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古(いにしえ)の最強魔導人形となった僕  作者: ユウヒ シンジ
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王太子と皇太子 3

よろしくお願いします。

「大変だったそうで」

「まったく、本当よ、あの馬鹿兄貴は!!」


国王様への報告が終わって・・・王妃様への報告と言った方が良いのかな? が終わって、僕と姫様は王族が私生活に使用している区画の中にある姫様の私室に戻っていた。

そこには、レイさんが先に来て姫様が来られるのを待っていた。


「それでも注意程度で済みましたのは不幸中の幸いですね」

「そうね。まさか馬鹿兄貴の命令に魔導人形が反応しなかったなんて不幸中の幸いどころの運じゃないわよ」

「確かに。それでその魔導人形はどうなったのですか?」

「え・・まぁ、動作不良なのか聴覚不良なのか、原因を探るらしいけど簡易テストでは何も問題無かったらしいから」

「そうですか」

「それに馬鹿兄貴の言い訳を信じれば魔導人形に問題が無いと言えるもの」

「言い訳ですか?」

「そうよ」


今、姫様は王妃様と会う時に着ていた正装を脱ぎ捨て、ラフなワンピース姿でソファーにくつろぎながら、同じく対面のソファーに座るレイさんと先程のロドエル殿下御乱心事件の事を話していた。

僕も姫様とは少し間を置いてソファーに座らせてもらって二人の話を聞いている状況だ。


「あれは冗談だと言いきったのよ。しかも自分の御付きの魔導人形に前もってその様な命令が出ても行動に移すなと制限を加えていたと言い出したのよ」

「それは何とも」


二人共呆れ顔になっている。

実際、あの時のロドエル殿下の感情は本物だったしか思えないもの。

流石に冗談でしたなんて通らないと思ったんだけどね。


「でも、それが通ったのよ。まあ、あのガランも自分に危害も無かったし実際に双方の魔導人形が動いていないのだから本当なのだろうと受け入れてくれたからね」

「なかなかに度量を見せられましたね。ガラン皇太子殿下は」


レイさんの言葉に姫様の眉間にシワが寄りしかめ面になった。


「何が度量よ。その代わり明日私がガランの相手をしなくてはならなくなったじゃない」

「あら、デートでもされるのですか?」

「違う!! ただ王都を案内するだけよ!」

「それをデートと言うのでは?」

「うう・・・まったくとんだ、とばっちりよ!」


本当に嫌そうに話す姫様。

ま、僕もあの筋肉愛好家みたいな皇子様はちょっと苦手だよね。


「しかしそうなると護衛が必要になりますね。王妃様に申し上げて王族専用の魔導人形を1個体姫様にお付けしなくてはいけませんね」

「嫌よ!」

「嫌と言われても、こればかりはどうしようもありません。王族としての身の安全を最優先にして下さい」

「それでも嫌! 私が魔導人形が嫌いな事は知っているでしょ?」

「もちろん。でも、それでもです」


二人の押し問答の様な話が続いた。

なんとなく分かっていたけどやっぱり姫様、魔導人形が嫌いなんだ。


「あの何を考えているのか分からない無表情な顔も嫌。命令であればどんな事でも実行する姿も嫌。あの時も表情を変えず痛いとも言わずに、ただただ私を守る盾として立ち続ける姿が・・・嫌なの」


そのまま顔を伏せて項垂れてしまった姫様。

昔何かあったのだろうか?

そのせいで魔導人形が嫌いになったのかな?

じゃあ、僕が魔導人形だとバレたら・・・・姫様怒るかな? それとも悲しむのだろうか?


「ノール、どうかした?」

「え? う、うん何でもないです」

「・・・そう?」


僕の表情が暗くなったのが分かったのか、姫様が気にかけてくれた。

・・・やっぱりあまり姫様とは一緒にいない方がいいのかも。

早く施設でもどこでも良いからこの場を離れた方が良い様な気がする。

なるべく早く出よう。


「とにかく嫌だからね! それに護衛の魔導人形ならガランが2個体も持っているから大丈夫よ」

「はあ、なんだかんだ言ってもガラン皇太子殿下の事、信用されているんじゃないですか」


レイさんの不意の言葉に姫様お顔がみるみるのうちに赤く染まっていった。


「そ、そんな事無いわよ! 誰が信用なんかするもんですか!!」


大声で叫ぶ姫様をみながらクスクスと笑うレイさん。

それを見てかえって赤くなる姫様だった


「それにしても、ガラン皇太子殿下の御付き魔導人形もまったく動かなかったのですよね?」


レイさん満足したのか話題を変えて話され始めた。

それに不満があるようだったけど姫様のその話に乗る事にしたようだ。

今の状況のままよりは良いと思ったのだろう。


「ま、まあ良いわ・・・コホン、えっとそれも不思議な話なのだけど、馬鹿兄貴の言葉が汚くて聞き取れなかったんじゃない?」


それでは護衛は務まらないと思うのだけど・・・

結局、僕の命令で3人の魔導人形さんは素直に従ってくれ、それぞれの元居た場所に素早く戻り、待機状態で停止してくれた。

ただ、何故か僕を見る3人の魔導人形の体が小刻みに震えているように見えたのは勘違い?


『ノール様への畏怖の念を持ったのでは? それだけの圧倒的な力の差を感じたのでしょう』


う~ん、別に戦った訳でもないしただ動くな! と強く想っただけなんだけど?


『それであの状況です。シングルジュエル程度の魔導人形ではノール様の相手にもならないとこれで証明されました』


何故かミネルヴァさんが得意気になっている様な気がするのは勘違いかな?


「皇太子殿下の魔導人形、大丈夫なのでしょうね? やっぱり姫様にも・・・」

「だから嫌だって言っているでしょ! 蒸し返さないでよ!」

「はぁ~仕方ありません。護衛は私を筆頭に数人、遠巻きに配置させていただきます。後はお二人にお任せしますので」

「初めからそう言ってくれれば良いのよ」

「そうですか? ではお二人だけでお楽しみ下さい」

「はい?」

「ですから皇太子殿下とフィリア姫様二人だけでお楽しみをと」

「な、何で?! ガランの魔導人形は?!」

「ガラン皇太子殿下から要望がありまして、2個体の魔導人形も一定の間を置いて護衛に付くと言って来られましたので、形としては二人っきりのデートです」

「な、な! な!! な!!!」


何かに火が付いたのか、フィリア姫様の顔が真っ赤になった。


「そ、そうだ! ノール! あなたも一緒に来なさい!!」

「え?」

「だから明日の私とガランのデー・・じゃない王都案内に付き合いなさいって言っているの! これは拒否権無しのお願いよ!」


それはお願いではなく命令と言うのですよ、姫様。

・・・・・ま、良いか。


『はい。情報収集も必要ですし、また何かロドエル殿下が仕掛けて来るかもしれませんので、ノール様がフィリア姫様の傍についていてあげた方が良いと思われます』


そうだよね。

何かあるかもしれないもの。

僕が姫様を守ってあげるね。


「分かりました。僕で良ければお付き合いいたします」


姫様の命令、じゃなくてお願いを聞く事にした。


「レイ、良いわね?」


そうね。その方がフィリア姫様も緊張せずに殿下とデートをしてくれるかも・・・


「分かりました。ではその様に手配いたします」


そう言うとレイさんはソファーから立ち上がると姫様に一礼して部屋を出て行かれた。

今、チラッと通り過ぎるレイさんの顔が、なんだか嬉しそうというか、悪巧みをするガキ大将の様な笑みに見えた様な?

明日はどんな一日になるのでしょう?


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