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古(いにしえ)の最強魔導人形となった僕  作者: ユウヒ シンジ
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争乱 3

よろしくお願いいたします。

「おおおおおおおお!!! フィーちゃん!!」


大声と共に猛ダッシュで姫様に突進してくるおじいちゃん・・・って飛んで来たぞ!!


「ジジ様!!」


ガバァ! ガシッ!!!!


何だったのだ、今の? 10メートルくらい先から、おじいちゃんが満面の笑みのまま飛んで来たかと思ったら、姫様にいきなり突撃を食らわせた。

しかもその突撃をいとも簡単に受け止めた姫様にも驚かされた。


「フィーちゃん! 久しぶりじゃの!!」

「ジジ様も相変わらずお元気で・・・・・おい!」

「なんじゃ?」

「なんでジジ様の手は私のお尻を撫でまわしているのですか?」

「お、そんなの決まっとろう。フィーちゃんの成長具合を確認するのに一番ここが分かりやすいからじゃ」

「相変わらず、スケベのままですね!!!」


姫様の笑顔からの猛烈なパンチが繰り出された!!

しかしそれをいとも簡単にバックステップでかわすお爺ちゃん!

けど、姫様もそれでは終わらず、片足を踏ん張りさらに前へとパンチを伸ばし、逃げるお爺ちゃんに追撃をかける。

するとお爺ちゃんが一瞬その場に止まった!


「フン、まだまだ」


そう一瞬だけど呟いたのが聞こえた。


「え?!」


それは一瞬だった。

止まったおじいちゃんに姫様のパンチが当たる瞬間、消えたように見えた。


「甘いぞ、ボディーががら空きじゃ」


先程まで少しの間があったはずなのに、今は姫様のお腹の直ぐ近くにおじいちゃんの顔があった。

そしておじいちゃんの右腕が、姫様の形の良い胸に目掛けて繰り出される!!


「もらったのじゃあ!!」

「姫様! 御飯食べよう!!」

「ぬ!? うおぉおおお!!? な、何じゃお主は!?」


一瞬触れたと思ったのかな?

おじいちゃんの右手の中には僕の頭があった。


「い、何時の間に入り込んだんじゃ、お嬢ちゃん!!」

「ノール・・ちゃん?」


今の状況を説明すると、僕は姫様とおじいちゃんの間に挟まれる格好で、おじいちゃんに頭を掴まれ、姫様の胸の中に顔埋めているという、傍から見たら仲の良い姉妹の妹に暴力を振るう頑固ジジイといったシチュエーションが成立していた。


「まぁ、見てください。あそこの殿方は女の子の頭を鷲掴みにして脅しておられますわよ」

「え、本当でございますわね・・・あ、あれはグリアノール先代皇帝様ではありませんか?」

「え? そうですの?」

「たぶん・・・最近は公の場に出られることはあまり無いとお聞きしますので、私も直接は・・・」


ご婦人方の声が聞こえたのか、お爺ちゃんは素早く手の力を僕の頭から除き、ゆっくりと撫で始めた。


「おほほほ!! これはめんこい女の子じゃのぉお! フィーの子供かの?」

「馬鹿!! 私にこんな大きな娘がいる訳ないでしょ!!」

「そうか・・残念じゃの、ガランとの間の子かと思ったのにの」

「そんな事ある訳無いでしょ!!」

「それは本当かフィー!?」

「ガラン! あんた馬鹿なの!? いつそんな事をしたって言うのよ!?」

「え!? いや・・・・ん?」

「そこで悩むな!!」

「まあ、冗談はさて置いてじゃの・・」

「おお、冗談だったのか!」

「・・・ガラン一回精神病院に行った方が良いわよ?」

「フィー、心配してくれるのか?」


あ~あ、姫様が額に手を当てて大きな溜息してるよ。

ガラン殿下もう少し頭を使って考えましょう。

阿保さ加減が半端ないですよ?


「さて、真面目な話じゃ。この子がノールちゃんじゃの?」

「おお、爺さん、そうだ! 俺の心の師匠だ」


おい! いつから心の師匠になった!!


「そうか、ガランが世話になっておるの」


そこで真面に頭を下げられたら否定しにくいじゃないか!!


「で、いつわしとフィーの間に入り込んだ?」


急にお爺ちゃんの目つきが変わった。

その視線の強さにさすがの僕も少したじろいだくらいだった。


「いつって、僕がここに立っていたら、二人が勝手に来たのですよ?」

「ん?」

「え?」


嘘は言ってない。

確かに僕はここに立っていて、勝手に二人が僕を挟んで相対しただけだ。

ただし・・・


『このまま一歩、右斜め後方に移動しておいて下さい』


とのミネルヴァさんの言葉に従っていたらこんな状況になったのだけどね。


「ほうお?」


少し疑っている?

確かにこのお爺ちゃん、やはり先代の皇帝というだけあって只者じゃなさそうだ。

正体がばれない様に注意しておこう。


「まぁそう言う事にしておくかの。でじゃ、フィーよ、本当にこのままロドエルに王太子としてこの国を任せるのかの?」

「任せるも何も、男子であり私より年上なのですから、それが自然ではありませんか?」

「昔、ルグエス、お前の祖父とも話しておったが、女王という前例がないだけで、駄目だとはプラハロンドの法にもないはずじゃが?」

「私が立つと、内乱は避けられなくなります」

「それでもだ。本当にプラハロンドの将来を考えるならば、一時的な犠牲は仕方ないと考えぬか?」

「・・・・・ごめんなさい、その一時的な犠牲に国民を巻き込むのは考えたくないのです」

「そうか・・・ならばしかたないの。じゃがフィーよ。お前さんの考えをそのまま受け入れてくれる輩は少ないぞ?」

「分かっています」

「ならば、せめて魔導人形くらい傍に置け。自分の身の安全のためじゃ」

「そえは以前にも言ってお断りしております」

「・・・・まだ記憶に残るか?」

「・・・・・はい。あの時、私を守ってくれた魔導人形が燃える姿、そして炎の中で見たあの無表情な顔が今でも怖いのです」

「そうか、まあ無理強いはせんがの」

「・・・・・はい」


姫様が俯き、何かを思い出したのか表情が暗くなっていった。


『魔導人形絡みで昔何かあったようです』


そうみたいだけど、今僕が何か言えるかと言うと無理だと思うから・・・今は聞かないでおこう。


「そこでじゃ!」


急にテンションを変え明るい雰囲気で話し出す、前皇帝ドレイルおじいちゃん。


「ガラン・・」

「嫌です!!」

「まだ何も言っておらんが?」

「もう何度も聞きました。ガランの正妃になってグリアノール帝国で暮らせと言うのでしょう?」

「分かっておるではないか。はっきり言って今のプラハロンド王国は危うい。どうにも今のロドエル殿下の行動に不可解な点が多すぎる。以前はあれほど攻撃的ではなかったはずなのじゃが」


多くの来賓から次々に話し掛けられるロドエル殿下の姿を見つめながら訝しむドレイル様だった。

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