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古(いにしえ)の最強魔導人形となった僕  作者: ユウヒ シンジ
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襲撃 7

「お、おお姉様・・・」

「え? 君! 大丈夫?!」


顔に浮き出る赤黒い線が光出し、脈打つ様に動き出す状態で彼女が声を絞り出し僕に話しかけてきた。


「・・は、はは早く・・・逃げ・て・・・もう・・・・・あ・・あの子・・・をお願い・・しま・・・・妹機を・・・・・おう・・ひ・・・・気を・・・・・つ」

「な、何? 声が擦れて良く聞こえないよ!」


『提案、空間属性魔法を利用して疑似時空間収納を開発しました。緊急作成ですので一時しのぎ程度ですがこの収納にこの魔導人形を収納すれば時間操作により最大5000倍の時間拡張が可能です』


ミネルヴァさんが何やら考えてくれたようだけど、小難しくて良く分からない。

でもこの子を助ける方法なのだという事は分かった。


えっとつまりその疑似空間にこの子を収納できて時間を延ばす事が出来る・・・という事でOK?


『はい。推定爆発まであと20秒少々、今収納すれば爆発を5万倍、100万秒先まで延長できます』


えっと100万秒・・・おおよそ16666分で・・・


『およそ11日先です。それだけ時間があれば、この術式呪詛の解析が可能だと思われます』


そうなの?! それじゃあさっそく!


『しかし、彼女達にとっては永遠とも思われる20秒でありその間の苦痛は消えませんがよろしいですか』


ミネルヴァさんの言葉に僕は直ぐに実行する勇気が無くなってしまった。


そんな・・でも・・・


「お・姉様・・・あなた・・・に・・託しま・す・・・どうか・・・・・妹・・だけ・・・・で、・も」


僕の肩を彼女の手ががっしりと掴み、僕に少しでも近づこうとする。


「・・・・・・分かった」


二人を収納に、ミネルヴァさんお願い!


『了解いたしました』


次の瞬間、僕の膝の上にいた魔導人形と、イチゴが捕獲していた魔導人形の2体が一瞬で消えた。

僕は姿も重さも消えた腕の中をじっと見つめた。


「魔導人形ってなんだろう?」

「ノールお姉様?」


僕も魔導人形だ。

実際は魔導人形として生まれ変わったんだけど・・でも今はそれも普通に受け入れているしそれを嘆くつもりもない。

だけど、こうして人に良い様に使われるただの道具なのだとしたら・・・


「嫌だな・・・そうか、姫様は魔導人形の使われ方が気に入らないのかも。だから自分は魔導人形を使われないのかも・・・ふ、都合の良い解釈だな」


『あながち間違いじゃないかもしれません』


ミネルヴァさん気をつかってもらってありがとう。


『いえ、本当の事ですから』


相変わらずミネルヴァさんは僕の味方だな。


ありがとうねミネルヴァさん。

さて、彼女達の事はミネルヴァさんに任せるとして・・・


「イチゴ」

「はい、ノールお姉様」

「イチゴはどう思う? 彼女達の動きから見て狙われたのはフィリア姫様だろうか?」

「・・・・・はい。可能性は非常に高いです。ただ・・」

「ただ?」

「彼女達が着ていた服装はグリアノール帝国の護衛メイドの制服に似ていました」


ん? そう言えばガラン殿下の傍にいたあのメイド魔導人形さん達と同じに見える。


「という事はグリアノール帝国が姫様を狙ったって言うの?」

「見た目にはです」

「見た目? ・・・・・・・偽装?」

「はい。さすがですノールお姉様。いかにガラン殿下が馬鹿でもそんな堂々と証拠が残りそうなことをするとも思えません」

「つまり、グリアノール帝国に姫様が襲われたと既成事実をでっち上げたかったと」

「はい。それがもし嘘だと分かっていても、フィリア姫様が襲われたという事実は動かしようがない状況となりますので」


ん~戦争でもしたいのか?


『それと、転送した魔導人形の一人が言っていましたが、ある人物を注意するよう言い残しています』


あ、さっき僕が良く聞き取れなかった言葉か。


『それによると、王妃様に注意するようにと聞き取れました』


僕には聞き取れなかったけど・・・・王妃様・・あの美しく優しそうな人が?


「何かの間違いじゃない?」


『今のところは情報不足です。保護した魔導人形が正常に戻れば何かしらの情報は分かると思うのですが・・・』


「・・・・・・ん、分かった。今はどうしようもないってことだね」

「ノールお姉様、残念ですが」


『はい』


それにしても魔導人形は作られた物だとしても、こうして成長して人と変わらない感情を持つ者もいるのが分かった。

だからただ物として扱う人間は許せないし、できればそんな彼女達を救いたい。

僕にできるだろうか?

・・・・・・今は考えても仕方ない。

出来る事をしよう。


「それじゃあ一旦戻ろうか。あまりいなくなると姫様が心配するから」

「はい。では私も部隊に戻り内部から探ってみます」

「ん、ありがとうイチゴ。でも無理して危ない事にはならないようにね」

「はい! その言葉を頂けただけで一生頑張れます!」


そこまで大げさにならなくても


「じゃあ、ミネルヴァさん戻ろう」


『はい』


「あ、ノールお姉様」

「何?」

「・・・今晩・・お待ちしております・・・ぽっ」


それがあったかぁ・・・


次の瞬間、僕達の姿はこの荒野から完全に消えていた。

読んでいただきありがとうございました。

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