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古(いにしえ)の最強魔導人形となった僕  作者: ユウヒ シンジ
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争乱 1

あれから2日が経った。

明日はロドエル殿下の王太子即位の令が執り行われる。

お城はその準備で多くの人が忙しく動き回っていた。


「フィリア姫様、各国の代表者の方々が次々とご到着されております。そろそろご挨拶へ向かいませんとお時間に間に合いません」


レイさんがいつもの軽装騎士甲冑ではなく、白い礼服姿となって姫様の仕度終わりを今か今かと部屋の入り口で待っていた。

そして僕も白いワンピースにレースと花を添えた胸飾りを付けられた正装姿で同じ様に姫様を待っていた。


「どうして僕まで正装しているのでしょう?」

「あら、その服気に入らない?」


レイさんがニコニコしながら僕に服の感想を聞いて来る。


「気に入るとか気に入らないとかの問題じゃないですよ。僕は王族でも貴族でもないただの平民ですよ? その僕がなんでこんなに着飾って姫様のエスコート役をしなくちゃいけないのですか!」


そうなんだ。

僕は姫様のたっての願いによって明日の即位の礼に参加することになってしまっていた。


「まあ、そう言わずに、お願いだからね。そうしないと姫様ぜったいに出席しないから」

「僕は姫様のニンジンですか?」

「その通り! とにかくあのフィリア姫様がノールちゃんと一緒なら出るって言ってくれたんだよ? もう大変なことなんだからねえ!」


涙目になって握る拳に力が入るレイさん。

レイさんの苦労が手に取るように分かる気がする。

とはいえ、はっきりと言えばめんどくさい。

またあの変態っぽいロドエル殿下と顔を会わすかと思うと背筋が寒くなる。


『しかし、姫様の身の安全を考えればノール様がお近くに居られる方が宜しいかと」


それは分かっているけどね。

実際のところまだ彼女達の術式呪詛の解除があ出来ていないから、黒幕が分からないんだよね。


『申し訳ありません。もうしばらく時間を頂ければ』


あ、別に無理しなくて良いよ。彼女達の安全第一でお願いね。

僕にとっては人だろうが魔導人形だろうが命の重みは一緒だもの。

逆に魔導人形を使い捨てのように考えている人の命の方が軽いよ。


「準備が整いました」


部屋の奥で複数のメイドさん達にドレスを着付けられていた姫様の準備が終わったようだ。

ここからだと衝立が邪魔になって良く見えなかったけど・・・・


「わあ!! すっごく綺麗!!」


普段動きやすい軽装の騎士甲冑と短めのスカート姿の姫様が、薄いピンク色の生地で作られフワッとした柔らかそうな長いスカートのドレスを着こなしていた。

華美にならない、でも可憐な作りのレースをあしらい、姫様の形の良い胸元が大きく開かれ強調されているのもまた魅力を押し上げている。

そういえば、普段は髪を動きやすくするために後ろで束ねていたけど、今日はそのまま伸ばされていた。

やっぱり女の子だね。

普段でも魅力的だけど、こうして着飾るとまた違った魅力が出てとても綺麗だ。


「姫様、綺麗です」


僕は特に考えることもなく素直に今思っていることを言葉にしていた。


「お世辞はいらないわよ。こんなヒラヒラしたドレスなんて私に似合うわけないもの」

「姫様、鏡見たことないの?」

「そ、そんな事ないわよ!!」

「まともには見ていないと思いますよ。フィリア様はとっても恥ずかしがりやですから自分が綺麗なドレスを着ているのを見ること自体が恥ずかしいのでしょう」


レイさんがしみじみと話してくれた。

なるほど、たぶん自分に自信がないからだろうけど、それ他の女性に言ったらつまはじきにされるんじゃないかな?


「姫様、直ぐに自信を持ってと言っても無理だろうけど、僕が保証するから誰が何と言っても姫様は美人だよ! だから似合わないとか思わないで」

「・・・うん、頑張ってみる・・・」


そう言った姫様は少し顔を上げ、ちょっとだけ前を向いて話してくれた。

ただでさえ綺麗なのに顔を上げ、笑みを出せば無敵美少女だね。


「こうなると、ロドエル殿下の王太子即位の令の式典が姫様の披露式に変わりそうですね」


何気にレイさんがそんな事を言い出した。

でも、確かにそんな雰囲気がありそうな・・・

それだけ姫様の王族としてのオーラというか気迫というか、それが前面に出ているのだろう。

一方ロドエル殿下はというと・・・


『変態、凡人、短気、希薄、魔導人形の敵・・・王族のオーラも感じられません』


ミネルヴァさん、ちょっと言い過ぎ・・・・でもないか。


『事実ですから』


でもそうなると、この式典少し荒れるかもしれない・・・


ミネルヴァさん!


『はい』


姫様の周辺の探知を常にお願い。


『了解いたしました』


「どうしたの? ノールちゃん」

「あ、いえ別に何でもありません。それよりそろそろ式典会場に向かわないと」

「そうね。じゃあノールちゃんエスコートお願い」

「はい」


僕は白く艶やかなシルクの手袋を付けられた姫様の手をそっと乗せ、ゆっくりと廊下へと出て行く。


出来れば何事も起こらなければいいのだけど・・・

読んでいただきありがとうございました。

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