西脇知事」


 順平が言うが、当然彼等は何度もあって今後の新やまとの開発方針などを話しあっている。西脇は白髪が目立つ頭を振って苦笑した。

「いやいや、吉川順平君に呼ばれて来ないわけにはいかないでしょう。」

 そして森下を労わる。 


「放送を見ていましたよ。森下さんご苦労様でした。地球に向かわずここに来たのは的確な行動だったと思います。私からも防衛省に感謝の連絡をしておきます」

「それは、ありがとうございます。独断専行ですから実はひやひやものだったのですよ」

 応じて森下がいたずらっぽく言う。


 さらに西脇は現地での最高責任者として、アーマル人の四人に向かって労いを述べる。

「よく来てくれました。私は西脇と言い、この新やまとの行政組織の長です。しかし、私よりこの西川順平君の方がずっと権力も発言力も上ですからね。かれが、宇宙港でああいう風に言ったということは、間違いなくこの新やまと及び地球上の日本の人々も賛成します。安心してください」

 そう言って、各々と握手する。


「ありがとうございます。アーマル人を代表して感謝します」

 アクラが皆を代表して感謝の言葉を述べ、続いて順平がせっかちに情報を求める。

「さて、あいさつも終わったところで、申し訳ないがアーマル星が破壊される映像を見せてほしい。敵の武器と能力を知ることは極めて重要だからね。アクラたちはつらいだろうから席を外した方がいいかも。アリスが解説してくれれば十分だから」


 それに対してアクラは、「皆、席を外してくれ、私は残る」と言うが、「私たちだって、もちろん残るわ」リナンが激しく言い返す。

「じゃ残ってください。意見も聞きたいのでちょうどいい」

 順平が言って結局アーマル人は全員残ることになった。


「ではアリス頼む」

 順平がロボットのアリスに依頼すると、状況を読み取ったアリスは素直に応じる。

「ますこれが、最初に来て調査のみで引き上げた宇宙船です」

 かなり遠いがラグビーボール状の形は、はっきりわかる。

「大きさのはっきりした小惑星と比べた結果、あなたたちの単位で長さは522m、最大径は70mで、質量は120万トン位です。」


 アリスの説明に順平が聞く。

「測定された最大速度は?」

「光速の30%です。しかし、わたしどもの太陽系リネリに近づくときは、少し不正確ですが、光速を超えていたと考えられています」


「どの程度超えていた?」

 順平の質問にアリスが答える。

「大体光速の2倍程度と推定されています」


「アーマル人の防衛艦隊との戦闘シーンはないかな」

 さらに順平が聞くのにアリスが答える。

「最初の艦隊に対して、こちらは攻撃をしていません。相手も攻撃しなかったものですから」


「では、襲撃に現れた艦隊とは?」

「3つありますので、今から映写します」

 映されるその映像を森下他のおおぞらの乗員はすでに見ていた。それは、アーマル人の戦闘艦が攻撃をかけるものの全く効果なく、主としてレールガンさらにミサイルで一方的に次々に撃破されてくシーンはなかなか堪えるものがある。


「ビーム砲、レールガン、核ミサイルか。いずれも大した威力じゃないな」

 3つの短い戦闘シーンを見て、順平の素直な感想にアリスが反発する。

「しかし、わが方はあれで被害が大きく結局抵抗出来なかったのに」


「うん、君たちアーマル人は血に飢えた我々地球人と違って、武器という点では感性が鈍い点があるのでしょうがないよ。だいたい、あのビーム砲は派手だけど威力は低いよ。相手がたぶん2〜3秒じっとしてくれなくちゃ破壊は無理だ。実際に君たちの艦もビーム砲では全く被害がないよね。

 次にレーレガンだけど、速度が2km/秒程度で威力が低すぎだ。最後に核ミサイルだけどレールガンほどの速度も出ない。あんなのは撃ち落とすのはわけないよ」

 

 順平はそう言い、さらに考えながら半眼になって言う。

「しかしあのバリヤーは厄介だ。たぶん艦の金属を強化している形になっているのだろうけど、君たちのミサイルを一切平気で受けて止めているだろう?たぶんレールガンくらいでは破れないね」


「じゃ、次に惑星の爆撃のシーンをお願いします。」

 自分の言葉に反応がないことから、順平はさらに映像を求める。

 これはアーマル人にとっては苦痛が大きいシーンである。しかし、目新しいものではなく結局数を頼んでの爆撃だ。これは、主として熱核反応を使用し核融合を併用したいわゆる水爆をばらまくというもので、洗練はされていないが効果的なジェノサイドではあった。


「大体わかりました。では僕なりの解釈をまとめるよ」

 順平は皆を見渡して話し始める。

「まず偵察に現れたのは、防御力に優れた大型艦で、実際の襲撃は大型艦3隻に中型と言うか、わが方の旅客船クラスの艦が90隻ですね。その速度は恒星間を重力エンジンの最大出力の光速の2倍ということです。わが方の超光速の秘密はまだ知らないということですね。

 惑星間では最大速度は光速の30%程度のようです。一方で、武器はさっき言った通りで、あまり大したものはないですね。ただ、どうも大型艦は金属壁をバリヤー化しているようで、これは相当丈夫なようですから防御力は優れていると言えるでしょう。


 まとめると、謎の生物の脅威は平気で文明が栄えている惑星を破壊できるおぞましい感性のみで、戦力的には大したものではないですね。しかし、大型艦はなかなか丈夫なようですが、破壊そのものは簡単だと思いますよ」


「「「「ええ、どうやって?」」」」

 驚いた皆が叫ぶ。


「うん、あのバリヤーは金属壁を分子的に強化している上に電磁的な防護をかけているはずだ。その場合、その強化を圧倒的に上回る運動エネルギーをぶつければいいんだ。だから、例えば、”おおぞら”が、正面から光速の90%で突進して、その速度の慣性をもったミサイルを撃ちこんだら、まず破壊できるよ」と言う順平の説明であった。


「ええ、そんなことで?」

 聞いた皆はその答えに懐疑的だ。

「そんなことというけど、レールガンなんて秒速10km/秒以下の世界だよ。それに弾自体の重量も10kgとかそんなもんだ。秒速20万kmを超える速度とミサイルの重量を考えたら衝撃の桁が10くらい違うよ。

まあ当てるのはそれほど簡単ではないけどね」

 なるほど。皆は納得するしかなかった。


 結局その日の会議で、早急に地球に連絡便を出し、地球そのもの、さらに新やまとを始め、他の植民惑星にも防衛が必要であることの警告を発することとした。さらに、西脇知事の権限で、旅客船を1機アーマル星に派遣して、残りのアーマル人を連れてくることにした。


なんとか、毎日更新できています。

2025年、12/13文章修正。


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