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古(いにしえ)の最強魔導人形となった僕  作者: ユウヒ シンジ
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転機

「それでは皆様、お疲れ様でした。今後の詳細について書面にてお伝えいたします。最後にわがプラハロンド王国の王太子という地位にありながら諸外国の皆様に多大なるご迷惑をお掛けしました事、プラハロンド王の名のもとに深く陳謝いたします」


レリフェエール王妃、フィリア姫が立ちあがり深々と頭を下げる。


「それで、当のご本人の行方は分かったのですかな?」


ルフエド公が聞いてくる。

彼はプラハロンド王国より西にある近隣諸国の中でも古い歴史のある、クランフィード王国の公爵であり、なにかとプラハロンド王国に敵対心を向けてくる一人だ。


「それが、未だに・・・」


レイが歯切れの悪い返答をしている。


「バタン!」

「失礼いたします!!」


そんな時、一人の文官姿の男性が慌ただしく扉を開け入って来た。


「レリフェエール王妃様、ご報告いたします」

「・・・こちらに」


王妃は席を外し壁側に向かうと、その文官は王妃の傍まで駆け寄る。

すると王妃は大きな扇子を広げ口元を塞ぎ、皆からは見えない様にすると文官が耳元に小声で伝え始めた。


「・・・・・・・・」


フィリア姫とレイはその様子を伺いながら次々と退出していく各国の代表者に挨拶を繰り返していた。

本当なら、王妃への報告と言うのがロドエル殿下の事である可能性は高く、各諸侯も気になるところだろうが、あくまでも他国の王子の事である。

そこまで根掘り葉掘りと聞くことも出来ないことと、それよりも早急に本国に戻り、事の次第を持ち帰って協議する事を優先にしているようだ。

なにせ、魔導人形が2体も無償で譲渡されるのだ。

あまり裕福でない国にとっては、願っても無い話ではあった。

ただ、それを受け入れるとなると、設備の問題、経費の捻出と維持費に掛かるので前もって国に相談する必要があったからだ。

中には譲渡された後、直ぐに売却を考えている国もあるようだが、ルフエド公にとっては魔導人形よりロドエル殿下の事の方が気になるようだった。


「そうですか・・・・では、そのように手配するように」

「はっ・・」


話しが終わったようだ。


「お母様、もしかして?」

「そうね。捕まったそうよ」

「・・・・そうですか。それは一安心ですね」

「そうね・・・」


多くを語るわけでもないがその内容からはロドエルが発見され捕獲された事を物語っていた。


「どうやら、捕まったようですな?」

「ルフエド様、今は公表を避けさせてもらえませんか。後日、正式に公表し公約通りの処置をいたしますので」


レリフェエール王妃が、小さく頭を下げルフエド公に願いでた。


「ルフエド公、プラハロンド王国の問題であるからの、ここは自重するべきだぞ?」


グリアノール帝国の先代皇帝だったドレイルが横から割り込む様に話しかけてくる。


「まあ、私もそれで構わないのですがな、一応被害者である私としては気になるところではありませんか?」

「それでもだ」


ほんの少しだが言葉に凄みを持たせたドレイルの言葉に、さすがのルフエド公も気後れしたようだ。


「ま、まあ、良いでしょう。今日の所はこれでお暇させていただきましょう。それでは魔導人形の受け入れが整い次第連絡をいたしますので」


そう言い残しルフエド公は部屋を後にした。


「ありがとうございます。ドレイル様」


レリフェエール王妃がドレイルに礼を伝えた。


「なに、たいした事ではない。ま、その様子なら問題は無い様じゃの?」

「はい。ドレイル様の魔導人形マイ殿の協力もあり無事、身柄を確保できたようです。ご協力感謝いたします」

「? そ、そうか・・・まあ、それは良かった。では我らも一度本国に戻るのでな、また改めて話をしようではないか?」

「はい」


先程よりも更に深く頭を下げるレリフェエール王妃。

その姿を見てフィリア姫も同じように頭を下げた。


「フィリアもまた会おう。ガランの事あまり煙たがらんように頼む」

「ジジ様、今回はありがとうございました。でもガランの事は別ですから」

「そうか? それは仕方がない。ガランもっと精進するのだな」

「じいさん、もう少し粘ってくれても良くないか?」

「そんなもん、男なら自分で何とかしろ!」


歳は取ったとはいえ、帝国の頂に長年君臨してきた御仁だ。

ガラン程度がまだ敵うわけもなかった。


「ま、いいや。フィーとにかく俺は味方だからな。何かあったら連絡してくれ」


真面目な顔でガランが言葉を掛けると、フィリアも心なしか顔が綻んだ・・・


「相談するならノールちゃんの方が安心だけどね・・・でもありがとう」

「お。おう!」


少し照れくさそうなガランを伴い、ドレイルもフィリア達を残し部屋から出ていった。


「さあ、フィリア。これから大変ですよ」

「・・・そうですね」


その言葉の意味をしっているフィリアにとって、腹を括る為の言葉に聞こえた。


あの馬鹿兄め! 

一生恨んでやる!


「レイ!」

「はい!」

「ノールちゃんを私の私室に! 癒しが必要だわ!」

「はい、了解いたしました」


レイはフィリア姫の言葉を聞きながら少し顔が緩んでいるのが分かっていた。


国としては大きな損失がでましたが、結果的にあのロドエル殿下が王太子になる事がなくなり、実質フィリア姫様が次期女王になる事が決まったのだから、災い転じてというものです。

国民もこれで一安心でしょう。


改めて自分の気持ちを知るレイの顔は更に綻びを増しているようだった。

読んでいただきありがとうございます。

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